【試合感想文】 9/12楽天3-5ロッテ:則本昂大107分の1、38分の1
楽天のエースが1球に泣いたのは、昨年7/13●E2-3F以来だ。
あのときの舞台は静岡・草薙球場。途中から雨に見舞われ、その雨足が一層激しさを増した終盤の7回、木村文紀に捕まった。
0-1からの第2球、捕手・太田光が「腕を振れ!」のジェスチャーを繰り出した直後、内角に厳しく構えたミットよりも若干甘く入った膝元150キロを完璧に打ち砕かれ、左翼スタンド行きの逆転決勝3ラン。外野手は一歩も追わずという超弾道だった。
あれ以来の悲劇になってしまった。
この日107球を投げた則本昂大は、フォーク、チェンジアップの落ちる球を38球で使用。その38球中31球を低めゾーンに制球していた。
残り7球は中段以高だったわけだが、その中で最も高く甘く入ったコントロールミスの失投が、7回2死3,1塁の逆転決勝3ランに化けてしまった、というワケだ。
打った打者は37歳チーム最年長。
僕が懇意にさせてもらっているスポーツジャーナリストの氏原英明さんが奈良新聞を退社して独立した2003年、フリーになって初めて舞い込んだ仕事が雑誌ホームラン夏の甲子園・奈良大会展望記事だった。そこで注目選手の1人としてピックアップしたのが、当時、奈良・郡山高3年で20年後の9月に則本を打ち砕いた荻野貴司だった。
荻野といえば松井裕樹のストレートを2本ホームランにしているほど、謎の小力の持ち主だ。だから、あの場面は真っ直ぐ回避で勝負球から入りたくなる心理は、よくわかる。
しかし、今シーズン則本から最多タイ7本のヒットを弾き返した荻野vs則本の12打席を紐解くと・・・(続く)
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