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アオニンジャー概論Ⅱ(手裏剣戦隊ニンニンジャー忍びの9感想)

◆アバンの雑記コーナー

・【朗報】スーツアクターの中田裕士氏、ヤッシーメガネチャレンジ実行

リバイス本編における五十嵐大二と牛島太助の絡み自体はあまり無いので、こちらのチャレンジは自動的に手裏剣戦隊ニンニンジャー7周年の供給としての比重が高まります(傲慢な姿勢)

あっアンケート6月末締切でやっておりますのでよろしくお願いいたします。全部メッセージ読んでます!中田さんに対する愛に溢れたメッセージを中田さんじゃなくて私がずっと読んでる!


◆手裏剣戦隊ニンニンジャー忍びの9感想

・不審な星野郎、そして八雲の母親登場!

終始マミーが心配で仕方ない前提で絡んでくる百地霞も今回の見どころ

ニンニンジャーのエピソードは前話のラストに登場した不審な星野郎による妖怪の撃破から始まる。
手裏剣戦隊ニンニンジャーの追加戦士のスーツアクターは高田将司氏。いやーホント、元々マッシヴなスーツアクターさんの方が好きなので高田さんダイナミックなスタイルには感動しますね。
ニンニンジャーが現場に駆け付けた時には既に現場には妖怪がおらず、そこには封印の手裏剣が……俺たち以外に妖怪を倒す人間が居る?そんなこんなで今回は追加戦士の正式お披露目回。そして主軸はアオニンジャー・加藤クラウド八雲のお話だったりします。

最初に言っておくと筆者は今回の配信をとても楽しみにしていた。
忍びの9、この回は手裏剣戦隊ニンニンジャーという作品を『本当に面白い作品なのかもしれない』と心から認識した回でもあったのだ。
だってワクワクするじゃないですか、魔法忍者という異端属性。そして初めて伊賀崎家以外の家庭環境が描かれる回でもあります。

道場に帰るやいなやニュースを見るためテレビをつける風花。テレビでは加藤クラウド八雲の母親であり、世界的ファッションデザイナーの加藤春風の姿が。どうでもいい事なのだが伊賀崎家から加藤家に嫁入りしたという事は加藤クラウド八雲の西洋の血筋は入っていたとしても4分の1以下という事になる。しかしながら何故、八雲には『クラウド』というミドルネームがあるのだろうか。
まぁ世界を股にかけるファッションデザイナーであり、時代の最先端へ常に歩んでいる母親なのだ。恐らくミドルネームは最先端を行こうとした結果つけられたのだろう。つまり『クラウド』というミドルネームはただのキラキラネームの可能性が高いんですよね。

母親のニュースを気にかける八雲を見て「久々に春風おばさまに会いたいんじゃないですか?」と言う百地霞。
そんな霞に対し「そんなわけないだろ」言い、それより誰が妖怪を倒したのか分析するべきだと言う八雲。この回は八雲に対して延々と『母親が心配で仕方ない』という前提で絡み続ける霞との会話のテンポが独特かつ小気味いい。

そして話は終わりの手裏剣の話題に。
十六夜九衛門は過去、現在にわたり終わりの手裏剣のありかを嗅ぎまわっていた。そもそも終わりの手裏剣とは一体何なのか。
旋風が説明するには終わりの手裏剣は『ラストニンジャのみが持つ事を許された世界を終わらせる程の力がある手裏剣』だという。そしてラストニンジャは終わりの手裏剣を守る守り人である、と。
しかし好天の口ぶりだと終わりの手裏剣は所持していない様子だった。

「お父さんは見た事あるの?終わりの手裏剣。」

問いかけたのは風花だった。
それに対して旋風は『昔の道場で見た事あった』と答える。
たしか宝石のように輝いてて、そう、まさにこんな感じ……
テレビを見てぎょっとする旋風。信じられない事に旋風が見た終わりの手裏剣はニュースの映像に映っていた。加藤春風の新作ドレスのブローチとして、それは輝いていたのだ。

