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「いちばん優しいたこ焼き」

昨日もええ1日だった。自分へのご褒美に選んだのはたこ焼き。
この町に来たときに見つけていた、僕の徳島の友だちとおんなじ名前の
「志保ちゃん」というたこ焼きやさんへ立ち寄った。

「12個ください!」

そこにいたおばさんは申し訳なさそうにこう言った。
「ごめんね今日用事があってお休みにしてたの。ごめんね。」

「あぁ全然だいじょぶ!ありがと!」
そう言って自転車に戻ろうとしてたら、窓から顔を出しておばさんがこう言った。

「今日は泊まるがか?明日は5時からやっとるきね、よかったら来てね。」

そのひと声で、今日はちかくにテントをはって、明日の朝戻ってこようと思ったんだ。

今朝7時前に戻ってきたら、ほんとにお店が開いていた。
寒いからなかで待ってて、と言ってくれて待ちながらお話をする。
今朝はもう他の町の商店へ配達に行ってきて、また次のところへのたこ焼きをつくっている途中のようだ。

声のひとつ、動きのひとつに人柄がある。この25年きっとこの人は丁寧に生きてきたんだろうなと。そんな思いが伝わってくる。

パイプ椅子に、新しいハンカチを開けてお茶と一緒に運んでくださった。
そうしてまた仕事をはじめた志保ちゃん。

ひとつひとつ小ぶりでまんまるなそれは、ちょっとだけ外がカリッとしていて、とっても柔らかだった。小さなタコがちょこっと入ってる。

優しいたこ焼きってあるんだなと思ったんだ。
なんでこんなこと感じるんだろ。自分が世の中をきれいに見たいからだろうか?
人生ってね、きっと自己満足でできていて、こんなことを読みながら夢見れていいねぇなんて思う人もいるだろう。けどいいじゃん。

あなたは今日という1日にどんな感情を込めて生きる?


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