見出し画像

羽化-uka- 20歳の後撮り

桜舞いあがる4月。


はたちのふたりの後撮りを撮影しました。
幼なじみのふたりの思い出の場所で撮ることになっていたので、私の中のテーマは「制服を振袖に脱着替えて」と決めていました。


はたちのふたりはエネルギーに満ちていて、とてもまぶしくて、シャッターをずっと切っていたい時間でした。

まぶしいふたりを写真だけにするのはもったいなくて、8ページのフォトブックを作りました。
そして気づいたのは、私はページものがやっぱり好きだということ。ページを連ねて初めて自分の写真は完成する気がします。




はたちって特別な歳だったけど一体どんなときだったっけ?少女から大人に社会的に認められて、社会へ放たれるときで、思い描いてた大人と大人になりきれていない自分との乖離、ギャップにもがいているときだった。

“今がいちばんいい時よ”
成人式のとき、かつてのはたち達に口を揃えて言われてとまどったセリフ。当事者の私はたっぷり潤った肌とともにたっぷりの不安も持っているのに。イマガイチバンイイトキッテ?


はたちとは。大人になるとは。土や木の色に扮したサナギが美しい羽を携えた蝶になって大空へ舞いあがる姿と重ね合わせた。


大人になるとは羽化することに似ているから、フォトブックのタイトルを「羽化」と名づけることにした。



羽を持つまでは枝にしがみつくしかなくて宙ぶらりんだった。でも大人には羽がある。
羽ばたくほど傷みや疲れを伴うかもしれない。
でも羽ばたくほど飛ぶ技術は磨かれて、自分の力で知らない景色を見ることができる。

美しい羽の色は若い輝きを経て深みを増していく。美しさは儚いものだけど、その羽が背負うものが財産になって、自分を証明してくれる勲章になる。

🦋🦋

羽化-uka-

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?