「だぁああ~コレだよ~!終わりの手裏剣!」

一方の牙鬼陣営。九衛門はファッション雑誌を読み、終わりの手裏剣のありかを確認していた。と、そこに現れる蛾眉雷蔵。
「終わりの手裏剣だと?貴様程度の者が入手できると申すか、生意気な。…しかし見かけによらず豪気な小姓よ。力になってやる。」
蛾眉さま、まさかの素直。九衛門、蛾眉雷蔵におもしれー小姓判定されているのだろうか。そして妖力を込めた封印の手裏剣を渡す蛾眉雷蔵。
だが目的が終わりの手裏剣とあらば妖怪だけでは足るまいとヒトカラゲを呼びつけ、それらをジュッカラゲに強化をした。非常に大判ぶるまい。
どうしたんだ、なんでそんな九衛門にデレてきたんだ。今まで散々宿敵であるアカニンジャーとの再戦を邪魔されて不信感の方が強いはずなのに、まさかの『てぇてぇ』なのだろうか。

・説得を試みる八雲だが……

人生で2番目に描いた八雲

「クラウド、あなた忍者なんてやってるの。古いわねぇ~」
来たわね、忍者は古いけど魔法ならカッコいいから許せるという加藤家の謎の価値観。この謎の価値観は時代の最先端を歩こうとするファッションデザイナーの感性ゆえだろうか。
しかし自分たちの目的は終わりの手裏剣。八雲は春風に手裏剣をいったいどこから持ってきたのかと聞きます。
春風曰く、『昔実家から持ってきた』と。アクセサリーか何かに使えると思ったとの事だがあまりにも行動が破天荒で自由人が過ぎる。
そしてそもそも手裏剣だった事すら理解していなかった様子。八雲は「とにかく返してくれ」というのだが、春風から明日のコレクションの目玉だからダメだと断られてしまう。

「impossibleだな、おじさんが話してくれ。」
「無理無理、春風姉さんね~おじさんのいう事きかないよ~」

伊賀崎家、どうしてこうも女性に弱い血筋なのだろうか。
こうなってくると一族のトップである好天に頼むしかないのだが、連絡先が分からないのでどうしようもない。
「かくなる上は俺たちでマ……」と何かを言いかけてから、「母さんから終わりの手裏剣を奪うぞ」と言いなおす八雲。マ?いま『マ』つったか?
こうしてニンニンジャーの終わりの手裏剣奪還作戦が始まったのだった。

ファッションショーの会場の壁をノックする八雲。
「合言葉は?『忍びなれども』」「『忍ばない』」
シンプルイズベスト。こういうのでいいんだよこういうので。
そして調査しでわかっドレスの保管場所をタブレットで示す八雲。こういう潜入ミッションをやっていると曲りなりにもこいつらが忍者であるという事がわかる。

「では本物とこれをすり替えましょう。春風おばさまのショーを邪魔されるわけにはいかないですからね、八雲くん♪」

レプリカの終わりの手裏剣を取り出して言う霞。相変わらず何も言っていないのにも拘らず八雲が母親を心配している前提で絡み続けている。そして完全にスルーしている八雲。特にだれもツッコミをいれたりはしない。
場所がわかれば目的のために作戦を遂行する。警備員に変装をし、交代要員の警備員に成り代わる凪。その隙に潜入する天晴と八雲。霞と風花が警備員をつなぎ留めている最中にさらに奥へ潜入。本当に忍者しててビックリするなぁ!

一方の九衛門は終わりの手裏剣を取ってくるように命ずるべく、妖怪イッタンモメンを覚醒させていた。終わりの手裏剣のありかについては忍びの連中が知っているという九衛門。
この妖怪イッタンモメンのスーツアクターは村岡弘之さん。見た目は完全に魔法使いですね。

もちろんニンニンジャーの手元のガマガマ銃も一斉に警報を鳴らします。
妖怪は一体どこに居る?と探したら廊下の絨毯が変化して奇襲をしかけられ、風花はネズミに変えられてしまいます。
風花をネズミに変えた奇怪な術、これは魔法だと八雲はすぐに看破します。

ここにきてニンニンジャー世界の魔法術式が明らかになります。
風花のかけられた魔法は『レーナニ・ミズネ』。逆にすると『ねずみになれ』となる。かなり単純にしているゆえに二次創作でもだいぶやりやすくていいですね。

