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仮面ライダーギーツ第26話『慟哭Ⅱ:真紅のブースト!』感想

◆アバンの雑記パート

・大九州合同祭41in熊本お疲れ様でした

というわけで大九州合同祭in熊本お疲れ様でした!
大九州合同祭についてはイベントの雰囲気が好きで大型即売会の無いシーズンオフの時期に参加しているのですが、今回は初めて熊本の方で参加させていただきました。
お越しくださった方、お買い上げくださった方、誠にありがとうございました!

ちなみに今回、初めての熊本遠征という事でリスクを考慮し阿蘇に宿泊するという方針を取らせていただいたのですが、阿蘇から熊本までの道筋がまぁまぁキツいという結論に達しました。行ったことない土地で片道1時間超で混雑時に最大30分伸びるのはつらい……
阿蘇観光の方はあか牛丼を食べたりペンションで美味しいモーニング食べたり道の駅でウソップ像を撮影したりでとても楽しかったです。インスタとかサブ垢Twitterに投稿しているのでよければ見てあげてください。

今後も大九州合同祭についてはイベントにおける特撮ジャンル市場の開拓に向けて年1回は隙間で出られたらいいな……と思っておりますのでまたご縁がありましたらよろしくお願いいたします。

初参加で壁配置という期待値の高さ

そしてそして、次回のイベントは5月3日の『資料性博覧会16』となっております。スペースは【94】で出口が近めの壁配置です。
「初参加にして壁だ中田裕士の期待値スゲー!」となりましたが、見る限り特撮ジャンルはみんな壁っぽいので特筆すべきことではないようです。
新刊は現在進行形で準備中ですのでよろしくお願いします。1ヶ月後が原稿の締め切り日なので色々頑張るぞ!!

【サークルリスト】


◆仮面ライダーギーツ第26話『慟哭Ⅱ:真紅のブースト!』感想

脚本:高橋悠也 / 監督:柴﨑貴行

・やぐらが二つ完成してしまい

ここで改めて道長は『認識』してしまったのかもしれない。

ジャマトグランプリ『かみなりジャマト祭り』、食う側と食われる側が入れ替わりここにきて一番興味深くなったポジションは仮面ライダーバッファ・吾妻道長である。邂逅編までの彼は『諦めず立ち向かい続ける志』を持っておりギーツの一番のライバルとなりうる存在だったのだが、謀略編で退場してから乖離編で世界の真実に触れ徐々におぞましい存在となっている。ジャマト陣営で人間でない扱いをされながらも彼は立ち止まらない。何のために戦うのか、誰のために戦うのか。彼はあの時からずっと死んだまま暴走し続けているのか。
ちなみに今回のエピソードは仮面ライダーギーツ史上初の『ライダー固有の強化フォーム回』となっている。強化フォームである『ブーストフォームマークII』のビジュアルは深紅で統一され、より狐に近づいた風貌となった彼はそう遠くない未来に真実を教えてくれるのだろう。

さて、前回のエピソードでギーツを圧倒していたコマンドバッファは『見返りが無いと戦う気が起きないか、それじゃ俺には勝てないぞ』と相手を罵る。ギーツを越える事、あの夜に起きたデザイアグランプリで勝ち抜いた男を越える。越えた果てになにがあるのか、明らかに破綻しているバッファにギーツは目的を問い、『不幸な世界なんて叶える価値も無い』と言った。
バッファなりに考えた果てが仮面ライダーが全員不幸になる世界なら叶える価値があるという事だが、どうあがいても死の果てに破綻しきったこの願いに共感なんて何一つできない。
かみなりジャマト祭りを阻止すべくタイクーンやナーゴも奮闘していたものの妨害しきる事が出来ずに二つ目のやぐらを完成させてしまい、そのタイミングで第2ターン終了のアナウンスが流れ一旦戦いは休止する事に。

やぐらがあと3つ完成すればその時点でジャマト陣営の勝ち。
その深刻な状況でニラムが自分が出るしかないかと言うのだが、出られてしまったらジャマトグランプリの思うつぼ。タイクーンもナーゴも先ほどの戦いで負傷しており、ギーツ単独で全てのジャマトに対応するのは不可能。
ここまでくればジャマトグランプリの意図を8割くらい達成できているのだ。創世の女神の権限の一つを所持している身、ギーツを倒せばニラム単独戦でビジョンドライバーを奪えるはずなのである。

