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仮面ライダーギーツ第46話『創世Ⅷ:さよなら、ミッチー』感想


◆アバンの雑記パート

・C102にて『語ろう中田ヒーローズ2』を頒布させていただきます。

というわけでお知らせです!

8月12日開催のコミックマーケット102にて特撮アクション評論アンソロジー『語ろう中田ヒーローズ2』の頒布をさせていただきます。
この企画はファンによる自己研究を主目的としたスーツアクター・中田裕士さんの仕事を語るエンジョイ企画です。
今回はイラスト部門も新規開設!理想のUGすきを叶えるUGP(UGすきグランプリ)に貴方も参加しませんか?

🦊🦊本の仕様🦊🦊
【版型】A5(表紙PP加工)
【ページ数】本文64&カラー2P
【価格】700円(イベント価格)

前回の語ろう中田ヒーローズは500円以内に収められましたが今回は圧倒的なボリュームアップの為、200円値上がりいたしました。
通販の方では手数料分加算されますのでよろしくお願いいたします。

委託(メロンブックス)

ちなみにC102当日は語ろう中田ヒーローズ1巻2巻を合わせて買ってくれた方のみの『特別なプラン』を提供する予定です。会場で『ひみつの合言葉』を言うと……?お楽しみにー!


◆仮面ライダーギーツ第46話『創世Ⅷ:さよなら、ミッチー』感想

脚本:高橋悠也 / 監督:柴﨑貴行

・新たに創世された世界で

仕事に忠実な男は冷静にクレームを受ける

前回、景和を説得するために戦った英寿。恐ろしく傷つき、全てを信じられなくなった景和を力では説得できないと知った英寿は『誰もが幸せになれる未来を信じる事』を訴え、創世の力を使い新世界を創世した。
ツムリの願いを受け継ぎ、景和の悲壮を受け止め『力』を使った英寿だが、ここまでの創世の力を使うという事は英寿を物言わぬ神にするという事であり、デザイア神殿にて景和と二人きりだった英寿は有刺鉄線に拘束されるのだった。

世界が元通りになり、ジットは最悪な虐殺ショーを望むVIP紳士淑女から非難轟々状態。だけれども動じる事なく『ま、落ち着け』と言う彼は仕事に忠実なマイペースだと感じるし、橋本祥平のベビーフェイスも相まってか愛嬌すら感じてしまうので少々ずるい。明らかにラスボス候補なのに。擁立候補の創世の女神を失い、VIPたちからの支持も低下中のジットだが次の一手はきちんと用意していた様子で、前回ツムリの涙から摂取した結晶体を使いクローンの黒ツムリをデザイン。オーディエンスの願いで破滅の女神に覚醒するよう告げられた黒ツムリのシステムに殉じようとする姿は初期のオリジナルツムリを髣髴とさせるものだった。
そしてジットは街頭ビジョンを使い大衆に『バッドエンドゲーム』の開催を宣言。デザイアグランプリは秘匿しなくてはいけないものという大前提を崩し、ご丁寧に未来から来た存在だと自己紹介するということはここで起きた出来事は全て抹消するという心づもりなのだろう。

「知恵の樹が元に戻っている……」

世界が元に戻り、知恵の樹の様子を見に来た大智。樹は元通り、そして手に入れた記憶も……という所に知恵の樹を奪うためにベロバとケケラが現れ世界を破滅させる為に使うと言い大智を襲撃した。バッドエンドゲームゲームはVIPがこの世界を直接破滅させるオーディエンス参加型ゲームである。
知恵の樹を悪用する為には狡猾な雀は邪魔である、レイザーレイズライザーで生身の大智を撃つのだがそこに現れたのはバッファとナーゴだった。
そして二人は息の合った連携技でベロバとケケラを翻弄。いまの相手はこの二人ではないと幻影のナーゴを隠れ蓑にしたバッファの一撃を打ち込んでから撤退。一旦大智をデザイアサロンにて保護するのだった。
『どうして僕を助けた?』大智の言葉に対して『お前を助けたのはついでだ』と答える道長。現状沙羅を助ける方法を知っているのは大智だけなのである。だが、それもベロバたちに知恵の樹が奪われたので不可能だという現実つきだった。

時間が無い、救う手段は知恵の樹を取り返したら叶えてやってもいいという大智の言葉に道長はケジメをつけるべく立ち向かう事になった。
道長の中には手違いとはいえ景和の大切な姉に取り返しのつかない事をやってしまったという意識はやはりあるのだ。

