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アオニンジャー概論Ⅱ(手裏剣戦隊ニンニンジャー忍びの6感想)

◆アバンの雑記コーナー

・最近の推し漫画『2.5次元の誘惑』

推しは753(なごみ)

最近、コスプレを題材にした漫画『2.5次元の誘惑』がブームだ。
普通の人ならここで「コスプレ漫画?つまりオタク系な美少女のエッチなヤツでしょ?」となってしまいがちですが、これがなかなかに熱い作品で、作品を読みながら漫画からほとばしってくるコスプレイヤー同士のバチバチの感情から目が逸らせない。
個人的にこの作品は3巻~4巻の横須賀コススト編からギアが入ってきた印象で、ラブコメというよりはコスプレを軸にした努力友情勝利の王道ジャンプ漫画となっている。

現在第6巻まで読破済みではあるが、ラブコメ情勢はメインヒロインである天乃リリサは五等分の花嫁の五月のような相棒ポジションであり、コスプレ四天王の一人である753は推しに似ているからという理由で奥村に想いを寄せるようになりますが、あくまで彼女のベースはプロとしてのコスプレ街道にあるため見守る存在としてのポジションが強い。5巻から登場した乃愛は重度のコミュニケーション障害を克服しようと毎日ステップアップしている最中なのでなかなかそこには辿り着かないだろう。
となってくると初期から奥村に想いを寄せている橘美花莉がヒロインレースのトップとなるのだが、数多の少年漫画ラブコメを読破している自分からみても負けそうな属性で塗り固められているのなんだか負ける予感しかしない。

でもまぁ、何はともあれ現時点では彼女たちの青春を楽しむだけで良いのかなぁと思っております。とりあえず早めに7巻、8巻と読んでしまいたいな!


◆手裏剣戦隊ニンニンジャー忍びの6感想

ちなみに松本岳は試験勉強していないイキリには否定的

週2のニンニンジャー感想更新。
今回のエピソードは風花をメインに据えつつ伊賀崎兄妹の関係性そしてチームの結集を描いた回である。
ニンニンジャーは修行の物語であり、成長の物語。
エピソードの始まりもやはり忍者としての修行の場面からだ。

旋風から告げられた実技のテストで「やばいなぁ~全然勉強してこなかったわ~」とイキり散らかすのは我らが加藤クラウド八雲。見栄っ張りでも彼は根本的に真面目なのできっと試験勉強をバッチリやっているのだろう。周囲は完全に見抜いていたね……
とりあえずどんな状況でも燃えるのは天晴。この男に関しては本当に試験勉強をやっていないだろうに……。

・ちょっとずつ成長を見せた試験シーン

さて、実技試験はどうだっただろう。
風花は変わり身を使いこなし、凪も霞もオトモ忍シュリケンの応用を見事熟してのけ、八雲も相変わらずのスマートさで五トン忍シュリケンを使いこなした。
さて、天晴はというと大火炎の術の出力を間違え自身も真っ黒焦げになってしまう事態に。勢い重視でコントロール力には欠けるのか天晴は。

一方の牙鬼陣営。
宿敵であるアカニンジャーとの再戦を邪魔され、大激怒で来る蛾眉雷蔵。あの後1週間まちぼうけしていたのだろうか。
滅相もございませんと煙に巻こうとする九衛門の言葉を聞く意思は流石に持っておらず、忍びの6にて牙鬼軍団崩壊かとなるところ。腹の中に一物抱えてそうな九衛門の動きというものも今作の見どころの一つでもあります。

そして伊賀崎忍術道場では中間試験の結果が発表されていた。
成績上位者からの発表。霞は90点、八雲は88点だった。

「……俺が2番?……深読みしすぎたかぁ!もっとeasyにいくべきだったなぁ!」

めちゃくちゃ頑張ってた加藤クラウド八雲くん、プライドがズタボロである。
『いるよねそういう人』『ホントはすごく悔しいんだろうなぁ』というのは凪と風花の声。八雲がプライド高くて見栄っ張りで負けず嫌いなのはもうみんなにバレている。いじられ気味の次男坊ポジションに定着しつつあるようだ。
ちなみに凪は72点で風花は75点で無事合格点に達した様子。最初期は年長三人組に比べ少し劣るポジションではあったが順調に成長しているようで何よりである。

そして肝心の天晴はというと、なんと『測定不能』
確かに5人の中で五トン忍シュリケンのパワーを最大限引き出してはいたのは間違いなく天晴ですが、まぁ引き出しすぎである。

