──東北は日の出を待っている── shibakawaが作る犬鷲選手名鑑2016(1)

福田将儀、藤田一也、阿部俊人、長谷部康平、釜田佳直、西宮悠介、牧田明久、下妻貴寛、ルシアノ・フェルナンド、加藤正志の10選手分

プロ野球のキャンプインも間近に迫ってきましたね。2月下旬になると、書店の店頭を一斉に賑わすことになる選手名鑑の数々。各社が力を込めて作る名鑑は合計10数冊以上にも及び、以前、当ブログでは10冊以上を買い込み、名鑑比較を実施したこともありました。

お気に入りの選手名鑑を眺めているうち、実際に中に入って選手名鑑作りに携わってみたいなあ!と思う気持ちが強まってきた近年。何度かTwitterで思いの丈を叫んでみたりしましたが、オファーが来る訳もございません(泣)

そこで、依頼が来ないのなら作ってしまえ!という企画。鷲ファンの中で楽天の成績やスタッツを最もウォッチし、月3万PVを誇る楽天応援ブログを運営、ベースボールチャンネルなど他媒体にも寄稿するshibakawaが、その責任編集の名において、魂込めて犬鷲選手名鑑を作成しようという試みです。

作成に当たり、独自ルールを2つ設けました。

主力選手/注目選手の寸評は本文500字のテキスト。その他選手は250字の分量を守ります。

市販の選手名鑑に記載がある過去の主要成績等は省略します。今やネットで簡単に調べることできますしね。代わりに、楽天戦全試合の記録を集計しているshibakawaならではの珍しいデータ、注目して欲しい数字、当該選手の見どころなどを適宜、クローズアップします。

第1回目の本稿では、福田将儀、藤田一也、阿部俊人、長谷部康平、釜田佳直、西宮悠介、牧田明久、下妻貴寛、ルシアノ・フェルナンド、加藤正志の10選手を取り上げていきます。

福田将儀・・・俊足好打の青い稲妻に「未来」を見る

元祖・松本匡史氏も認める「杜の青い稲妻」。昨年は新人野手唯一の開幕1軍入りを果たし、2戦目に2番・右翼で初先発、67試合に出場した。

センター先発45試合、則本&松井裕を救うフェンス激突の塀際美守、中前安打性の痛烈ライナーを前進ダイレクト捕球&飛び出した二走を刺す併殺プレーなど、ポスト聖澤に一躍名乗りを挙げた(中堅UZRはM岡田、H柳田らを上回る-2.5)。

打撃では1試合4安打含む6度の猛打賞。これはチーム内では藤田に次ぐ回数だった。小技が白眉だ。2本のセーフティスクイズはプロ初打点、誕生日安打とメモリアル安打を刻み、中前単打を7秒台の到達タイムで二塁打に変えた初の長打も印象深い。対戦を熱望した大学の先輩G澤村との対決は1打席で実現、初球犠打を決めている。

走塁はベースランニングが素晴らしく、二走本塁生還率は100%だった。一方、成功率38.5%に終わった盗塁が課題だ。年末に和製ボルトの異名を持つロンドン五輪陸上短距離代表・飯塚翔太に師事、改善の効果を期待したい。2年目の今年は全143試合1軍登録を掲げて臨む。我々ファンはスピード感溢れる俊足好打のプレーに「未来」を見る。

☆福田のココが凄い⇒100%の二塁走者本塁生還率

走者2塁(2,1塁、3,2塁、満塁含む)、外野単打による2塁走者の生還可否。5度あった機会全て生還した。機会5以上の14人中で1位だ。ちなみにチーム平均50.3%だった。

4月24日ロッテ戦では相手が前進守備を敷くシチュエーションの中、1,2塁間を破る右前ゴロ安打で本塁突入。清田のバックホームとの競争を間一髪制し、上手く回り込む形で左手でホームベースを陥れる好走塁を見せた。

楽天2塁走者別の本塁生還率

他にも、走者1塁(3,1塁含む)、外野単打による1塁走者三塁到達率も、チーム値31.8%の中、福田は44.4%(4到達/9機会)を記録。3塁走者の外野飛球本塁タッチアップ生還率も福田はチームの70.0%を上回る75.0%を残すなど、総じてベースランニングで良い結果を残した。

課題の盗塁は精度アップが求められる。昨年の成功率38.5%はパリーグで10企図以上走った32走者中ワーストだった。詳細を確認すると、10企図全てにおいて捕手の2塁送球を受けていた。通常、盗塁は捕手が送球したり、しなかったりが混在する。投手のモーションを盗んだ時などは捕手は時間的に2塁に投げても間に合わないと判断し、、無理して投げないことも多い。しかし、福田の場合は全て送球されたということは、良いスタートを切れなかった可能性がある。この辺りが改善点だ。

※これより先、藤田一也、阿部俊人、長谷部康平、釜田佳直、西宮悠介、牧田明久、下妻貴寛、ルシアノ・フェルナンド、加藤正志の9選手分は有料エリアでの購読になります。


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