見出し画像

4.植物との対話・自然界との対話

植物療法との出逢いはアロマテラピーが入り口だった、
という話を、で書きました。

しかし、子どものころから、特に植物や自然に
興味があったわけではありません。

なので、植物ときちんとした形で出会ったのは、
「香りが人間を癒すのはなんでだろう?」
という問いを通してになります。

香りの人体への作用に関しては、
精油の性質と、人間の解剖生理から、
どのように人体に作用するかを、
アロマセラピストのトレーニングの中で学びました。

学んだ先生が理系の方だったので、
精油に関しても、人間に関しても、
科学ベースで学ばせていただきました。

植物も人間も、素晴らしいメカニズムを持っていることを
あらためて知り、それはそれで感動しました。

しかし、実践に於いては、成分的なことばかりに重きを置くことは、
現代医学の文脈で考えるのと同じことになり、
自然療法の良いところがすっぽり抜け落ちることになりかねません(*)。

*現代医学を否定するものではなく、それぞれに役割があるという意味です。
また、項目をあらためて、自分の医療現場での実践のことを、
書きたいと思います。

代替療法や自然療法と言われるものの実践で重要なことは、
その療法の背後にある世界観を理解することです。
別な言い方をすれば、近代科学の要素還元主義(*)的な考え方から、
パラダイム(考え方の枠組み)を変えるということです。

*要素還元主義…物事を要素にバラバラにして調べること。
解剖学などはそれに当たります。解剖して臓器をひとつづつ調べる。
多くのことが解りますが、その要素を組み合わせたら、
人間ができるわけではありません*

自然療法のパラダイムは、
これまでもいくつか書いてきていますように、
自然界のすべては繋がっているということや、
自然界との繋がりを大事にすることなどがあります。

自分のことに話を戻します。

アロマの場合に使う精油は瓶に入っています。
元の植物ってどんなものだろう?というところから、
ハーブ類をハーブガーデンに行って
観察するということをしていました。

植物が持つ力は、単に成分がどうこう、
というだけではなく、もっと違うものがあるはず…。と思っていたところに、
アロマテラピーと占星術を組み合わせた講座をしている先生と出逢い、
その後、『ハーバルタロット』という
タロットとハーブを組み合わせたタロットに出逢いました。

ハーバルタロットには、
植物の薬理的なことや伝統的な使い方の他に、
スピリチュアルな特性も併記されています。
サイエンスと伝統とスピリチュアルな視点という、
それぞれが同じ重みで紹介されているところに惹かれ、
翻訳をすることになりました。

ここで、世界中の78種のハーブを知ることになります。
翻訳のために、78種の植物を調べまくり、
植物もたくさん観察しました。
日本ではお目にかからない植物もあるので、
その近縁種などを調べて探しに行くこともしました。

そうこうしているうちに、
あまり、薬草なのかどうかに関係なく、
すべての植物たちに、何らかの力がある、
という感じがしてきました。

秘教的な視点から言えば、
「植物王国」は地球上の自然王国(鉱物、植物、動物、人間)の
なかでも、かなり、完成度の高い王国と言えるそうです。
植物なくしては、地球上の生きものは生きられません。

衣食住を私たちに提供してくれているだけではなく、
彼らは、私たちの心や魂の癒しにも、
手を差し伸べてくれつつあるというのが、
現状と言えるでしょう。

ネイティブアメリカンなどのコミュニティにいる
メディスンマンやシャーマンは、
患者さんの治療をする時に、
薬草とコミュニケーションをします。

いきなり、それを煎じて飲む、ということではなく、
まずは、ガイドとなる植物を探して、
植物のスピリットに治療法を尋ねるのです。

現代の私たちにはそんな能力は無くなってしまいましたが、
ハーブやアロマや自然療法が再び注目されているのは、
単に、それらを「もの」として使うのではなく、
植物や自然界と人間のつながりを取り戻し癒す、
ということが、最大の目標であり、
帰着点なのかもしれません。

そんな視点を持ちながら、
植物たちに問いかけてみると、
いろいろなことを教えてくれます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?