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【試合評】アキレス腱と化すスキンヘッドの被弾癖~8月17日●楽天0-3x西武

不都合な条件下でみせた安楽の7回零封好投!

パリーグNo.1防御率の菊池を相手に、楽天の高卒3年目右腕・安楽が大健闘の好投をみせた。

相手は破竹の快進撃を続ける炎獅子軍団だった。
その勝利を願うライオンズファンで埋まった敵地18回戦。
楽天は獅子の炎に燃やされ2連敗。
本カードの3連敗阻止を託された重要マウンドでもあった。

今季覚醒した敵軍左腕の楽天戦防御率は0.84。
プレイボールの前から味方の援護はほとんど見込めず、1点を争う僅差の展開になることは十分に予想された。
西武とは8月3日に対戦があり、立ち上がりを攻め込まれるなど6回4失点の敗戦投手を喫していた。

背番号20にとっては「不都合な条件」がいろいろ揃っていた。
そのなかで繰り広げられた菊池雄星との投手戦、ヒリヒリしたスコアレスで、今後が楽しみになる見事な躍動をみせてくれた。

得点圏では2番・源田~5番・山川までの上位・中軸と合計5打席の対戦を迎えたが、大半に自身の打撃を許さなかった。
そして、5者全員をしっかり打ち取る好投。
今季初めて7回を投げ切り、7回7安打1四球無失点のハイクオリティスタートを記録した。

両軍のスタメン

楽天=1番・茂木(遊)、2番・ペゲーロ(指)、3番・ウィーラー(三)、4番・銀次(二)、5番・島内(中)、6番・松井稼(左)、7番・枡田(一)、8番・細川(捕)、9番・オコエ(右)、先発・安楽(右投)

西武=1番・金子侑(左)、2番・源田(遊)、3番・秋山(中)、4番・浅村(二)、5番・山川(一)、6番・森(指)、7番・外崎(右)、8番・炭谷(捕)、9番・永江(三)、先発・菊池(左投)

ハーマンまたしても打たれ、1位・ホークスとは今季最大3.5差に

安楽は菊池よりも早く7回103球でお役御免、8回からは継投に入ったが、この判断は理解できる。

というのは、前々回8月3日西武戦(●E1-8L)は123球、前回8月10日日本ハム戦(○E4-3F)は121球、2週連続の中6日で120球以上を投げていたからだ。

いくら若い安楽と言えども、今年は右大腿二頭筋部分損傷で出遅れたことで下半身のトレーニングを十分に積めておらず、スタミナという部分で不安要素があった。

今後も続く連戦日程でしっかり投げてもらいたいことを考えれば、3週間連続120球以上になるリスクを回避して無理させず、8回から継投作戦に入ったのは妥当と言えた。

しかし、しかしである。
8回は二番手・高梨がゼロに抑えたものの、翌9回に登板した三番手・ハーマンが誤算だった。

8回終了時まで両軍0-0のスコアレスは、5月20日ロッテ戦(○E2-0M)以来、今季2度目の展開。
そのなか、5番・山川、6番・森、一発長打のある2者をわずか合計5球で片づけたところまでは上々だったが、今季5度目のサヨナラ劇は「2死無走者からの暗転」になった。

7番・外崎に甘く入った152kmを左翼塀際まで飛ばされるアップルパンチの二塁打を許すと、8番・炭谷には追い込んでからファウルで執拗に粘られた挙句、フルカウント10球勝負がすっぽ抜けての死球になってしまう。

そして迎えた2死2,1塁、代打・栗山との対決だった。
ボール先行2-1から外角高めに投じた152km速球を逆方向へ。
前進守備を敷いたレフト松井稼が懸命に背走するその頭上を越えて、まさかのそのまま左翼スタンドに吸い込まれていくサヨナラ3ラン...

こういう展開になったのも、上位対決6連戦の初戦にコラレスを先発に送り出した首脳陣の「どうかしている采配」と、鷲ファンの心を折る「1イニング3被弾」をくらった森原の不振、岡本洋にカーブを多投されて「お通夜になった前夜の零敗劇」が、尾を引いてしまっているのだろう。

楽天はこのカード前回に続いて、今季2度目の同一カード3連敗。
2試合零敗は今季初になり、1位・ホークスとのゲーム差は今季最大3.5に。
これで金曜日から始まる直接対決3連戦、楽天が首位奪回するには3連勝するしかなくなった。(2勝1敗ではソフトバンク1位のまま)

チーム成績は2位、100試合63勝36敗1分の勝率.636。

各種戦績は西武戦7勝11敗(6連敗中)、後半戦13勝12敗、8月6勝8敗、ビジター30勝23敗になった。

ゲーム差は1位・ソフトバンクと3.5、3位・西武と2.5(1ヵ月前の7月20日には10.5あったのにである)、4位・オリックスと19.0、5位・日本ハムと28.5、6位・ロッテと32.0としている。

被本塁打率1.58になったハーマン

それにしても、今季初黒星を喫したハーマンである。

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