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「出会い、生まれる、じてんしゃ旅」 世界36カ国90000km を旅してきた自転車冒険家が、今回目指すのは生き 方の冒険。 財布を持たず、見通しを持たず、持つのはコーヒー… もっと読む
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2019年2月の記事一覧

僕が”生きててよかった”と思えるとき。

僕が”生きててよかった”と思えるとき。

ちょくちょく僕のところには、ホームページの問い合わせフォームよりメッセージが届く。メールでお知らせが来ることになっているんだけど、その多くは講演依頼。そしてときどき取材依頼だったり、講演を聴いた誰かが感想を書いて送ってくれたりする。

いつものように講演依頼かなぁ、なんて思いながらスマホの画面をタップすると、「こんにちは。僕は」からはじまる文面が目に入った。

メッセージ: 西川 昌徳様
こんにち

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思いを交換することで、人は生きてきた。

思いを交換することで、人は生きてきた。



思いのほか、濃い時間を過ごした青森を離れ岩手へ。
「東北はみんなシャイなんじゃないか説」は僕のなかではすっかり消滅した。盛岡に到着して駅前通りを流す。ずーっと続いていく商店街を抜けたそのさきにお堀があって、この石垣をバックにコーヒー淹れようとセッティング。さあどんな出会いが待っているだろうか。

・・・・・。
誰も止まってくれない。確かに人は行ったり来たりするんだ。
けど、挨拶してもこちらをチ

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コドモの夢を手伝えるオトナになろう

コドモの夢を手伝えるオトナになろう

先日、東京・八王子の小学校で講演をさせていただいた。
小さな小さな学校だ。全校生徒は57名。それでも過疎がグッと進んでいるわけではなくて、子どもの数はそんなには変わっていないらしい。校長先生は明るくてほのぼのしてる。ちょうど僕が自転車で学校にかけつけたときも、学校の前の交差点で旗を持って登校してくる子どもたちを迎えていた。

会場は図書室。ギュッと詰め込まれた子どもたちと、うしろには親御さんたち。

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通りが違えば出会いも違う。

通りが違えば出会いも違う。

青森にやってきた。
函館からのフェリーを出るともう日は傾き、建物の片側にだけ赤っぽい日が差している。今日の夜は、ここの大学で教える大先輩のところでお世話になることになってるから、ちょっとコーヒーやってみようかと駅前を目指した。

線路を跨ぐ大きな歩道橋を越えたところで駅前通りに出た。思ったよりも人通りがあるけど、ぼんやり歩いているというよりかは、みんな家路に向かう感じ。
さあどうするかな、と駅前を

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いのちと、いのちが繋がるとき。

いのちと、いのちが繋がるとき。

「あぁ、美味しい。ほんとに嬉しい。」
青森駅前。会社帰りにコーヒーを飲んでくださった彼女はこう言った。
「じつはずっとごはんが食べられなかったんです。」
そう彼女が続けたとき、赤ちゃんを抱いた若いお母さんがこう返した。

「もしかして拒食症でした?実はわたしもそうだったの。」

堰を切ったように話し始めたOLの女性。ひとつひとつに、分かるよと返すお母さん。僕ができることは、一歩うしろに下がって、た

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居場所と役割が人を輝かせる。

居場所と役割が人を輝かせる。

「まだもうしばらくここにいますか?」
いるよ。待ってるね。そう伝えると、ちょっと内気そうなそのあんちゃんは目の前の建物に入っていった。まぁ、あとで帰ってきてくれるだろう。こなくても何かを感じてくれたならそれでいい。

ついに函館までやってきた。長くいさせてもらった北海道の終着点。
星型をした五稜郭のすぐちかく、若者が行き交うシエスタハコダテという建物の前の交差点で、ぼくはdailylife bic

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