一方、道長はというと透ジャマトから焼きそばパンを受け取っていた。『炭水化物、昔からすきだっただろ?』と言う透ジャマトという言葉。
焼きそばパンという食品の名称ではなく栄養素で言うのは食と呼べるが存在しないジャマト故だろうかと思ったのだが、乖離編以降一切視聴者に見せてくれなくなった道長の穏やかな笑顔を見るあたり本当に栄養の偏った『ジャンクな炭水化物食品』が好きだったのだろう。
道長は相手の分の食事についてきくのだが、透ジャマトの回答は『水があればいいから』と言うものだった。この時の道長の現実に引き戻されたかのような表情はまがいものの親友に気を許しかけたものの、やはりコレは親友ではないのだと認識したのだろう。
そんな二人を見て仲いいんだねと現れたのは五十鈴大智だった。学生時代からの腐れ縁を演じるジャマトと友情を育む男の心に興味を示す彼は嫌味でもなんでもなく、半分ジャマトとなった彼の友情に対して否定的という訳ではないようだ。ただただ物事を知り尽くした彼は超常を越えた物に惹かれ続けているだけ。嫌味ではない、人ではない領域の物に好奇心を抱いているだけなのだろう。

・祈りの為の闘いが始まる

ついに怒られちゃったね

「一人で大丈夫?なんなら俺が本気だしてあげてもいいけど」

先ほどもギーツとバッファの戦いを見ながら能天気に生き様と死に様について好奇心を露わにしていたジーンだが、やはり根本的には未来の価値観で生きているようだ。いずれにしろジーンはエンターテイメントとして物事を見れていないのだ。ギーツを助けたい、その想いも相手の切実な心には結局寄り添えていないのだ。
ジーンにとってずっとこの世界はどこか遠いフィクションのように感じる物なのだろうが、英寿たちにとっては現実の話なのである。よって英寿に『本気で世界を救う気がない』と判断されるのも仕方のない話なのだ。
ちょっと前にサポーターは絶対的なライダーの味方ではあるが所詮推しとファンの関係性ゆえに願望を注ぐ器としか捉えていないと言及したがついに英寿に指摘されて怒られたのでこの後のジーンのファンとしての動きが気になるところ。

神社にて戦いに対する決意を新たにするかのように参拝する英寿だが、そこに祭の管理者であるお坊さんが通りすがり、謝礼を言われ英寿は当然の事だと言う。
この寺ももう1000年くらい続いているのか?そんな英寿の問いに先祖代々この地域を見守り続けていると答えたお坊さん。今思えば、英寿の西暦元年からの戦いと重ね合わせていたのだろう。すずなり鬼祭も続けてきた風物詩だったがそれもジャマト騒動で断絶の危機となっている。
そしてそんなお坊さんの元に母がよくなるように願うために祭に参加したいとやってきた少年に中止の宣告をするのも酷な話だである。経緯は違えど少年の根幹にあるのは英寿と同じ『母親に再び会うために願いを叶えたい』という想いだ。その姿に自身も思う所があったのか、英寿は『祭を行おう』と言った。ここで英寿は天岩戸の神話を引用して祭の起源を言う。

どんな暗い世の中でも感謝と祈りを込めればいつか明るい希望が訪れる。
そうやって昔の人たちは暮らしていたんだ。

そして英寿はすずなり祭で鬼から鈴を取ってくる『祈りのための戦い』を行うようにいうのだが、傲慢なアオニンジャーのオタクはここまでの流れで『天岩戸⁉加藤クラウド八雲⁉(※忍びの11参照)』となって若干集中できなかった。

一方のジャマ―ガーデンはかみなりジャマト祭りの仕上げに向けておおいに盛り上がっていた。道長も透ジャマトと協力し合う姿勢を見せ、そんな様子にベロバも満足げである。大智はベロバにバッファばかり贔屓にしてと言い、ベロバは『じゃああんたもジャマトになってみる?』とジャマトバックルを渡すのだが大智は臆するどころか乗り気であるため好奇心でいずれ身を滅ぼしてしまいのかもしれないと感じてしまう。

