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【戦評】「無茶難題」を切り抜けた背番号1の闘魂投球~4/17○楽天7-4西武

獅子退治で単独1位再浮上

今シーズン3度目の単独1位浮上を果たした西武4回戦。

ヒーローインタビューに呼ばれたのは、福井と浅村の新戦力だった。
先発・福井は5回3失点にまとめる巧投、浅村は通算150号を古巣撃ちで飾る逆転決勝3ランを放った。

しかし、ぼくが思う「勝利の立役者」は、最終盤の絶対絶命をしのいだ松井に尽きる!

4点リードの9回、六番手・石橋がマウンドに送り出された。
今後のペナントレースを考えたとき、石橋に経験を積ませて成長を促す起用は必須。
かつ、松井の出番も開幕15戦で10試合と増えており、登板を控えたい場面でもあった。

その意味では、ぼくは平石監督の石橋起用は間違っていないと思う。
ところが、その石橋が無死満塁のピンチを招き、休ませたかった松井の救援を仰ぐかたちになったのだ。

過去2度しかない松井裕樹の満塁登板

プロ2年目から抑え転向した背番号1にとって、満塁場面での登板は2度しかない。

1度目は2015年4/10オリックス戦。
3点リードの8回2死満塁で前倒し投入されて火消しに成功。
翌9回もマウンドにあがり、ゼロを入れてセーブをつけた事例だ。

2度目は同年11/19、プレミア12での準決勝・韓国戦である。
3点リードの9回、イニングをまたいだ則本が1点返され、なおも無死満塁。
火消しに急行した松井も、李大浩に2点タイムリーを浴びるなど逆転3失点を喫し、当時、野球ファンから相当叩かれた。

本戦の9回無死満塁も、あの悪夢の韓国戦と同様、他人が作る無死満塁で登板。相手の打順も3番から始まるクリーンアップ対決という無茶難題も、韓国戦と全く同じになった。

そのなか、速球を見せ球にし変化球を駆使した嶋の好リードを受けながら、最少失点で切り抜けた活躍は、松井にしかできないもの。

石橋が登板した時点で、完全に切ることはないもののそれでも1度は戦闘態勢を解除しているはずで、そこから一気に気持ちを立て直し、勝負師に徹したところも、本当に鬼気迫るものがあり、心の中で最敬礼したい気持ちになった。

これでチーム成績は16試合10勝5敗1分、貯金は今季最多タイの5に。
本拠地・楽天生命パークでは6勝目であり、昨年は6/12の達成だったことを考えると、仙台・東北のファンを喜ばせるゲームができている。

ゲーム差は2位・ソフトバンクと1.0、3位・日本ハム、4位・オリックスと3.0、5位・西武と3.5、6位・ロッテと4.5にしている。

同日2戦連続で零敗を喫した若貴軍団は、故障者がさらに続出。
外野手が足らなくなるほどの未曾有の緊急事態になっており、相手が戦力を大幅ダウンさせている今このときこそ、貯金を多く積み重ねておきたいところなのだ。

両軍のスタメン

西武=1番・金子侑(左)、2番・秋山(中)、3番・外崎(二)、4番・山川(一)、5番・森(捕)、6番・中村(三)、7番・栗山(指)、8番・木村(右)、9番・永江(遊)、先発・本田(右投)

楽天=1番・茂木(三)、2番・藤田(遊)、3番・浅村(二)、4番・ウィーラー(指)、5番・銀次(一)、6番・ブラッシュ(右)、7番・オコエ(左)、8番・嶋(捕)、9番・田中(中)、先発・福井(右投)


明暗分かれた初回の攻防

それにしても、明暗分かれた初回の攻防を見せられたときには、この展開は想像できなかった。

楽天は先発・福井が立ち上がり「探りにいってしまった」と反省の弁。
追い込んでから3番・外崎に2球連続で低め誘い球を見きわめられる場面もあり、1安打3四球で3点を失った。

一方、前日4番・島内の死球による負傷退場を受け、今季初めて大幅に打線を組み変えたイヌワシ打線は、立ち上がり故郷凱旋の相手先発・本田の前に無得点。

積極打法でチームに流れを呼び込んで欲しい1番・茂木が、、、

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