案の定結果は『再試験』
大丈夫だタカ兄、ラノベ業界だと『測定不能』は勝ちフラグ。既存の枠組みに囚われない強さを発揮している……のかもしれない。

……流石に私も自信が無くなってきた。

・独自行動を行う蛾眉雷蔵~八雲くん頑張ります~

さて、一方の蛾眉雷蔵。自ら持ち出した封印の手裏剣で覚醒させたのは妖怪テング。
九衛門の手綱を離れ、独自行動に向かったのは吉と出るか凶と出るかは分からない。

道場ではガマガマ銃が一正反応。
天晴は再試験中のため終了させても今すぐ動く事が出来ない。旋風は急ぎ八雲たちを向かわせることにします。
こういった時に発揮する八雲のサブリーダー性はとても輝いている。

妖怪の出現場所にはなんと蛾眉雷蔵も。
怯むメンバーを鼓舞するアオニンジャーのなんと逞しいことか。
しかしながら蛾眉雷蔵に攻撃が通じるはずもなく、四人は返り討ちに遭った上に風花も人質として連れ去られてしまった。

天晴は間に合わず、八雲たちは風花が攫われる事態。控えめに行って最悪の状況である。
旋風に力不足だった故に風花が攫われてしまった事実を悔いる八雲。
そんな八雲に対し、『八雲くんが悪いわけじゃない』とフォローを入れる旋風。しかし天晴はそれどころではなかった。大切な実の妹が生死不明の状況に陥っているのだから冷静さを保てるわけがない。
天晴はそのまま道場を飛び出して風花の救出へ向かおうとするが、四人で敵わなかった相手に天晴が単独で立ち向かう事はあまりにも危険すぎる。
旋風は急いで四人も天晴を追うように指示します。
無力さに打ちひしがれながら旋風は先ほどまでのやりとりを全て聴いていた好天に言います。

「きいてただろ父さん、風花が……」
「それは、孫たちの腕が足りなかっただけの事。あいつら自身でなんとかせねばならん。」
「勝手な事をいうなよ!あの子たちにラストニンジャを押し付けておいて…俺に忍術を教えなかったのも、ラストニンジャを継がせなかったのも全部あんたの勝手だろ!」

『そのせいで俺は…じぶんの娘を助けることすらできないじゃないか……』と、無力さに打ちひしがれる旋風おじさんが辛い。力が無くたって俺は行くと天晴や八雲の元に向かおうとした旋風を好天は金縛りの術で止めます。

「わしが教えなかったのは、お前に忍びの才能が足りてなかった。ただそれだけのこと。」

深刻な話をしてきそうでして来ない好天。
そしてその足は天晴や八雲が向かった忍術道場の外の方向に向かってます。
助けにいってくれるのか?』という問いに対し、おでん屋のバイトに行ってくるだけと答える好天。素直に言葉に出さない男である。

この人は本当に肝心な事は全く話していないような気がする。根本的には孫思い、家族思いの一族の長だ。
だけどちょっとそういったところがほんの少しだけ、狡い男である。

・好天と九衛門の因縁~意味深に意味深を重ねるバトル~

風花を救出すべく森を駆ける天晴。
そこに現れた好天に『じいちゃん、風花が……!』と言うも思考よりも体が急いてしまう。そんな天晴を好天は呼び止める。

「待て、『下校時は保護者の方かお友達と下校しましょう』学校で習わんかったか」

どういう意味だ?という問いに『お前はまだ継ぐ事の意味を理解しておらん。それは旋風やほかの孫も同じこと。』と答える好天。
その意味を理解するまでお前を一人で行かせるわけにはいかん。
考える天晴、そしてそこに現れたのは十六夜九衛門だった。

九衛門は好天に久しぶりと告げます。ここで九衛門と好天の因縁フラグが来るんですよねぇ……
「天晴、こやつはお前の敵ではない」と先頭に立つも、そもそも九衛門の目的自体が好天であり、天晴は九衛門の妖術で飛ばされてしまいます。九衛門の目的は好天が持っているという『終わりの手裏剣』だった。

そんなものは持っておらんと言い逃げる好天と追う九衛門。
祖父を心配するも、じいちゃんなら大丈夫だと思い直し、天晴は風花を救出に向かうのだった。

「キミが牙鬼様を封印できなかったということは『終わりの手裏剣』を使わなかったという事だろう。」

好天と九衛門のバトルシーン。作中最強格である好天の実力の片鱗を見る事が出来る場面であり、非常に好き。

「九衛門。ワシはな、牙鬼を封印できなかったのではない。封印しなかったのじゃ。」

意味深な言葉。というかニンニンジャーって本当に伏線っぽいのをばらまいている時がマジで一番面白いよなぁ……
今回のエピソードは伏線をいくつか散りばめる回でもあります。
個人的にニンニンジャーをコメディ特撮だと思った瞬間が片時もないため、本筋のお話が動くとマジで考察厨盛り上がりますです。