・かつてのデザ神たちの願いが集結し

印刷時の潰れが怖いのでライトアップバージョン

すずなり鬼祭りの決行を決意し、総出で祭を行う英寿たち。
たとえジャマトの脅威が訪れようとも祈るための戦いを忘れない。子供たちと交流する英寿のリアクションはどことなく素というかただの簡秀吉くんなのでかなり微笑ましい。どうせデザグラが休止中で戦いが無い間は全員空いているのだ。状況は過酷ではあるがメタ的に考えてもデザイアグランプリという縛りが無くなりライダー陣営的についての日常の作劇がしやすくなったのはかなりの利点か。
祭の最中、かみなりジャマト祭りの再開を報せる太鼓の音が鳴り祭の中断は出来ないと景和たちにすずなり鬼祭りの現場を任せ、英寿は単独で向かう事に。日常を、願いを消させたりはしない。祭りを続ける事も祭りを外敵から守る事も大切なのだ。
そしてこの後のたった一人でジャマトを倒すのは無理だと訴えるツムリに『いいから狐に化かされとけ』と狐の手で額をツンとする英寿がカッコ良すぎて泣いてしまった。

ここまできたら決着の時は近い。
道長&透ジャマトと対峙した英寿はお互いに変身し、交戦する事に。やぐらの最後の一つが完成すれば町中に恐怖の雷が落ちる。
バッファ&ナイトジャマトタッグに加えやぐらからの攻撃が降り注ぐこの状況では流石のギーツも劣勢であり変身解除されて地面を転がる羽目に。
お前の負けだと言うバッファに『諦めない、そこに願いがある限り』という英寿。
今回、強調されているのが願いの為の闘いという話なのだ。願いという本来なら論理性の無い話に絶望を抱いたのが道長であり、希望を抱いたのが英寿である。そしてこのシーン、すずなり鬼祭りのメインイベントで鬼と対峙する少年とバッファとナイトジャマトに立ち向かおうとする英寿とシンクロしているのが良い。

『俺の覚悟を思い知れ』と言った英寿はブーストバックルを天高く掲げるとその叫びは創世の女神を呼び覚ました。空から襲来したのは4本のブーストバックル。この現象についてニラムは何かしら知っている様子。
襲来した4本のブーストバックルは英寿のブーストバックルと一つになり『ブーストマークIIバックル』となった。中盤の強化フォームで願いの力をテーマにするのは正直言うと嫌いではない。むしろ好き。
そしてバックルをセットすると英寿は仮面ライダーギーツ ブーストフォームマークIIに変身した。
深紅のビジュアルにより獣感が増したマスク、そしてアーマーも和を徹底している。そして特筆すべきはブーストフォームマークⅡの発する声が複数だという点だ。発音ペースもそれぞれ違っており、この中には英寿だけではない複数人が存在している。

『仮面ライダーギーツ、その言葉をお前は信じるか。』

まるで幻かのような物言いじゃないか。
そしてギーツブーストフォームマークⅡは瞬時にバッファとナイトジャマトを圧倒。そしてナイトジャマトを担ぎ上げ壁に叩きつけると屋上に上ったギーツブーストフォームマークⅡはフワっと倒れるように落下。1カメ、2カメ、3カメ、まるで重力なんて存在しないかのような落ち方に思わず息をのんでしまう。そして地面にたたきつけられたナイトジャマトを蹴りつけリボルブオン、ギーツは仮面ライダーギーツ ブーストフォームマークII
ビーストモード
へ変身。ギーツ自身がコンちゃん……いや、ブーストライカーギーツモードそのものになるとは。
獣そのものとなったギーツはナイトジャマトを空中に突き飛ばし、縦横無尽に駆け抜けやぐらを次々と倒すとマークⅡに戻り空中のナイトジャマトへブーストライク。必殺技のエフェクトがアニメチックなのは昭和特撮的な表現ではあるが、これが逆に新鮮に映るのは現代の技術故か。

ギーツに圧倒されたナイトジャマトを見たバッファは親友の二度目の死の瀬戸際に『計算が狂ったな』と呟いた。
お前を利用すればギーツを倒せると思った。そのまさかの言葉に再び透の姿となったナイトジャマトにバッファは『ただのバケモンだろ』と言い放った。透はもうこの世界には居ない。一瞬絆されかけたものの所詮かつての親友ではない別の生命体であると認識したその時に道長は改めて思ったのだろう。親友の姿のまま、ボロを出さずに居れば、道長がよりジャマトに寄った思考になっていたならば別の未来が存在していたのかもしれない。
親友は存在しないという現実を道長が強く認識してしまう結果のみが残ったのだ。
彼はこれからも願いに絶望したまま戦い続けるのだろう。このまま突き進んだ果てに何が存在するかも知らずに。

そして、すずなり鬼祭りもクライマックスを迎えていた。
少年は恐れず、鬼に立ち向かい鈴を奪い取る。
ギーツも少年も願いを守り抜いたのだ。
やぐらは崩壊し、少年の元には退院した母の姿が。
願いを信じ戦った者には結果が訪れる。そんな夢物語を信じているこの作品は嫌いではない。

