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【戦評】勝利できなかった『3度先行』の勝ちゲーム~楽天7-9ロッテ

台風接近下のマリンは激戦シーソーゲームに

その後に熱帯低気圧に変わった台風6号が東日本に接近するなかでのロッテ13回戦。
風速10m超の強風(この影響で井上のホームラン性3本が塀際失速フライアウトになった)に見舞われた敵地マリンは、両軍二ケタ・合計23本のヒットが飛び交った。

今季このカードは得点が1試合平均5.69に対し、失点も5.15。
激しい点取り合戦になることが多く、本戦も御多分に漏れず。

先制は楽天だったが、ロッテにすぐさま逆転された。
中盤にイーグルスが勝ち越しに成功し2点リードしたものの、直後マリーンズに再逆転を許した。
終盤に主砲の一撃で再度の勝ち越しを決めたが、三度の逆転を許すシーソーゲームになった。

鷲の先発は菅原。
今季は投げても最長5回まで。当初から長い回は望むべくもなかった。
本戦も5回にピンチを招き、責任投球回を完了できずに降板。

ゲームの命運を自慢の救援陣に託したが、後半戦27イニングでわずか2失点と快投続きだったリリーフ陣が本戦では誤算だった。

6回を任された三番手・ブセニッツが4安打3失点。
舌を巻く高速カットボーラーが、その勝負球でタイムリー3本を浴びる。

2点リードの場面で登板したブセニッツが逆転を喫してスコアは5-6。
1点を追った終盤8回の攻撃、浅村がクライマックスの一撃をお披露目。

カウントは1-2と追い込まれていた。
今季の浅村はストライク先行の追い込まれた場面でホームランなしの打率.192。
圧倒的不利のなか、会心の当たりで唐川の勝負球144キロを打ち砕く。

打球はバックスクリーン右へ消えていく20号の逆転2ラン!
一瞬ZOZOマリン全体が静寂に包まれ、場を完全に支配した千両役者の一発は、本戦で最も美しいシーンになった。

ところが、直後の8回裏、五番手・森原が誤算。
6月から16試合連続無失点、19試合連続自責点ゼロ、この間『打者29人連続アウト斬り』もあった快投右腕が3失点し7-9に。
新外国人マーティンの決勝2ランを含むヒット3本は全て変化球を捉えられたものだった。

惜敗だが、救われたのは首位・若鷹軍団も負けたこと。
1位とのゲーム差4.5はそのまま。

1位から4位・西武まで5.0差のなかでひしめきあう混パは継続中。

これでロッテ戦は5勝7敗1分に。
チーム成績は3位、92試合46勝44敗2分になった。

両軍のスタメン

楽天=1番・茂木(遊)、2番・山崎(二)、3番・浅村(指)、4番・ウィーラー(三)、5番・銀次(一)、6番・渡辺佳(右)、7番・和田(左)、8番・堀内(捕)、9番・辰己(中)、先発・菅原(右投)

ロッテ=1番・荻野(中)、2番・マーティン(右)、3番・鈴木(一)、4番・レアード(三)、5番・角中(左)、6番・井上(指)、7番・中村(二)、8番・田村(捕)、9番・三木(遊)、先発・佐々木(右投)

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快投森原を生み出した平石采配

ここまで良く投げてくれた森原が打たれたのだ。
こういう日もあると、仕方ないと僕の中では完全に割り切ることができる。

6/12ヤクルト戦(○E7-4S)から始まった『16試合連続無失点』を改めて振り返ってみよう。

まずは下記表をご参照ください。

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