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【試合評】 エース続投を判断した梨田監督の継投ミスが生んだ「痛すぎる」敵地敗戦~4月19日●楽天4-5x西武

勝てる試合を落とした、悔しい敗戦劇

「青写真」は見えていたはずだ。

エースが楽天先発今シーズン初の7回を全う。
4-2の2点リードで終盤2イニングは、継投リレーへ。
8回を経験豊富な福山に任せ、9回は「杜の都の守り神」松井裕で締める。

開幕来フル回転が続く森原(14試合10登板)とハーマン(14試合9登板)を休ませて、今季いまだ負けなしのビジター連勝記録を7に伸ばし、貯金を二桁10個にする「絶好のチャンス」だった。

しかし、よもやの逆転負け。

3点以上のリードをひっくり返されての敗戦劇は、ちょうど1週間前の4月12日西武戦(●E5-10L)以来、今季2度めの屈辱になってしまった。

それもこれも、首脳陣の継投ミスが原因である。

すでに116球を投げていた則本を8回も続投させたのだ。
救援陣の開幕来のオーバーヒートを解消すべく、則本から松井裕へ一気につなぎたい。
おそらく、そういう皮算用だったと思うが、裏目に出た。

続投した則本は8回、先頭打者安打を含む3本のヒットを集められ、メヒアの痛烈ゴロをファンブルしたウィーラーの適時失策も飛び出し、2失点。
試合は振り出しに戻り、結局、4-4のまま今季3度めの延長戦に突入した。

森原、遂に捕まる...

10回福山、11回ハーマン、そして12回は森原を投入。
休ませたかった主戦級の救援陣を、結局全員注ぎ込まざるをえない事態に陥ると、12回裏だった。
球団史上3人目の開幕戦プロ初登板を飾り、ここまで10試合連続無失点の快投をみせていた森原が捕まった。

安打出塁を許した秋山を1塁に置き、1死1塁で3番・浅村。

敵軍主将との対決劇は、ヤラれたらヤリかえすの応酬劇になっていた。
1回戦の4月12日、軍配は浅村に上がる。
5安打2打点と蹂躙を許したが、前夜の2回戦、楽天がリベンジに成功した。
果敢に内角を攻めて4打数ノーヒット2三振と全く仕事をさせず、本戦も2打席目まで順調にアウトに討ち取っていたのだ。

ところが、3打席目から潮目が変わっていく。
3点リードの6回1死3塁の第3打席に右犠飛を許すと、2点リードの8回1死3,2塁には遊撃後方&中前に落とされ、1点差に肉薄されるテキサス性の適時打。
10回の5打席目は先頭打者安打を打ち返されていた。

そして迎えた第6打席が、延長12回1死1塁、森原が対峙したアット・バットだったのだ。

森原は社会人時代は主に先発だった。
リリーフは人生を決めた昨年夏の都市対抗、日本新薬の補強選手として3点リードの9回に登板したのが、ほぼほぼ唯一の経験だという。
自らの失点が即命取りのゲームオーバーになるサヨナラのシビれる場面で登板したことはあまりなかったはずだ。

サヨナラの走者を1塁に置いたことで、プレッシャーで投球が乱され、借りてきた猫のようになってしまったのは仕方のないこと。
外角狙いのストレートが決まらず、ボール先行3-0になってしまう。
その後、なんとかカウントを立て直し、フルカウント勝負にもつれこんでいたが、3-0になった時点で、すでに勝負はついていたのだろう。

開幕前の対外戦から四死球を1個も出していないということは、本人も強く把握していただろうし、同時に矜持にしていたはず。
この場面でもフォアボールは出したくない。
緊迫した場面に加え、そんな思いも高まり、ストライクゾーン真中で勝負しにいくというより、若干、置きに行くかたちになってしまったのが、痛打一閃をくらう原因になったと感じる。

はたして打ち返された打球が右中間を襲い、ワンバウンドでフェンスに到達。
1塁から秋山が長駆生還、今シーズン初のサヨナラ負けを喫する悔しい敗戦、ダメージの残る黒星になってしまった。

これでチーム成績は1位、14試合11勝3敗の勝率.786。

2位・オリックスとのゲーム差は2.0、3位・西武とは3.0、4位・ソフトバンクとは4.0、5位・ロッテとは7.0、6位・日本ハムとは8.0。

移動日を挟んで金曜日からは若鷹軍団との3連戦が控えている。

両軍のスタメン

楽天=1番・茂木(遊)、2番・ペゲーロ(右)、3番・ウィーラー(三)、4番・アマダー(指)、5番・銀次(一)、6番・島内(中)、7番・岡島(左)、8番・藤田(二)、9番・嶋(捕)、先発・則本(右投)

西武=1番・秋山(中)、2番・源田(遊)、3番・浅村(二)、4番・中村(三)、5番・メヒア(一)、6番・渡辺(指)、7番・外崎(左)、8番・木村文(右)、9番・炭谷(捕)、先発・多和田(右投)

則本の課題点を直視せずの首脳陣

やっぱり、勝てる試合を落としたこの敗戦劇。
最大の敗因はベンチワークにあったと思うのだ。

前述したように8回も則本をひっぱりすぎてしまった点が「大きな誤り」だった。

というのも、先週の試合評でも指摘したように、今シーズンの則本は、、、

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