魔法が忍術に負けるはずがないと言うイッタンモメンに対し、魔法使いとあらば意地でも負けないという八雲。そう、本日のサブタイは『忍術VS魔法、大バトル!』魔法によるバトルの回なんですよね。
変化してすぐにイッタンモメンに斬りかかりますがジュッカラゲにそれを阻まれてしまいます。相手が強化されたうえにチームの戦力5分の4となっては苦戦必至。
そしてここからめちゃくちゃ好きなんですよね、イッタンモメンによる暴露魔法の『ダウドラ・タイハ』。どんなことでもしゃべらせてしまう超・超・便利な魔法。それを受けてしまった凪は終わりの手裏剣のありかは『ステージの裏』だとバラしてしまいます。
そしてイッタンモメンに逃げられるニンニンジャーたち。しかし魔法が便利すぎかつ事象に制限ながさすぎて最高だね……

「八雲くん、おばさまたちが危険です!守らないと!」
「母さんだろうがそうじゃなかろうが守る事に変わりはない!いくぞ!」

ここでも霞は八雲が母親が心配で仕方ないという前提で絡み続けている。なんだこの八雲と霞の関係性、この奇妙すぎる会話のテンポは。下山健人は一体何を俺たちに魅せようとしているんだ……(こいついつも魅せてくれてんな…)

・忍術VS魔法、大バトル!~独自の戦士性を確立したアオニンジャー~

アオニンジャーは総合芸術コンテンツ

イッタンモメンよりも先に終わりの手裏剣へ向かおうとするニンニンジャーたちだったが、魔法による奇襲攻撃は止まない。
ニンニンジャー最大のブレーンである百地霞をネズミに変えられ、金の術で封じた後も進んだ先で凪もつけもの石に変えられてしまいます。
あっという間にニンニンジャーの残存戦力は5分の2を残すのみ。

「ンフフフフ……うまくいきそうな時こそ油断禁物ですよ」

いやらしいなぁイッタンモメン。ここニンニンジャーと戦う事なく、ジュッカラゲで足止めをする時点で妖怪偏差値大卒の力。
そして戦闘不能においやられた風花たちを庇うアカニンジャーの代わりにカクレンジャーシュリケンを使って分身をし、応戦するアオニンジャー。とても判断が早くてよろしくて良い。
カクレンジャーシュリケンだけはホント実体を持った分身を繰り出すという能力なので恐ろしいまでに汎用性が高いんですよね。
そしてまた逃げようとしたイッタンモメンに対し、地の術で落とし穴をつくって落とすアオニンジャー……ここ本当にアオニンジャーなのだろうか?手元の手裏剣が見えづらいのでここはどうなのだろう。

「『うまくいきそうな時こそ油断禁物』、なんだろ?」

ここでの八雲の皮肉めいた返し、たまんねぇなぁ~!
負けず嫌いで本気で負けたくない相手にはレスバ強くていいですね加藤クラウド八雲くん。大胆不敵でとてもよき。
そして八雲たちはファッションショーのステージの方へとたどり着く。あそこの裏にドレスのブローチにされた終わりの手裏剣がある。
しかしステージの上に上がった瞬間、舞台袖からイッタンモメンの『レーナニ・ウヨギンニ』が炸裂し、アカニンジャーもソフビに変化されてしまった。
そして母親を人質にして登場するイッタンモメン。

「マミー!」
「クラウド!?ちょっとこれどういう事なの!」

マジで八雲くんはずっとマミーが心配で仕方なかった。大切なマミーを人質に取られ、もはや見逃すしかないのかといった所で八雲は1体のジュッカラゲの違和感に気づきます。

「まて!一ついいか、合言葉は『忍びなれども』――」
「――『忍ばない』」

そのジュッカラゲがドレスを身にまとい、周囲のジュッカラゲを張り倒してから八雲の元へ春風を避難させます。そしてここからのアオニンジャーの忍者一番刀を投げるアシストがとても良い。ドレスを身にまとったジュッカラゲは怒涛の剣戟でイッタンモメンを追い詰めていきます。ここの野川瑞穂の鬼気迫る立ち回り最高なんだわ、ホントthank you!
もちろんこのジュッカラゲの正体はニンニンジャーのブレーンである百地霞だった。この回転からのドレス姿、本当に美しすぎるよthank you!