「あなたの願いはなんですか?」
「…大勢の人間を肥料にしてとびっきりのジャマトに成長させるのよ、破滅を招く世界樹へとね」
「なら貴女のギラギラを頂戴します」

知恵の樹を前にしてツムリは願いを叶える代償としてベロバの願いの力『ギラギラ』を受け取った。相当量のギラギラを与えているのだろうが大きな異変がないあたりそれだけベロバの不幸に対する渇望は計り知れないといえる。

・道長のケジメと景和の赦し

ケジメキック

異変を察知した英寿は景和に『みんなが沙羅さんを救うために頑張ってる』と告げた。だがそんな中でもバッファが命を懸けようとしているという言葉に景和は動揺した。

「もし、誰もが幸せになる世界を実現させるとしたら方法は一つしかない。『罪は憎んでも人は憎まないこと』だ。」

景和は姉想いの普通の青年だった。そんな彼が平和のために戦いに参加し、成長していく中で残酷な真相を知り、その災禍の要因に対して激しい憎悪を抱くようになった。
創世の女神、姉をジャマトにした五十鈴大智、そしてそんな姉を処刑してしまった吾妻道長。
彼は普通の青年だった、だからこそその根幹を奪われ悲しみに明け暮れる事になったのだ。そしてそんな彼の悲しみに寄り添うように、癒すように告げられた英寿の言葉は景和に一つの決断をさせるきっかけとなっただろう。

一方知恵の樹をジャマト世界樹にしようとするベロバだが、その意地の悪さをケケラに揶揄され『何もしないで楽しんでいるオーディエンスたちの方がタチが悪い』と答えた。この会話を見る限り、ベロバの中にもジーンのようなリアルに対する感覚が目覚めつつあるのだろうか。
そんな彼らの前に道長が現れ、ケケラに推しと同じ墓には入れるぞと揶揄されながらも二人は決戦の場へ赴くことに。

ケケラと二人がかりで潰す手はずもあったはずなのにベロバがあえてプレミアムベロバではなく仮面ライダーベロバへ変身し、一対一の対決を行ったのは彼女が350年間意識していなかった感情への目覚めがあったせいなのだろうか。今まで通り使い捨てで推し変をし、別の不幸を味わいに行く事もできたはずなのに最後に仮面ライダーとしてバッファに対峙したのは。
そしてその後のデザイアサロンでの大智と祢音が良い。

「彼も可哀そうな人間だね、誰も不幸にならない世界にするために自分だけが不幸になる道を進もうとしている」
「……不幸になんてならないよ」
「これまで犯してきた罪が彼にもあるのにかい?」

道長もデザイアグランプリの潰すためにたくさんの犠牲を払い、時には親友を陥れた連中と同族の最悪たちと組んできた。だが、英寿が望んでいるのはそんな世界ではないと祢音が言うのだが、この世界は誰もが幸せになれる世界を実現するために悪い人を断罪して終わりという話ではないのだ。

そしてバッファとベロバの対決は過酷を極めていたが、流石に物理最上位でジャマーガーデン破壊実績持ちの仮面ライダーベロバに対しては流石に劣勢であった。巨体から放たれる銃撃を避けるも肉体をすぐに掴まれ人形のように乱暴に投げられる。
戦いの中でベロバは道長にとっての最大の不幸は『志を遂げられず無駄死にする事』と感づいた。力を求め続けた男に己の無力さに絶望させて孤独な死に至らせる事が不幸である。自らの志のためならば全ての犠牲を払い、そして罪を背負う。そう結論付けたベロバはバッファに最後の一撃を食らわせようとするが、バッファはここで諦めるような男ではないのだ。
互いの攻撃が激突しバッファは最後の力を振り絞るとジャマ神の力に再び覚醒し、ベロバを撃破。最後の一撃がベロバが与えたジャマ神の力とはこれ完全に私信じゃないか。因縁のサポーターに対する自分の回答は与えられた自身の力で返す事である。

変身が解かれ地面に墜落したベロバ。彼女にとっても全ての仮面ライダーをぶっ潰す力が残っていたことは想定外であった様子。

「罪な男ね、こんなにあたしを苦……興奮させたのはあんたが初めてよ。」

最期のベロバは僅かに微笑んでおり、『嬉しくもなんともないな』と言っていた道長もまた僅かに笑っていたのは気のせいだろうか。
そしてベロバは『いつかあんたと同じ墓に入ってやるから』とプロポーズめいた言葉を残し消滅。この二人にも信頼のようなものがあったのだなぁと思ったのだった。

