【試合感想文】 6/6阪神1-4楽天:3連勝中の虎のニューフェイスから逆転勝利

引き締まった2時間38分

記録マニアから見れば、本戦は珍しいゲームになった。

僕はいつもスポナビに加えて、日刊スポーツの試合速報を重用している。ニッカンのボックススコアの下記には、いろんな記録が記載されており、自分が集計したデータと照らし合わせてクロスチェックするときにとっても役立つのだ。

しかし、本戦は「◇本塁打 辰己3号(ソロ125m=村上)」の記述のみだった。

ふつうならここに本塁打に加えて暴投、捕逸、失策、盗塁、盗塁死、走塁死などの記録はズラズラ並んでいるわけだが、本戦は辰己3号のみ。それだけ引き締まった試合だったと言えそうで、だからこそ今季5番目に短い2時間38分で終えることができたのだろう。

延長2試合を戦ったロッテ戦の影響

とにかく、今売り出し中の虎のニューフェイスから勝利をもぎ取り、3連戦のアタマを取ることができた。

5回裏に届けられた今江敏晃コーチの談話にもあったように、相手先発・村上頌樹がゾーン内にどんどん投げ込んでくるなか、しっかり打ちにいくアプローチが実を結んだ。

打者33人中、1打席内で見逃しストライクを複数奪われたケースを4打席にとどめたことからでも、楽天打線が上手く対応できていたと言えそうだ。

という楽天打線の頑張りを大前提にしながら指摘したいのは、阪神の前のカードの激闘の影響だ。

タイガーズは前のカードは甲子園でロッテ3連戦。金曜日を雨で流れたぶんが月曜日につけかえになり、土・日・月の3ゲームシリーズになったが、これが激闘だった。

土曜日は延長11回まで、月曜日はブルペン7人を注ぎ込み12回までもつれる5時間07分のロングゲームに。試合が終わったのは23時すぎだったという。

移動ゲームになった本戦は試合前、選手の疲労を考慮して屋外の打撃練習を免除したと中田浩光アナが言及していた。だから、ブルペン陣の疲労を考えて、プレイボール前から虎の村上様にできれば1人で投げ抜いてくれという指令があったのかもしれない。直接言われなくても、チーム状況を察知して長い回をという重圧を感じていたはずだ。

そんな責任感がプレッシャーに変わり、綻びとなって、いくつかの失投が生まれ、そのミスピッチを見逃すことなくごっつあんしたのがイヌワシ打線だったと言えそうだ。

試合展開

阪神=1番・近本(中)、2番・中野(二)、3番・ノイジー(左)、4番・大山(一)、5番・佐藤輝(三)、6番・島田(右)、7番・前川(指)、8番・木浪(遊)、9番・坂本(捕)、先発・村上(右投)

楽天=1番・渡邉佳(一)、2番・小深田(左)、3番・小郷(中)、4番・浅村(二)、5番・岡島(右)、6番・鈴木大(三)、7番・フランコ(指)、8番・山﨑剛(遊)、9番・太田(捕)、先発・則本(右投)

両軍のスタメン

小郷裕哉と鈴木大地

2試合連続3安打を記録した小郷裕哉が、2020年11/7西武戦以来キャリア2度目の3番スタメン。しかし3タコに終わり、終盤守備固めを送られるかたちに。(その辰己が3号ソロ)

いっぽう、鈴木大地は長短2安打2得点で勝利に貢献した。2本ともお得意の右方向にHのランプを灯す活躍だった。

これを受けて、首脳陣が今後、小郷と鈴木大をどう扱うのか?に注目している。

小郷は今季、左投手には41打席40打数15安打の打率.375とめっぽう強いものの、右投手には44打席37打数4安打の.108とカラッキシ。

鈴木大は・・・(続く)

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2018年9月のGM就任から始まった石井体制も5年目へ突入。今年はGM職を外れて監督業に専念する総決算・集大成の戦いに。監督も「狙うのは優勝ですね。優勝以外を掴まされてもハズレ」と不退転の決意を示す今シーズンを試合感想文やコラムなどで綴ります。あなたの野球観戦の「良き伴走者」を目指して。月10回以上を所収。ただいま新規読者さん募集中!

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