最初から霞は倒されてなどいなかった。八雲はあの時身代わりの術を駆使して回避していた事を見逃していなかったんですよね。
八雲の確かな観察眼と分析力にご満悦の霞。しかし霞は気づいてしまった、八雲が母親を『マミー』と呼んでいる事実に
それはつっこまなくていいだろとバツが悪そうにもじもじするアオニンジャーが普段と違う情けなさで大変お可愛らしい。
そのなんともいえない空気感の二人に割って入ってきたのは春風だった。

「霞ちゃん?久々に会ったからおばさまはやめてくれる?」

圧よ~~~~!!!!!!霞姉借りてきたネコチャンになっちゃったよ~~~~~~~!!!!!!
霞姉、普段聡明な姿しか見せないのに自分より論を詰めて喋るタイプの大人には弱いのだろうか。

しかし今はイッタンモメンと戦わなくてはいけないのだから家族漫才をやっている場合ではない。霞は春風を避難させ、対峙するはアオニンジャーとイッタンモメンのみ。仲間はネズミと石と人形になってしまった。
だが八雲は決して臆さない。魔法を解く呪文を直接言ってもらうと言い、『ダウドラ・タイハ』を繰り出す八雲。しかしながらイッタンモメンはソレを薙ぎ払い、この程度の魔法効くと思ったのかと言います…が、ココですよ!ここで八雲の本体が背後から『ダウドラ・タイハ』を放ってイッタンモメンが元に戻るための呪文を暴露させる。
そして元に戻るニンニンジャーたち、卑劣な作戦を仕掛けたイッタンモメン自らに呪文を言わせるのがまたたまらないんですよねぇ……最高の極み。

「うまくいきそうなときほど油断禁物、侮るべからずだ。」

イッタンモメンに対して直接煽りたかったんですね~八雲くん。ずっとカクレンジャーシュリケンで作った分身がずっと残ってた。いままでステージで霞姉と家族漫才してたのは偽物なんですよね、分身の記憶って本体に伝わるのかな。これにはイッタンモメンも大混乱。
「あの時の分身がまだ…なんという魔法使い、いや忍者?ああ魔法使い?」
ここで八雲は忍者一番刀と魔法の杖をクロスさせて宣言します。

「俺は魔法使いでも忍者でもない、魔法忍者だ!」

『魔法忍者』、忍者でも魔法使いでもない第3の戦闘属性。八雲だからこそ名乗れる戦士属性が素晴らしい。そんな息子の姿を見て微笑む春風。
そしてニンニンジャーの逆転開始!ステージに移動してのシアターGロッソのような演出がカッコいいんだわたまらない。
そして外に移動してからのバトル。イッタンモメンの繰り出す魔法に対し、反射魔法の『ローデミ・ガガ』を繰り出す八雲。ニンニンジャーたちをカメにしようとしていた魔法が跳ね返り、ジュッカラゲが全員カメに変化してしまう。
そして隙をつかせぬキとモモのカラクリヘンゲン刀・刀による一太刀が炸裂。そしてアカシロのガマガマ銃が炸裂していく。
そして八雲は天晴に言います。

「よしタカ兄、忍術と魔法のコラボレーションだ!」
「えっ!コラボレーションってなんだ?うまいのか!?」
「忍術と魔法を組み合わせると言ってるんだ!」

コラボレーションが分からないタカ兄、マジでタカ兄。
ココに関しては本当に特撮のロマンだね、八雲は忍びの5の風花とのやりとりで自らの夢について言っていた。
『忍術と魔法を組み合わせて新たな忍者になる』……それがいま、魔法忍者として完全に覚醒している。忍びの7で忍者の先輩にパワハラされてたのにな!
アカニンジャーがザ・技構えを行い、アオニンジャーは魔法の杖で忍者一番刀の切先をなぞる。そして炸裂するマジカル忍烈斬。突進したアカニンジャーが巨大な赤いドラゴンになり、イッタンモメンの肉体を焼き、アカニンジャーが切りつけイッタンモメンを撃破する。いやはや本当に見どころの塊バトルだったなぁ……

