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【戦評】 雲間から虹も。窮地で死守した「東北の誇り」~4月15日○楽天12-6西武

“東北の誇り”は渡さない!

本戦を皮切りに8/17ロッテ戦まで合計8ゲームで選手が着用する「TOHOKU PRIDEユニフォーム2018」。

2013年の優勝戦線を支えた「TOHOKU GREEN」と同じロゴをあしらい黒に生まれ変わった戦闘服に袖を通したナインが、窮地で躍動した。

まさに『“東北の誇り”は渡さない!』というプライドをかけた熱いゲーム!

前日多和田の前に4安打1得点に終わり、1試合平均2.86得点、同7.4安打だった打線とは思えない活発さで、今シーズン最多15安打・同最多12得点の猛爆発をみせた。

8回、1人乗り遅れていたウィーラーが左前へ弾き返して「今季初の先発全員安打」も達成している。

のっけから最後まで「感動のジェット飛行」になった。

打者13人を送り込んだ初回8得点劇は、うっぷん溜まったファンの心を久々に晴らしたもの。
試合終盤には雲間に虹もお目見えする幻想的でチルアウトな光景になった。

投げては先発・池田がプロ初勝利。
7回途中5失点ながらも大量援護に守られ「第一歩」を刻んだ。

打っては新選手会長・岡島による打棒復活1号3ラン。
アマダーにも待望1号2ランが飛び出し、楽天打線の1試合2ホーマーは今季初だ。

若い力も躍動した。
同日、足立、島井との入れ替わりで1軍招集を受けた山下は初スタメン、八百板は途中出場でプレーした。

山下はマスクをかぶり7回まで池田、濱矢をリード。
バットでもセンターに2本、ライトに1本、移籍後初の3安打猛打賞と首脳陣の期待に応えている。

八百板は終盤8回、茂木の代走ではにかみながらプロ初出場。
ウィーラーの左安で俊足飛ばして一気に3塁を陥れると、続く銀次の左犠飛でタッチアップ生還し、翌9回はライトの守備に就くなど、メモリアルゲームになった。

これでチーム成績は6位、15試合4勝10敗1分の借金6。

1位・西武とのゲーム差は7.0、2位・ソフトバンクとは4.0、3位・ロッテとは3.5、4位・日本ハムとは3.0、5位・オリックスとは0.5としている。

(下記につづく)

ズバリ的中したゲームプラン

前日は多和田の前に、打者がストライク2つを見逃しで奪われたり、ボール球に手を出してわずか2球で0-2と投手有利のカウントにしてしまったり、そんなアプローチミスが目立った打線。

しかし、本戦では初回から理想的な攻撃ができ、先発ウルフに引導を渡すことに成功した。

初回の8安打で、2ストライク以降のヒットは茂木の1本のみ(2-2からの小石撃ち右安)。
初球を含む0ストライクで3本、1ストライク4本と、追い込まれて打率が決定的に下がる前のカウント球をしっかり仕留めた。

ゾーンでみると、ヒット8本中6本が「高めゾーン」。
また、5本が左打者によるセンターから逆方向の快打で、右打ちアマダーも右方向にヒットを飛ばしており、球を動かしてくるウルフに対し、引き付けてコンパクトに対応する『満点のゲームプラン』を実践できた。

スタメン9人中、左打者を7人並べる打線の組み換えも的中した。

じつはウルフは左打者を苦手にしている。
昨季の被OPS/被打率は右打者.639/.235に対し、左打者.818/.313、左打者に分が悪かった。

初回は1番・島内は凡退したものの、2番・茂木、3番・ペゲーロの短長連打はいずれも逆方向。
4番・ウィーラーは死球で1塁に歩き、1死満塁で5番・銀次の打席でワイルドピッチ発生。(E1-0L)

この後、銀次が珠玉のミートセンスで中前へ2点タイムリーを弾き返し、まさに左打者がウルフ攻略の突破口になっている。

打者一巡した茂木の2打席目、ウルフは右肘違和感を訴えて負傷降板。
本当に右肘を痛めたのかもしれない。
しかし、ぼくは戦意喪失したウルフが、いてもたってもいられず、違和感を口実に戦線離脱した可能性もあると思いながら見ていた。

5年7ヵ月ぶりの相手先発1/3イニングKO劇

楽天の1イニング8得点以上は2016年9/29オリックス戦以来。

イヌワシ打線が相手先発を初回1/3以下で降板においやったのは、引退試合を除くと、、、

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