・一人じゃ敵わない、だけど。

一方の天晴は単独でテングの元に辿り着き、風花奪還のために戦いに臨もうとしていた。
そして現れたのは蛾眉雷蔵。あくまで風花の人質は好敵手であるアカニンジャーを呼び出すためだったため、テングに結界内の風花を解放させます。

この場面については天晴が風花が人質のままなら、まず風花を解放するべく自分ではなくテングに立ち向かうだろうし、仮に自分との闘いを優先してくれたとしても奴は全力が出せないだろうという蛾眉雷蔵の冷静な分析から成り立ってて好きですね。まぁそれ以前に結界を複数作れないだけという可能性もありますけれども。
戦闘狂ゆえにアカニンジャーが全力を出せる状況を作り出すためならなんだってする。
これが蛾眉雷蔵というキャラクターの魅力であります。

「風花!大丈夫か!」
「ごめんなさい…」
「気にすんなって、忍者やってりゃこのくらいの事たまにはあんだろ」

風花の頭を撫でるアカニンジャーの手が本当に優しい。
喜びもつかの間、『ついてこい来い』という蛾眉雷蔵の声に応える天晴。
みんなが来るまで待って!という風花に対し、心配するなという言葉を残し、結界内での蛾眉雷蔵との対決へ向かっていった。

風花の相手として立ちふさがるテング。これ以上はやらせないからと変化しようとするも妨害され、ピンチの時に八雲・凪・霞が駆けつけます。
天晴は蛾眉雷蔵と戦っている。早く助太刀をしにいかねばとテングとの対戦に臨みます。

「easyだな、貴様程度のテング野郎に俺たちは負けはしない!」

八雲の一声で一斉変身するメンバー。こういう時の八雲は本当に頼もしい。さて、一方の天晴は蛾眉雷蔵との熾烈な戦いを繰り広げていた。そろそろ終わりか、俺はまだやれるぞという蛾眉雷蔵の声めちゃくちゃたのしそうでよき。
短い間に強くなった、だが俺のからだに傷をつけるにはまだまだ。そう言い放つと蛾眉雷蔵は天晴に向かって『牙凌道・雷幻斬り』を放つ。
そして天晴はなすすべもなく地に伏すのだった。

外では八雲たちの闘い。しかしながらテングには翻弄されたまま。
空中を飛ぶテングに翻弄されたままの状況でしたが、突破口を開いたのが凪のタックルと風花の影縫いの術なのがいい。
そして最後は八雲と霞のカラクリヘンゲン刀・弓での撃破っていうね。
凪と風花といえばやっぱり天晴・八雲・霞と比べたら一歩劣る実力であるイメージが強いですし、実際そうなんでしょうけれどもこうやっていざというときに底力を発揮してくれるのが素晴らしい。

そしてテングの撃破と同時に蛾眉雷蔵と天晴が居た結界が崩壊します。
緊急事態に駆けつけてくる仲間がアツい。

「タカ兄!アイツ相手に耐えられたんだな!」
「でも一人で背負いすぎです。みんなで戦いましょう!」

そんな八雲と霞の声を後目に『これは俺とアイツの闘いだ』と蛾眉雷蔵との闘いに戻ろうとする天晴。でも、そんな天晴を止めたのは八雲でした。

「そんなこと知るか!5人の方がうまくいくって事学んだんだろ!」

ここで再び生きる忍びの4のおでんの学び。
『みんなで力を合わせる、そうした方がそれぞれの力が引き立つだろ』。
下山脚本は本当にカチッとキマった時はとことんまで熱いんですよね。

「俺たち一人ずつではまだ力が足りない、でも5人の力を合わせればアイツを倒せる!一人で背負い込むな!」

Fu~!裏・大・将!Fu!裏・大・将!
いやもうホント、天晴にここでこう言えるのは八雲くんだけッスよ。
ここで天晴も『そっか…そうだった……』と思い起こします。

「お前たちはがんもや大根、俺はたまごだ。」

スルーしがちな細かいボケですけど天晴があの時言ったたとえ話の配役をあんま覚えてないのいいですね……(霞姉の大根の方が好き発言に引っ張られたのだろうか…)
カッコいいけどあいかわらずわけわかんないよね。
孫たちの成長を見て好天はそっと立ち去ります。
やはり序盤の手裏剣戦隊ニンニンジャーは1歩進んで2歩戻り3歩進むようなチーム団結を描いている印象が強い。