撃破に成功し、一安心と思いきや終わりが突然何らかの力に引っ張られる。力の元は九衛門。イッタンモメンは撃破されたが終わりの手裏剣の居場所は分かったので後は奪うのみ、このまま奪われてはいけないとニンニンジャーたちは九衛門と終わりの手裏剣を巡り綱引き状態に。
しかし綱引き状態の果てに終わりの手裏剣は割れてしまった。

終わりの手裏剣は安易に破壊されるものではない、つまりブローチ終わりの手裏剣は偽物で、八雲は霞にすり替えていたのかと問いかけるのだが霞はすり替えていないという。余談だが、筆者はこのシーンのアオニンジャーのクッソ情けない尻もちポーズがめちゃくちゃ好きなのだ。上半身は必至で霞姉の方向を振り向いてて可愛いね……

可愛いね……

もしや最初から偽物だったのでは?そういう疑念が頭をよぎる。
「あのジジイ!どこまで狸なんだ!」ともはやただのガラクタとなった偽物の終わりの手裏剣を叩きつける九衛門。
いいかい、終わりの手裏剣は僕が先に頂くよと言い残しイッタンモメンを巨大化させてから撤退する九衛門。
そして「私は風になる」と言いながら空に旅立つ巨大化イッタンモメン。風になるのは先々週では?と突っ込んではいけない。

・スターニンジャー参戦!~そしてドラゴはかませになる~

空に行ったのならシュリケンジンドラゴで追うのみ。イッタンモメンを追いかけるニンニンジャー、しかしながらイッタンモメンによる石化魔法『レーナニ・キセカ』を浴び、シュリケンジンドラゴは墜落してしまった。

「八雲くん!魔法でどうにかできますよね!?」
「無茶いうなよ霞姉!こんな巨大な物どうやって……!」

八雲くんの魔法、肝心な所で限界値。もはやイッタンモメンに嬲り殺されるだけか。しかし、それを眺めている不審かつハイテンションの星野郎が居た。アメリカンな口調で見てられないと呟きシュリケン忍法召喚の術で新たなオトモ忍を呼び寄せた。
闘牛のような車に乗った新たなオトモ忍・ロデオマル。

「Yaha-!悪ィはここはあっしがいただきやすよ!」

追加戦士!残念ですがコイツが手裏剣戦隊ニンニンジャーの追加戦士です!!!!
オトモ忍の動きもうるさいし、金色の不審な星野郎の動きも口調もうるさい。縦横無尽に動き回り、拳でイッタンモメンを凧殴りにしてから投げ縄で魔法の杖を奪い取る。こうなってしまえば武力の無いただの雑魚妖怪。
自動的にシュリケンジンドラゴの石化も解除され、「このオトモ忍、ぼくらの味方なんじゃない!?」と言う凪。
しかし負けず嫌いの八雲が「だが美味しい所を取られっぱなしは気に食わんな!」と言い、シュリケンジンドラゴでドラゴバーストを放つ。
地を裂き、ダメージを食らうイッタンモメン。主人公の面目躍如とおもいきや、「お膳立て、恐れ入りやす」とシュリケンジンドラゴの背中を駆けあがるロデオマルと不審な星野郎。

「俺を、踏み台にした!?」

屈辱の展開に八雲も驚愕、トンデモねぇ奴だ不審な星野郎。
そのまま不審な星野郎は自機のコックピットに乗り込み、バイソンチェンジを行い、バイソンキングになります。合体ロボのバンクですら画面がうるさいなんて衝撃的だぜ。

「こっからはロックなビートでいきやしょう!」

最後に決めたのはバイソンキングのバイソンあらくれバスター、ハチの巣にされながらイッタンモメンは不審な星野郎に対し、名前を聞く。

「ヒーハー!スターニンジャー!お前を狩ったハンターの名でございやす!」

不審な星野郎、真の名前は『スターニンジャー』
忍びなれどもパーリナイなこの男はニンニンジャーに軽く挨拶のジェスチャーを行い去っていった。
ただ、ひたすらすごかった。感嘆するニンニンジャーの中で面白くなさそうな顔をするアオニンジャーが印象的だった。ガワでも中身の顔、わかるんですよね。いい所取られて悔しいですよね、八雲くん。
前半はむっちゃカッコいい感じに魔法バトルをくりかえしていたのに最後は不審な星野郎にお株を奪われてしまった。くやしいねぇ。

