見出し画像

邯鄲な日記 20220518

 人に勧められて、『猫と庄造と二人のをんな』を再読する。

 あれ、読んだことなかったっけと思っていたらやっぱり既読だった。よく小説を書くテクニックとして、「説明をしてはいけない」ということを言われる。しかし、この作品は説明だか描写だか分からないような文が延々続くのにも関わらず、非常に読みやすいし、すぐに作品世界に引き込まれてしまう。庄造と二人のをんな、それぞれの思惑が交互に綴られていくのだが、終わり方に人間のぎょっとするようなエゴイズムを感じさせる。結局、人は一番自分が可愛いのだ。そして、どの人も、別の人の思惑通りにはならない。よし外側から見たら思惑通りにことが運んでいるようであっても、肚のうちは違うのである。そんなの分かっているのだけれど、やるせなくていけない。


 芸人の大久保佳代子がSPY×FAMILYのアーニャコスプレをしたと話題になった。アーニャじゃなく「バーニャ」らしい。

 ババアがアーニャになったからということなのだろうが、私はバーニャというとアレしか思い浮かばない。そう、ロシア式サウナ、バーニャである。

バァーーーニャ!!!



 大久保氏の当該投稿に、「バーニャって金カムじゃんwwwwww」って投稿あったのかなあ。絶対あったよねえ。大久保氏、今度はリアルバーニャのコスプレして欲しい。ダメじゃんそれ。


 スマートフォンを機種変更した。私が契約しているのは、いわゆる格安スマホ会社なのだが、機種変更にあたって、そもそも契約する会社そのものも変えた方が良かったのではと後悔している。その後悔は、なんだか損をしている気がするという漠然としたもので、その損をしている感じは、ただ新しい携帯にデータを移したり、操作方法が変わったりすることによる煩わしさによるものである。
 新しい機種は、機種独自のアンドロイドアシスタントらしきものが付いていて、それを設定しないと近隣の天気情報さえしっかり把握できないらしい。面倒なことこの上ないし、携帯に管理されている感じが気持ち悪いのだけれど、仕方なしに登録する。そのステップの中に、好みの情報を表示する機能というのがあり、私の年齢性別なら、こういうことに興味があるでしょうという項目がいくつかピックアップされていた。そのチェックを付けたり外したりしてカスタマイズするのだけれど、その項目の中に「映画」はかろうじてあったが、「読書」はなかった。読書、あるいは小説という分野は、一般の人の趣味嗜好から、最初から弾かれた存在になってしまっているのかもしれないと思うと恐ろしい。しかし、せめて「漫画」はあったっていいと思うのだけれど、それもないってどういうことなの。


 二年前にやった学校のボランティアを、今年もやることにする。なんと今回はそのボランティアのリーダーである。二年前、私は人に言えない、ひどく個人的なことで気もそぞろだったうえに、元々外界に対する関心がすこぶる低いのと、これまで交友関係をサボっていたせいもあって、そのボランティアを十分にこなすことが出来なかったと自分で考えていた。前回は、ただ少しパソコンが触れるというだけの理由で主要メンバーに入れられていて(いまどきパソコンなんて誰でも触れるだろうと思ってしまうのだが、専業主婦のいるような家庭には、そもそもパソコンがないなんてところもあるのである)、貢献できなかった後悔がある反面、「今年はもう一メンバーでいい、のんびりやりたい」という気持ちも強かった。ただ、そのボランティアをうまくマネジメントすることが、二年前の、私を気もそぞろにさせた出来事と、ボランティアにおける後悔の清算になるのかもしれないという気持ちもあった。ボランティアメンバーの蓋をあけてみたら、皆集団の一歩後ろを歩くような人たちに見え、とても人を牽引できるような人はいなさそうで、私だってそんな柄ではないのだけれど、とはいえ社会人時代には、従業員千人超企業の社長や役員相手に経営マターについてプレゼンするのが日常だったのだし、あれ以上のことをこのボランティアで求められるわけではないと思い直し、リーダーに手を挙げることにしたのだった。リーダーをやって、ある程度好きに動かせた方がきっと面白いと思ったのが私の背中を押したのだが、実際、私のコミュ障かつ気が利かない感じでどれだけ好きに動かせるか分かったものではないので、スマホ同様「やっぱり手を挙げなければ良かったのでは」と、今更少しくよくよしている。しかし、外で働くことを見据えたリハビリのつもりで引き受けたリーダーがうまくこなせないということになったのなら、自分はやっぱり家に引っ込んでパソコンに向かって文字を紡ぐ仕事が宜しかろうという決意、いや、諦めも付くのかもしれないと、前向きに考えようとしている。

サポートいただけたら飛んで喜びます。本を買ったり講習に参加したりするのに使わせて頂きます。