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【試合評】「剣が峰」になった終盤8回のフルカウント勝負~4月18日○楽天2-0西武

球団タイ記録の7試合連続二ケタ安打

対戦カード一巡して10勝2敗。
開幕12試合での10勝到達は1990年西武以来、パリーグでは27年ぶり。
世間を慌てさせる開幕ダッシュになった楽天だが、今季唯一負け越している相手がライオンズだった。

楽天は例年、西武との対戦成績が悪い。
通算対戦成績は114勝162敗7敗、勝率.413。
年間の勝ち越しが昨年の1シーズンだけと、因縁浅からぬ相手だった。

そんな宿敵との、県営大宮球場に舞台を移した2回戦。
楽天がスコア2-0の接戦をモノにし、対戦成績を1勝1敗に戻している。

打線はペゲーロ、銀次、岡島にマルチヒットが飛び出し、球団記録に並ぶ7試合連続の二ケタ安打。
2009年4月29日の日本ハム戦~5月5日西武戦の7試合連続に並ぶ、球団史上2度めの快挙になった。

先手は2回表だった。
昨年、この場所で相手先発・高橋光成に完封勝利を許していた楽天打線が、5番・銀次、6番・島内、7番・岡島の三連打で1点先制すると、5回表1死3,1塁、ペゲーロ併殺崩れ二ゴの間に、3塁から藤田がホームイン、2点めを挙げた。

この2点を先発・辛島以下の投手陣が守り切っている。
2勝めを挙げた辛島は6回3安打無失点。
7回以降は「勝利の方程式」が登場。
森原、ハーマン、松井裕による今季6度めのブルペンリレーで、ライオンズの反撃を許さなかった。

これで今シーズン、楽天はいまだ敵地負けなしの6連勝!
チーム成績は13試合11勝2敗の1位。
貯金を9に伸ばすと、2位・オリックスとのゲーム差は2.5、3位・西武とは4.0、4位・ソフトバンクとは5.0、5位・ロッテとは7.0、6位・日本ハムとは8.5としている。

両軍のスタメン

楽天=1番・茂木(遊)、2番・ペゲーロ(右)、3番・ウィーラー(三)、4番・アマダー(指)、5番・銀次(一)、6番・島内(中)、7番・岡島(左)、8番・藤田(二)、9番・嶋(捕)、先発・辛島(左投)

西武=1番・秋山(中)、2番・源田(遊)、3番・浅村(二)、4番・中村(三)、5番・メヒア(一)、6番・渡辺(指)、7番・木村文(右)、8番・斉藤(左)、9番・炭谷(捕)、先発・高橋光成(右投)

「剣が峰」になった終盤8回のフルカウント勝負

本戦のMVPは、破壊力抜群のライオンズ打線を6回3安打零封した先発・辛島だとすると、本戦の剣が峰をしのいだのは、8回裏に登板したハーマンだった。

先頭の6番・渡辺にいきなり二塁打を浴びた。
楽天戦の通算打率が.291。
古巣相手に異様な打ちっぷりを見せる元犬鷲戦士に、ボール先行2-1からストライクを取りにいった高めファストボールをひっぱられ、左翼線へ弾き返された。

無死2塁と得点圏に走者を背負って、打席は7番・木村文。
一発長打を秘める右打者に対し、変化球が2球外れてボール先行2-0。
その後、真っすぐでカウントを立て直したものの、誘いの低めカーブを見切られて、フルカウント8球勝負にもつれこんでいた。

結局、最後も真っすぐで押して差し込ませての中飛に仕留めたというシーン。
ここ、フォアボールをよく出さなかったと思うのだ。

力でねじ伏せようとするあまり、力んでしまい、ストライクゾーンを見失って、球が大きく高めに上ずったり、抜けたりしまう外国人によくありがちなケース。
たとえば、来日1年目のクルーズや昨年のリズにあったような、ああいうノーコンは、ハーマンには見られない。
地方球場独特の軟らかくて低いマウンドにも問題なくアジャストできているようにみえた。

もしこの場面、四球で無死2,1塁にしてしまったら、後続はバント。
一打出れば同点というリスクがある1死3,2塁を作られてしまうところで、そうなると、その後の展開はどうなるか分からなかった。

四球を出さず、四球を出しても容易には崩れない。
これで8.1回を投げて四球3個、与四球率3.24と合格ラインだ。

3個出した四球のうち2個は、直後の打者を併殺網にかけ、残り1個は2死1塁から打者をゴロ凡打に仕留めている。

ハーマンの米3A通算与四球率2.47だった。

昨年11月、ブログでこんな記事を書いた。

◎助っ人50人を調べてわかった、ダメ外国人投手を引かないため球団担当者がまっさきに確認すべき重要指標

外国人投手を連れてくるのなら、とにかく米3A通算与四球率がキモという趣旨で、その意味では楽天の国際部は「良い仕事をした」と言えそうだ。

辛島、今季2勝め

先発・辛島は安全運転で2勝めを手にした。
好投の要因の1つは、今季初登板にあったと思う。
というのは、、、

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