・母親面した化け物と化したケケラ

アプローチしても程遠い、そうそれは重い片思い

激闘を終えた後現れた黒ツムリとケケラに衝撃を受ける道長。ベロバの願いが無効になり、知恵の樹を守る事には成功したものの道長にケケラとの闘いに挑む力など残されていない。だが変身し、襲おうとするケケラを止めに入ったのは景和だった。
道長は二度と絆をつむげないと思ったであろう相手の助けに驚くも、景和が発したのは姉の為に奔走してくれてた事への感謝の言葉だった。
そんな景和の赦しを受け、道長は改めて沙羅に対してやってしまった過ちについて謝罪。景和も絶望のあまり皆を信じられなかった事について謝罪し、景和と道長は和解。紡がれた二人の友情に面白くない様子のケケラは再びライダーに対する理想論を告げるも、景和に『それはお前が勝手に考えた妄想だろ』と強く言い返され激高。

芸術的である。指示厨として母親面してきた高額投げ銭オタクが推しに意思表示をされ化け物と化すのは本当にVtuber業界で何度も見て来た本尊とオタクの対立の流れだ。そして化け物と化したケケラは景和に『とびきりのバッドエンドを見せてやる』と宣戦布告し黒ツムリと共に立ち去った。
現実のネットなら化け物になったケケラ生放送でBOT荒らしを行ったり某著名人投票サイトへのライン越え嫌い派投稿朝昼晩問わずに行っていただろう。

景和自身にもサポーターとの決戦が迫るがまずは沙羅の救出である。
景和たちは大智を知恵の樹の前に連れ出すとジャマトの浸食を抑えるための血清を受け取り沙羅を救出。
また幸せが叶った、だけれども英寿の創世の神化が進行しており母と同じように石化が進んでいく。
彼は幸福の為の犠牲となり物言わぬ神となってしまうのか……という所でまた次回。タイクーンVSケケラとギーツVSジットがはじまるぞ。


◆ギーツ46話コラム

・ケケラを反面教師にして学ぶ推し活のマナー

昨今インターネットにて問題となっているママリス問題の風刺になっている

今週のエピソードは狸牛てぇてぇ派閥として景和と道長の和解に感動したりもしたんですけれども、今回めちゃくちゃ手を叩いてしまったのは決裂した景和とケケラの関係性だった。
ケケラは仮面ライダータイクーンにライダーとしての素質を見出し、それが開花するまで高額投げ銭(ブーストバックル)を大量に投げたりミッション中に不利になるような行動を取るようであれば呼び出して説教をするような後方母親面リスナーを風刺するようなキャラクターであり、思えば以前より危険な要素を持っていたのだが、今回それがついに爆発。

『お前が勝手に考えた妄想だろ』

そう言われてしまい、ケケラは見事に反転アンチとなってしまった。
現実でもよくありがちなのである、実績のあるタレントを推しているオタクよりデビューしたてでファン居ないタレントをを推しているオタクの方が立場を勘違いしがちな上、自己の願望の影響力を過信しがちなのである。
景和自身もヒーローの素質に目覚めていない頃からライダーになったゆえにケケラの言葉に傾く素振りを見せてしまい、勘違いさせてしまった面もあるのでそこはよろしくない所だったりする。

ジーンの場合は推しのプライベートに入り込み過ぎたが故に『人としての本質』を知り『推しの個としての姿』を受け入れたのだが、ケケラは姉想いで平和主義な優しい好青年を応援していただけなのに境界線を失ってしまったのである。
その結果が今回の認知不協和を起こしタイクーンの反転アンチとなったケケラなのだ。

今までの思い出を汚されたと思い込み被害者として損害を埋めるために牙をむきだしたケケラは現代の推し活反面教師といえよう。

とりあえず現実世界では法律で成仏させるしかないんですけれどもここは仮面ライダーの世界。是非とも景和にはケケラをライダーキックで成仏させてあげてほしいなと思う。


◆巻末宣伝コーナー

・語ろう中田ヒーローズ2は8月12日開催コミックマーケット102にて頒布予定

というわけで巻末宣伝。

8月12日開催のコミックマーケット102にて特撮アクション評論アンソロジー『語ろう中田ヒーローズ2を頒布させていただきます。

スペースは【東地区ポ16b】となっております。
中田裕士さんを掲げた夏コミもこれで2回目!当日は中田裕士最強の精神で頑張っていきたいなと思っておりますのでよろしくお願いいたします。

今回スタッフさんもいるため不在時間もなく頒布できるかと思います。
是非ともお気軽に遊びに来てください。


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