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架空生物の

時々無性に聴きたくなる曲がある。
それは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの
「架空生物のブルース」。

この曲を聴いていると「生きる」ということがじわじわと身体中に沁みわたっていくのを感じる。
前向きなどというキラキラしたものなんて1つもない。1つもないのに、悲しみの淵にいるときに見上げた空と同じような空がこの曲に優しく広がっているような感じがするから。

ボーカルの後藤正文という人の言葉が好きだ。
物事の見方や表現力がすごく好きで
ドサクサ日記も時々読んだりする。

この前読んだ日記で川上未映子の本の感想を書いていた。
その感想の終わりの方の文章がすごく好きだった。

お金がすべてだなんて
信じている人は少ないのに、
いつだって俺たちは
お金がすべてみたいな顔をした世間に
踏みつけられてヘトヘトになる。
そうした不条理のなかにでも、
一筋のひかりを俺は見たい。
ただそれは、
この社会がなんとなく良い感じに
それぞれに救いを用意しているだろう、
と信じることではない。
むしろその逆で、
この救いのなさに
立ち向かってみせることこそが、
ひかりなのだと思う。
最悪の、
地獄の底のようなボキャブラリーから
クソという言葉を
握りしめるしかない瞬間や人生を、
じっくり抱きしめるように
「物語」に立ち向かうこと。
それは、ひかりそのものだと思う。
俺も自分の場所でじっとりと頑張りたい。

ここ最近の私がずーっと、もうずーっと欲している言葉が詰まっていると思った。

人の心は何かに枯渇して欲しているとき、
心から欲しかった言葉や音楽に出会うと
一瞬道が開けたような
そこに日がさしたような救われた気がする。

そんなとき、
まだまだこの世の中、捨てたもんじゃないと思えるから私も、今の自分の場所でじっとりと頑張っていきたいと思う。

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