ここからの連携バトルがとてもたまらないんですよ、個人的にアオニンジャーのライダーキックがめちゃくちゃ好きです。空中姿勢がとってもきれいで。そしてついにニンニンジャーたちの団結による攻撃で蛾眉雷蔵の角の一本折るに至りました。

そして現れたのは九衛門、一矢報いたニンニンジャーたちに戦いを挑むべく立ち向かう蛾眉雷蔵を止めます。しかし相変わらずアカニンジャーとのタイマン勝負を挑ませてもらえないので少々かわいそうな蛾眉雷蔵。
この関係性、もはや忍者界のロミオとジュリエットか。

ここから先は妖術・肥大蕃息の術で巨大化したテングへの対応。
鼻を伸ばす攻撃をしてきて距離が詰められないのでパオンマルの力を借ります。序盤は本当にオトモ忍をまともに活かそうと頑張っている。
鼻には鼻で対応ってね。ということでテングも無事撃破しました、やったね。

・エピローグ~まだまだ修行中の忍者の旅路~

さて、激闘を終えたばかりのニンニンジャーたちに旋風が駆けつけます。

「みんな、今度の事はなんといっていいか…おじさんが忍術を使えないから、みんなに頼りっぱなしで……本当にすまない!」

頭を下げる旋風に気にしないでくれと最初に声をかけたのは八雲でした。
『それより再試験、俺も受けさせてもらっていいか?』その言葉に皆も続きます。俺たちはまだ力が足りない。もっと強くなる必要がある。
テングや蛾眉雷蔵との闘いで挫折を何度も経験してそれでも泥臭く立ち上がろうとするニンニンジャーたちがとても良い。

劇化する牙鬼軍団との闘い。危機を乗り越えて修行の日々は続く。

そして次回は春の忍者祭り。
『東映の春』、始まります。

……………………
………………
…………

……個人的に次回、東映春の苦手な部分がちょいちょい入っててあまり好きになれないんだよなぁ……(ボソッ)


◆忍びの6解説コラム

・下山、お前やっぱギャグ向いてないよ。

前回下山健人と三人の男たちというタイトルで解説コラムをやっておりましたが、実は解説し損ねた下山健人の話が実はもう一つあって、それについてはどうしようかなぁと思っている最中。
それについては終了後の資料な上に八雲が背負ったモノなので、一応この先の話にしても遅くはないよなぁと思います。
なのでとりあえず今回は別の話をしておこう。

あの…個人的な話なんですけど、やっぱりニンニンジャーってギャグ減った方が面白いよね。

公式動画等でコメディ特撮ですアピールをしているが、やっぱりニンニンジャーはコメディ特撮として売るには無理があるタイプの作品だと思う。
血統のお話だったり、純粋な修行のお話だったり、夢のお話だったり、兄妹ドラマだったり、敵との因縁だったりと割とシリアスな所に見どころが多いのだ。
マジで下山健人は自分は浦沢一門です、ギャグが得意です、ギャグを売りたいですというツラをしてやっていくにはあまりにもロジカルすぎる。

とりあえず夢の物語であり、修行の物語であり、家族という一つのチームを成立させるまでの物語である手裏剣戦隊ニンニンジャー。
そして視聴者にとってはそんな彼ら共に修行する物語でもあります。

まぁとりあえず、これからが更に楽しみですね。

◆今回のみどころアオニンジャー

いざというときに伊賀崎の次男坊は強い

今回のエピソードは八雲のサブリーダー性が光った回でもあったと思う。
大切な妹の危機、蛾眉雷蔵との因縁でまた一人で突っ走ろうとする天晴を引き留めたのは八雲だった。
天晴が感覚で言った事を一番魂で理解していたのも八雲だし、一番覚えているのも八雲である。
だからこそなんですよね、今回『そんなこと知るか!』と強く出られたのは。

今回は本当に天晴が居ない時に一生懸命統率しようとしたり、責任感を持って行動していた八雲が輝いていた回だったのではないかなぁと思います。


◆編集後記

・今回の復刻ファンアート(※今回は漫画)

1クール目のタカ兄のままではダメだった

初期めの解釈で書いてた八雲の漫画。
マジでなんもかんも天晴への信頼感ゆえだと思っている。

加藤クラウド八雲という男はあまりにも情が深い。
前話で百地霞を想い七転八倒していた時も、風花が人質になった時に誰よりも責任を感じていた時も、天晴に対して「一人で抱え込むな」と言った時も、アオニンジャーはずっと情で動いていた。

ちなみに当たり前の事ではあるが、話数を進めるにつれて天晴はバカはバカなりに周囲を見られる男に成長していく。
しかしながら根本的にはバカのままなので、兎にも角にも八雲がサブリーダーとして頑張らなくてはいけないのだ。


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