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【試合評】伏線あり、疑心暗鬼あり。見応えあった初回の攻防劇~6月30日○楽天4-3ソフトバンク

鷹の追撃を振り切り、首位攻防初戦を勝利!

2位・ソフトバンクにゲーム差0.5に肉薄されたなかでの首位攻防3連戦。
3時間31分の戦いは、前半戦の山場に相応しい激闘になった。

試合展開は初回、4番・ウィーラーの3ランで先制した鷲が必死に逃げ、鷹が懸命に追う展開になった。
4回以降は劣勢続き、4月25日以降の勝率では楽天の.638を上まわる.698を記録するホークスの勢いに飲み込まれてしまうのも、時間の問題か...とハラハラドキドキの展開だった。

楽天は初回幸先良く3点先制したものの、直後の2回、6番・松田の三塁打を起点に1点を返されてしまう。
3回、2番・ペゲーロが東浜のカットボールを仕留める右越えソロで応戦したが、中盤の5回、安楽が3番・柳田に膝元速球を一閃され、バックスクリーンへの2ランを被弾。(楽4-3ソ)

4-3の僅差1点差に肉薄されたなか、6回以降は継投作戦に入った。
6回高梨、7回福山、8回ハーマン、9回松井裕。

高梨は2死1塁から1番・中村晃に痛烈な流し打ちを浴びたが、ホットコーナーを守るウィーラーが懸命なジャンピングキャッチで球際阻止!

福山は1死後、3番・柳田に安打され、暴投、四球で2,1塁のピンチを招いたが、5番・長谷川、6番・松田を退けた。
6番・松田には1-1から3球連続徹底した厳しい内角攻め。
今季、上々の機能をみせるスライダーではなく、ツーシームで懐を突く姿勢は、「虎穴に入らざれば虎子を得ず」のことわざを思い出させる攻めの投球だった。

8回のハーマンは珍光景が2度あった。
1度目は投球練習中、2度目は1死2塁で9番・福田を空三振に仕留めたとき。
いずれも投げ終わった後に、荒れたマウンドに足を取られて激しく転倒。
そんな悪環境のなかでも、虎の子の1点を堅持した。

そして9回松井裕。
23セーブ目は最後の最後までハラハラ。
柳田に四球を与えて2死1塁で代打・内川。
通算対戦成績24打数9安打の対戦打率.375の因縁の対決を右飛に制してのゲームセット!

6回以降、次から次へとしんがりを繰り出し、若鷹軍団の追撃を振り切るさまは、まるで関ケ原の戦いで西軍・島津義弘率いる手勢が東軍の中央を突破して撤退した「島津の引き口」を想起させるものだった。

ソフトバンクの安打数は楽天の5本を大きく上まわる11本。
塁打数でも楽天11に対し、ソフトバンクは17を記録。
楽天打線は4回から6回までの3イニング連続で三者凡退に抑えられた場面があったのに対し、楽天投手陣は毎回走者の出塁を許す苦しい内容だった。

それでも、それでも、である。
それでも、なのだ。
今季17度目の満員御礼のなか、最後に勝利を掴んだのは、「必死さ」をみせた鷲軍。
敵軍安打数が楽天を6本以上上回ったここまでの5試合全敗していたが、本戦で初めて勝利を収めた。
金曜日の連敗も8でストップ、引分けを挟んでの4連勝!

カードの初戦を取ったことで、この3連戦残り2試合を落とすことがあっても、楽天の1位堅守は決定している。

これでチーム成績は1位、66試合44勝21敗1分の勝率.677。
貯金を今季最多の23へと伸ばした。

各種戦績は、6月を12勝9敗1分で終え、リーグ戦再開(=茂木離脱後)4勝1敗1分、ソフトバンク戦6勝3敗、koboパーク19勝7敗1分、先制した試合34勝7敗、ホームゲーム満員御礼試合14勝3敗、6回終了時リードした試合37勝3敗。

ゲーム差は2位・ソフトバンクと1.5、3位・西武と8.5、4位・オリックスと14.0、5位・日本ハムと18.0、6位・ロッテと24.5としている。

両軍のスタメン

ソフトバンク=1番・中村晃(一)、2番・今宮(遊)、3番・柳田(中)、4番・デスパイネ(指)、5番・長谷川(左)、6番・松田(三)、7番・明石(二)、8番・甲斐(捕)、9番・福田(右)、先発・東浜(右投)

楽天=1番・島内(中)、2番・ペゲーロ(右)、3番・岡島(左)、4番・ウィーラー(三)、5番・銀次(二)、6番・枡田(一)、7番・アマダー(指)、8番・嶋(捕)、9番・三好(遊)、先発・安楽(右投)

伏線あり、疑心暗鬼あり。目を見張った初回の攻防劇

激戦のなか、なかでも素晴らしかったのは初回の攻防である。

防御率2.30で鷹軍チーム勝ち頭7勝を挙げている東浜に対し、4番・ウィーラーの見事な先制3ラン・ショットだった。
フルカウントからの9球勝負、ストライクゾーン内角に入ってきた東浜の140kmツーシームを完璧に仕留め、左翼スタンド中段まで飛ばした大当たりになった。

ウィーラーが楽天で積み重ねたここまでの本塁打55本、全て8球目以内の勝負で決めたもので、9球勝負までもつれこんでのホームランは初になっている。

狙った球をミスショットすることなく仕留めたウィーラーの高い集中力もさることながら、この場面、そこまでに至る経緯に唸らされていた。

というのは、、、

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