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仮面ライダーギーツ第45話『創世Ⅶ:願いのゆくえ』感想


◆アバンの雑記パート

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◆仮面ライダーギーツ第45話『創世Ⅶ:願いのゆくえ』感想

脚本:高橋悠也 / 監督:柴﨑貴行

・ベロバは新たな『最悪』を発掘しに行く

知りたかった事に手を伸ばして絶望を知った

前回、鞍馬祢音に敗北したベロバ。
しかしながら彼女はしつこく起き上がり、至高の不幸のために暗躍を行おうとしていた。そしてそんな彼女が向かった先は謀略編のゾンビサバイバルで退場した墨田奏斗の元である。
自らの不幸に絶望し、他者の幸福や輝きに嫉妬し続けていた彼はベロバがこの世界の不幸を望む同志であると知り即座に危険な敗者復活の権利に乗っていった。このタイミングでの推し変。だが、インフレ環境極まった最終決戦環境で序盤退場した彼がどの程度やれるのか気になるところである。

そしてベロバの推し変を象徴するように英寿たちのデザイアグランプリに所属している道長のファッションが爽やかな白のアウターになっていた。これは彼自身の『今後は目的のために邪悪な連中と手を組むような行為をせずに英寿たちと協力して戦う』という意思が強固な物になった故だろう。
『ツムリを取り戻し仲間を集めて幸せな世界を叶える』……そんな目標が強固なものになった新生デザイアグランプリ陣営だがそれを許さないのがジットたちなのだ。

ベロバに再エントリーをさせられ、人々の不幸のために戦う事となった墨田が向かった先は先週和解した鞍馬母娘の元だった。
幸福と上級人種の証明ともいえる存在である祢音は彼からしたら一番リベンジしたかった存在なのである。祢音は即愛する母をまもるためにオーディエンスからのビートバックルでビートマグナムとなったダパーンへと立ち向かった。
最初こそ全力を出せなかったものの母から離してしまえば流石にナーゴの方が優勢であったものの、ダパーンのターゲットは心配して追って来た伊瑠美の方に。そしてなんと足の銃で伊瑠美の腕を撃ち抜いたのだった。お前だけ幸せになんてさせないとダパーンはナーゴを嘲笑いながら去っていく。彼は自分が不幸になった分だけ他人を不幸にするために動いているのだ。
そして墨田はその足でギャングライダー集団へと加入。変わってしまった景和に墨田が示したのは同情の念だった。当たり前だと思っていた日常が変わってしまい世界を恨むようになり全てが変わってしまう。規模の違いはあれど景和の状況はまさしく交通事故でバスケができなくなり世界を恨むようになった墨田の状況に類似しているのだ。

最悪のメンバーを迎え入れたジットはそのまま英寿たちへの通信で世紀末ゲームの最終戦の宣言を行った。
オーディエンスに見せるショーの花形がギーツVSタイクーンである事はいうまででもないのだが、そんな中でも『家族を亡くしてアイツは自分を見失っている』と迷走を続ける景和を気にかけていたのは前回対峙した道長だった。そして一同はキーマンであると思われる知恵の樹の主である五十鈴大智の元へ向かう事に。

一同が向かった先ではちょうど五十鈴大智が病院から退院していた。これは幸か不幸か、人ならざる者として生きる事が彼の罪といえるのか。
そして退院直後の大智に知恵の樹に案内してもらうのだがやはり景和による世界改変の影響によりただの樹に成り下がっている様子だった。道長はそれに激怒するのだが、それを止めたのは大智の心理を見抜いた英寿である。

『人の記憶を手に入れるという事はその人の幸せも知る事だ。当然それを踏みにじった罪悪感もな。』

五十鈴大智は登場してからずっと自分より頭の悪い存在を見下していた。何度その慢心に足元を救われようともそのスタンスを崩さなかったのはもはや病的ですらあった。だが知恵の樹を手に入れる事によって見下してきた『頭の悪い存在たちの幸福』に触れ、理解をし、その罪を感じてしまったのだろう。皮肉な話である。
罪を償うには元の世界に戻すしかない、だが大智は絶望しきっておりその発案のために知略を巡らせる事もできない。だけれども戻せれば可能性があるという事はほぼ確実なようではあった。

・ついに始まるギーツVSタイクーン

神様になった日

世界を元に戻す為には景和と再び対峙する必要があると決意した英寿は夜明けに決戦の場へ立ち向かった。
世界改変のために戦い続けなければならないと強迫観念に駆られている景和だが、誰かを犠牲にした世界に価値が無い事を理解していたのだ。だけれども大切な家族を取り戻す為には戦うしかないという視野狭窄状態は深刻であり、『誰もが幸せになれる世界は存在する』という英寿の訴えも届かない。

