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【試合評】4/1楽天3-4x日本ハム:8年6ヵ月ぶり前代未聞の敗戦劇

15残塁のサヨナラ負け

延長10回裏、清宮幸太郎のサヨナラ打で幕切れした開幕2戦目は、「エイプリルフールか?」と疑いたくなるくらい、イーグルスにとって前代未聞の敗戦になった。

7人目で登板し、昨年デビューから22試合連続無失点のNPBタイ記録を作った宮森智志が、相手の4番、5番にあっさり長短打を浴びて屈したからではない。

イヌワシ打線はファイターズ投手陣から合計10個の四球をもらっていた。四死球では11個である。

それなのに、島内宏明の先制打、辰己涼介1号2ランの3点どまり。オープン戦12球団No.1の打率.263を誇った打線が、今日は36打数7安打の打率.194とつながりを欠き、残塁の山は15を数えた。

この日は相手先発・上沢直之が自己ワーストの7四球と乱調。

ご存じのとおりエスコンフィールドは両翼100m未満。右中間は膨らみがなく、打者有利で一発は増えると言われている。上沢もオープン戦の3/25ヤクルト戦で若手打者に2本の一発を被弾し、新球場の怖さを思い知っていた。それだけに慎重になったものと思われるが、楽天打線は得点圏で17打席を演出しながらも、ヒットは2本、タイムリーは1本だけと、あと1本が出なかった。

Twitterにも書いたとおり、楽天打線が相手投手陣から二ケタ四球を頂戴しながら負けたのは、2014年10/4●E0-6Bs以来である。あのときはCS完全消滅したなかでの消化試合だからさもありなんも、今回は開幕2戦目だから、意味合いは異なってくる。

楽天=1番・辰己(中)、2番・小深田(左)、3番・フランコ(指)、4番・浅村(二)、5番・島内(右)、6番・阿部(一)、7番・山﨑剛(遊)、8番・黒川(三)、9番・炭谷(捕)、先発・瀧中(右投)

日本ハム=1番・矢澤(右)、2番・石井(二)、3番・松本(左)、4番・野村(三)、5番・清宮(一)、6番・マルティネス(指)、7番・上川畑(遊)、8番・清水(捕)、9番・五十幡(中)、先発・上沢(右投)

両軍のスタメン
試合展開

解説・金村暁さんを感嘆させた18年目の配球

悔しい4時間22分のなか、最も評価できる楽天選手は炭谷銀仁朗だ。

もちろん、0-0の2回2死3,2塁で遊ゴ、同じく0-0の4回2死満塁で一ゴ。チャンスで凡退し上沢を打ち崩す1本を打てなかったという点においては、責任の一端はある。

とくに1打席目は1-0からの2球目インハイ完全ボール球に思わず手を出してのファウル。打者有利2-0になるところが1-1の並行にしてしまったアプローチはマズかった。

しかし、満塁での2打席目は凡打に倒れたものの上沢にじつに13球も投げさせた。これは楽天移籍後、炭谷が1打席で投手に最も多く投げさせた球数になった。

6回1死2塁の3打席目では、オープン戦ヒットを1本も打たれなかった宮西尚生から右前へ弾き返して3,1塁の好機拡大に努めた。8回2死走者なしの四球も大きく、辰己の一発を同点2ランに変えてみせた。

守備では・・・(続く)

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