そしてエピローグの道場シーン。
タカ兄封印の手裏剣を雑に投げてはいけません。
「すまなかったなマ…母さん、終わりの手裏剣というかブローチを割ってしまって」
母親との電話でそう謝罪する八雲くん。
それに対して加藤春風は『これはこれでパンクじゃない?』と言う。

「それよりクラウド。私、ずっと忍者って古くてダサいって思っていたけど、みんなと戦っているクラウドかっこよかった」

母親からの言葉に笑みを零す八雲。この親子の空気感がいいよね。

「だから、あなたはあなたのやりたい事を貫きなさい。じゃあね。」

魔法忍者になる夢、それを目の当たりにして背中を押してくれた。
電話が切れてから「easyじゃないな」と呟く八雲。『not easy』と『easyじゃないな』でちょっとだけ八雲の心情の差が分かるからいいよね。
そしてそんな加藤親子の電話をみんなが見守っていた。

それにしてもあの終わりの手裏剣が偽物だったって事は本物の終わりの手裏剣は一体どこにあるのだろう。謎が謎を呼ぶばかり。
やはり好天が持っているのだろうか。

………………

おでん屋の店じまいを行う好天の元に忍び寄る金色の影。
「すいませんねぇお客さん、もう閉店なのですよぉ~」
営業モードで喋る好天だったが明かな殺意に目が変わる。

「――――――――お命、頂戴しやす。」

そして最強のラストニンジャ・伊賀崎好天は、スターニンジャーに斬られ、倒れてしまったのだった。

次回、不審な星野郎正式参戦。おたのしみに!


◆忍びの9解説コラム

・異常なポテンシャルを感じさせた魔法忍者という戦闘属性

プレストンくんが見覚えあるステッキ振っていた時、世界のソウクールに歓喜しました

さて、アオニンジャーの最たる特徴といえば魔法忍者という戦闘属性である。八雲と魔法、忍びの2での天晴との軋轢を解消してからいったん魔法設定はなりを潜め、忍びの7の春のニンジャ祭りで再び出たと思えば忍者の先輩にズル扱いされてしまったが、今回の忍びの9で「俺は魔法使いでも忍者でもない。魔法忍者だ!」と魔法忍者という戦士属性の確立を宣言しました。
忍びの5でも風花に対して野心めいた事は喋っていたのですが、ここにきてついに開花しましたよ八雲くん。前々回忍者の先輩にパワハラされてたのにね。

個人的にここまでこの戦闘属性にハマれた理由は魔法忍者という戦闘の多芸感中田裕士氏のアクロバティックかつスタイリッシュなアクションにカチッとハマったゆえであろう。
ニンニンジャーの前年度、私はYoutube配信でスーパー戦隊シリーズ第4作『電子戦隊デンジマン』を見ていたのですが、そこで見たデンジブルー・青梅大五郎の多芸な戦闘スキルとアクロバティックなアクションに大変魅了されたのですよ。
こういうあまりアイテムに関係の無い技を繰り出しまくれるのって玩具点数が少なくて販促の縛りが緩い時代特有のモノだからあまり現代で味わえる事はないよなぁ……と思っていたのですが、2015年の手裏剣戦隊ニンニンジャーで加藤クラウド八雲が『魔法と忍術を組み合わせてあらたな忍者になります』と堂々言う物だから衝撃を受けてしまった。

本気か、個別回以外埋没しがちになるぞその設定。

いや、正気か。真剣(マジ)でヤる気ッスか東映サン。
ちなみにこの魔法忍者属性、波自体は流石にあるのですが、継続して活かされる事にまります。
とりあえず魔法忍者の扱いはメインの下山健人さんサブの毛利亘宏さん、そしてジュウオウニンニンの香村純子さんで扱い方が変わっていきますのでお楽しみに。