しかし気がかりなのは英寿の変化である。
ニラムは起きた現象を保留になっていたかつてのデザ神たちの願いが同時に叶ったと認識していた。

『生まれ変わった俺がいつか、世界を守る覚悟を決めた時、それを実現する力』

八雲栄守、エース・リー、A、Ace Garfield……全て名前が違うが共通するのは『エース』という音が入っている点である。『八雲栄守……八雲⁉』となってしまったが今はそれどころではない。世界の理を変えた存在するはずのない男。西暦元年からの戦いはすなわちエースという存在が『転生したデザ神』の概念そのものだからなのだ。
なかなか飲み込みづらい衝撃の事実、八雲⁉となったがそれどころではない。この掘り下げは次回ジーンが行ってくれると期待するしかない。

しかし八雲栄守か……天岩戸もそうだし冬映画のシェイクスピアもそうだしここ三ヶ月で急激にギーツが加藤クラウド八雲に寄ってきたな……
これについては脱線にもほどがあるのでコラムパートへと延長しよう。


◆ギーツ26話コラム

・なんかギーツくんが急激にアオニンジャーに寄ってきたんだが

思えばドンブラザーズでも思いっきり私信飛ばされてた

加藤クラウド八雲/アオニンジャー

“ラストニンジャ”伊賀崎 好天の孫。19歳。
海外生活が長く、イギリスの魔法学校で西洋魔法を学んでいた。
華麗で華やか、育ちのいいお坊ちゃんタイプ。
一見クールだが、意外とムキになったり天然ボケなところも。

テレビ朝日『手裏剣戦隊ニンニンジャー』公式サイトより

毎週本筋+αで何か小話をと色々捻りだそうとしているこのコーナー。今回については本当に余談、マジのマジでマジ余談。

今回はズバリ『ギーツくんが急激にアオニンジャーに寄ってきてるんだが』という件について触れていく。
アオニンジャーといえばいわずと知れたスーツアクターの中田裕士さんが初めて演じたヒーローキャラクターであり、個人的にはギーツを見て魅了された方には是非とも見て欲しいヒーローなのである。

そんなアオニンジャーについてはスーツアクターどうこうの話ではいレベルで何故か仮面ライダーギーツと縁が深くなっているのだ。
ギーツ第1話開始当時に放送されていた暴太郎戦隊ドンブラザーズドン27話『決闘マジマジ』では忍者おじさんこと大野稔が魔法鬼となって雷のエレメント(加藤クラウド八雲の師匠である小津翼の力である)を使ったり、冬映画『MOVIEバトルロワイヤル』ギーツがシェイクスピアを引用したり、今回のエピソードでも英寿が『天岩戸の神話』を例え話に出し祭りの必要性を訴えたり、かつてのデザ神の名前に『八雲栄守』という名前があったりとでもはや言い逃れが出来ないレベルでアオニンジャーを匂わせる要素が含まれているのだ。

流石に驚いてしまった。何故物語の前半しか消費していないのにも関わらず仮面ライダーギーツにアオニンジャー匂わせ要素が含まれているのか。
東映くん、もしかして俺くんが思っている以上にアオニンジャーが好きって……コト!?

『天岩戸の神話』については手裏剣戦隊ニンニンジャー忍びの11でイギリスかぶれであるはずのアオニンジャーが何故か作戦で日本神話の天岩戸を引用してきたので『この人意外と深層部分は純日本人なのかな』と感じたものだ(そしてなにも言ってないのにすぐ察知するモモニンジャーもヤバいなと思ったものだ)


◆巻末宣伝コーナー

・語ろう中田ヒーローズのTwitterアカウントが復活しました

というわけでまずはおめでたい話を。

C102発行予定特撮アクション評論アンソロジー『語ろう中田ヒーローズ2』の運営アカウントが復活いたしました!ヤッター!

凍結解除されたとはいえ、また何があるか分からないので参加受付は原則としてGoogleフォームでの受付のみとなりますのでよろしくお願いします。(何かしらの事情があれば調整可能ですので何か質問等があればお気軽にお問い合わせくだざい)
とにもかくにもこれからも運営業務を頑張っていくのでよろしくお願いします。

そしてそして、アンケートの方もまだまだ回答受付中ですので是非ともよろしくお願いします!

【語ろう中田ヒーローズ2企画概要】

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