意を決した英寿はギーツⅨに変身し、ブジンタイクーンと対峙する事に。
一進一退の攻防の中、やはり世界滅亡と残虐なショーを望むオーディエンスの支持は集中しているようでケケラらから送られたミッションボックスを武刃で斬り開くブジンタイクーンがあまりにもかっこよすぎる。モンスターをセットしてからのモンスターブジンタイクーンへのリボルブオンも黒マントを翻しての物だからヤバイ。

一方のジットらが潜伏しているアジトにて。力を出せずに絶望し、泣きながら屈服するツムリから零れ落ちた涙をジットがつかみ取る。目的の物は手に入れたと言わんばかりに『ギーツの最期を見物しに行くぞ』とツムリの拘束を解き放った隙をみてウィンはツムリを解放しようとするのだが、ステゴロのジットはそうはさせない。
だがウィンは意地でもジットを止めツムリを外へ向かわせようとする。
ツムリがツムリの意思で願う事、それが世界を変えるために必要な事なのだから。

ギーツとタイクーンの戦いは混迷を極め、ブーストバックルで増幅されたブジンタイクーンに圧倒されるギーツだが何故か最後にブジンタイクーンの攻撃を受け入れた。憎しみ、悲しみ、それらを戦いの中で感じ取っていたのだろう。
諦める程度の願いかと言う景和に諦めたわけじゃないという英寿。
『力じゃお前を変えられない』その意味深な言葉を発したタイミングで監獄から解放されてきたツムリが争いを止めに来た。

―――英寿様はだれもが幸せになる世界を目指している、そこには貴方も含まれている。だから貴方と戦う事では解決しない。

そんなツムリの訴えに僅かに冷静さを取り戻した景和は英寿を見る。
二人が争う事で解決しない、だって自分たちは幸せになるためにこのデザイアグランプリをやってきたのだから。
だけれども景和は信じたくても信じられない状況で、だけれども英寿はそんな景和に『信じれば叶う』と再び説いた。

――――信じる事に根拠はいらない、再び叶えられる、きっと沙羅さんだって取り返せる。

終盤に来て根拠もない感情論に訴えかけるのはギーツに最初からあった諦めなければ希望は必ずあるというテーマに寄り添った物だろう。
絶望しきった景和は全てを諦めている、再び願えばきっとまた光へ向かえるのだと。だけれども景和は信じたいのに信じきれないのだ、再び武刃を手に取り英寿に斬りかかろうとしたところで英寿とツムリの願いが呼応。
ツムリの創世の力が英寿に移行したのか、英寿は白髪碧眼の別の姿になり圧倒的な力で新たな世界へ変革していく。

「信じろ、タイクーン。誰もが幸せになれる世界を」

そう景和に言い残したところでまた次回。
今回のエピソードはベロバのスカウトの割には大きな爪痕を残せなかった墨田と知恵の樹で人々の幸福な記憶を知る事により罪の意識を抱いた大智、そして絶望の中で揺らいだ景和、ツムリの意思の目覚めが印象的だった。
英寿が白髪の姿になったという事はツムリの創世の力が英寿に移行した……という事なのだろうが、ジットがつかんだツムリの涙の使い道が気になるところである。


◆ギーツ45話コラム

・かみさまになった日

キュアギーツ

創世編。このストーリーの主軸は人々の願いを集めより良い世界を目指す為に困難を乗り越えるという物なのだが、この章は徹底して『諦めない事の大切さ』を訴えかける内容となっている。小賢しい理屈なんていらない、全ては精神論である。

だけれども神になった果てに何が存在するのか。果て無き長期プランでもきっとそれは孤独ではない。たとえ家族が居なくても彼に寄り添う仲間たちがいる。英寿には人の願いを信用する想いがある。だが本当に他者の道具にならずに人類の幸福の為の神として生きていけるのだろうか。それが少しばかり気がかりである。


◆巻末宣伝コーナー

・語ろう中田ヒーローズ2は8月12日開催コミックマーケット102にて頒布予定

というわけで巻末宣伝。

8月12日開催のコミックマーケット102にて特撮アクション評論アンソロジー『語ろう中田ヒーローズ2を頒布させていただきます。

スペースは【東地区ポ16b】となっております。
中田裕士さんを掲げた夏コミもこれで2回目!当日は中田裕士最強の精神で頑張っていきたいなと思っておりますのでよろしくお願いいたします。

今回スタッフさんもいるため不在時間もなく頒布できるかと思います。
是非ともお気軽に遊びに来てください。


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