いやホント、何故本来やるべきオトモ忍販促以上に本気を出してしまったのかは分からないんですけれどもこの設定はホント素晴らしい。後々解説する事も増えてきますので、その時にまた書こうかなと思っております。
ちなみに当時、アオニンジャーは個別回の視聴率ではエース格で子供に人気があり、当時はグッズ方面でも優遇されておりました。なんか終盤になっても赤・青・他みたいな売り方してた所多かったような気がするし、ソフビもニンニンジャーで最初に完売して高騰化していたのはアオニンジャーだった。たぶんキッズも魔法忍者とかいうソウクール属性にヒャッホウしていたんだろうなぁと思っているのですがどうだったのでしょう。だって私もなりたいもん魔法忍者。

余談ですが当時の私は『魔法忍者ってスゲー斬新だなー!』と思っていたのですが、よくよく調べると世界忍者戦ジライヤ第15話にも魔法忍者が出ていました。流石、忍者の多様性の最先端を歩いていたレジェンド作品は格が違う。
とりあえずジライヤを見ながら正義と悪の魔法忍者同士のクロスオーバーとか描いてみたいなーと思っていたのですが、そこから何年過ぎたのか分からない。

◆今回のみどころアオニンジャー

・何も言っていないのにマミーを心配しているという前提でアオニンに絡み続ける百地霞という女

変身前は11㎝差で変身後は14㎝差。

さて、今回印象的な部分といったらモモニンジャー・百地霞とのやり取りだっただろう。八雲が何一つ言っていないのにも拘らず『八雲が母親に会いたいと思っている』『八雲が母親を心配している』と言う前提で延々と絡み続ける百地霞とのズレた会話は非常に面白かった。霞が分析して見通しているというよりは今まで八雲が散々ボロを出し続けた結果である可能性が高い気がする。だって八雲くんだし。
今回本当に連携もよかったんですよね。普段から一緒に行動している故に霞の作戦をしっかり見抜いてアシストを出す八雲が良かったな。

ちなみに今回、百地霞については加藤春風とのやりとりで『自分より理論詰めて喋る人間に対しては非常に弱い』という事実が発覚していたりします。
しかしながら百地霞はニンニンジャーの中では一番賢い。そしてレギュラーの大人枠である旋風おじさんは霞に対して強く出るタイプでもないし、おじいさまに対してはただのジジコン幼女で、対牙鬼でも賢い妖怪なんてレア中のレアゆえにそういった弱点を突かれる事が少ないのだ。
なんというか本当に分かりづらいんですけど百地霞の不完全性という物は最初から描かれている。しかしながらレギュラーに弱点突ける人間が居ないゆえ視聴者含めて全員がわすれちゃうんですよ。彼女は最初からずっと一人の未熟の少女のはずなのに。

ちなみに百地霞についてはタイミングが来たらまた解説する予定です。


◆編集後記

・バレたら負け

新しく書くというよりは新たにまとめ直すという感じ

今回の記事はいくらか旧館の方で書いた文章を引用した上で直している。
なんだろう、昔の味わいの文章から醸し出されるパッションってそこにしかない。そしてちまちま直していくことでより精度の高い文章になるかもしれないんだよなぁ……多分ね。
そしてそしての話ですが、忍びの9よりアオニンジャーの戦闘属性が本格的に花開くという事で夏コミ原稿も執筆開始いたしました。

疑似的なリアルタイムのテンションって価値があるんですよ。
個人的には本当にアオニンジャーを総括したいと思っていて、付き合いの長いキャラクター故に新しい解釈自体を出すのは難しいのかなぁと思っているのですが、諸々並行しながら頑張っていきたいと思っております。まぁ本当に5年遅いと思うんですけどね。

あとニンニンジャーについての資料用をまとめるのも自分の責務という事で、竹本昇監督の手裏剣戦隊ニンニンジャーの解説をまとめさせていただきました。たぶん自分のnoteよりかなり参考になると思いますので是非ともお読みください。


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ちなみに同人誌上の企画として中田裕士さんにまつわるアンケートも行っております。よろしければご回答いただければ幸いです。目標は回答数二桁!

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