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2月練習試合レポート(黒川史陽、松井友飛)

黒川史陽、快音連発中

高卒4年目の黒川史陽が絶好調だ。

ポスト浅村を目指す若き攻撃型の内野手は、2月練習試合で小郷裕哉に続く26打席を与えられ奮闘中。2/21○E11-5DBでは満塁本塁打を放つと、翌2/22○E9-6Dでは4安打3打点の固め打ちを発揮した。

目下成績は25打数13安打、5得点、9打点、3三振、1犠打、1盗塁、1三塁打、1本塁打、打率.520、OPS1.240になっている。

ヒット13本の打球方向も素晴らしく、レフト方向4本、センター方向4本、ライト方向4本とまんべんなく打ち分けることができている。

武藤敦貴とともに東北の次代を担うプロスペクトと期待を寄せられながら、昨年はわずか17試合と停滞。そして今秋ドラフトでは大学へ進学した同級生がプロ入りしてくる。彼にとって大事な1年になるが、年明け1月ソフトバンク中村晃の自主トレに参加したことが大きかったようだ。

常勝軍団のベテランから得た学びは大きく、また同塾に参加していたヤクルト長岡英樹とは2001年世代の同期。昨年ヤクルト優勝に貢献してゴールデングラブ賞を獲得した燕のショートストップとの交流も刺激になったはずで、マインドセットから食事内容まで意識改革が進んだと報じられている。

もちろん、この時期の数字だ。ぬか喜びは禁物。2月の実戦はどの球団も若手に多く機会を与えており、実際、黒川の26打席中、1軍通算投球回が100回以上を記録する実績豊富投手との対戦は7打席にとどまっていることからでも確認できる。

とはいえ、満塁弾を仕留めた相手は1軍通算400回以上を有し、昨年二桁勝利を挙げたDeNAの大貫晋一だった。

とくに好印象は、速球系で13打数7安打、打率.538を残しているところ。
速球系への対応は黒川の課題の1つになっており、契約更改で本人も「1軍の球の速いピッチャーを打つには、とにかく一球で仕留めることが大事だと思います」と課題を口にしていた。

だから、今後重要になってくるのは、1軍主戦級が続々出てくる3月オープン戦でも結果を残すことができるかというところ。この点を念頭に入れて今後も見守っていきたい。

松井友飛 開幕ローテ争いから後退か

開幕ローテ争い。開幕投手が内定した田中将、本拠地開幕戦にまわる則本、ベテランの岸は当確と言われ、昨年生え抜き左腕初の50勝を達成した辛島も濃厚と各紙報じている。残り2枠をバニュエロス、瀧中瞭太、内間拓馬、藤平尚真、荘司康誠ら新戦力と若手が争う構図になっている。

大卒2年目を迎えた松井友飛も候補の1人だ。

しかし、4回6安打5失点を喫した2/22○E9-6Dの登板で開幕ローテ争いから後退したイメージだ。報道によると、石井監督は次回もチャンスを与える方針とのことだが、相当取り返さないと厳しいだろう。

4回途中無失点に抑えた2/16○E5-1Sも、3安打3四球を出しており、投球内容そのものは決して良くなかった。これで7.2回、打者38人、球数145、被安打9、被本塁打1、奪三振5、与四球6、失点5、自責点3になった。

松井友の課題点は、CSW%(Called+swinging strike percentage)が低いところ。

球数に占める空振りと見逃しストライクの比率で、もはや当noteでもおなじみ。米Fangraphsが掲載しており、今年から日本のDELTAも採用することになったスタッツだ。

この数字が2試合投げて20.7%なのだ。昨年の楽天先発陣の数値は・・・(続く)

...続きは『Shibakawaの楽天イーグルス観戦記2023』でどうぞ。

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2018年9月のGM就任から始まった石井体制も5年目へ突入。今年はGM職を外れて監督業に専念する総決算・集大成の戦いに。監督も「狙うのは優勝ですね。優勝以外を掴まされてもハズレ」と不退転の決意を示す今シーズンを試合感想文やコラムなどで綴ります。あなたの野球観戦の「良き伴走者」を目指して。月10回以上を所収ただいま新規読者さん募集中!

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