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仮面ライダーギーツ第42話『創世Ⅳ:女神完成 闇の刃』感想

◆アバンの雑記パート

・コミックマーケット102のプリントキング早割日は7/24

というわけで戒めのアバンの雑記パート固定。
プリントキングの早割までに色々すすめるぞ~~~!


◆仮面ライダーギーツ第42話『創世Ⅳ:女神完成 闇の刃』感想

脚本:高橋悠也 / 監督:坂本浩一

・愛を失い憎しみに突き動かされる景和は

今回の桜井景和の物語は暴走する被害者家族そのものだった。前回のクライマックスでバッファを殺害したようにおもえたのだが、ギリギリでその切っ先を受け止め抵抗。しかしながらそのまま終わらせるはずもなくタイクーンの攻撃は止まらない。
勝負が決し、変身解除の後に地に伏せる道長は『俺を倒して満足するのなら好きにしろ』と自らの罪の代償として命を差し出す覚悟を決めるのだが、景和は悪として断罪し簡単に終わらる気はなかった。
故意か故意ではないか、そんな事は問題ではない。たった一人の縋る相手だった姉を奪った人間なのだから死に逃げなんてさせたくないのが景和の想いなのだろう。ただまぁこの時の道長も少々ズルいよなとは思う。手を汚す覚悟も罪も背負う気持ちがあるのに死をもって償うという安易な選択肢を見せてしまったのだから。
そして立ち去る景和に『お前はどこに向かっている』と問いかける道長だが、その答えは『俺の願いは変わらない』だった。

姉が平和に暮らせる世界、そして退場したすべての人間が復活した世界を願う彼の想いはきっと変わらないのだろう。
だけれどもその歪みは戻せなくなっており、景和は地下の一室にツムリを拘束していた。かつてはツムリと呼んでいた彼女の事を『女神様』と呼んでおり、その目線は今までと全く違うモノとなっていた。
ツムリは景和の変化に動揺し願いを後悔するのだが、景和はもはや彼女を道具としか見ていない様子。もちろん景和がツムリを利用するに至ったのはケケラの入れ知恵であり、裏にはもちろんジットの存在が。
そして二人の前にジットが現れ景和は『ツムリが完成したら願いを叶えてもらう』と言うのだが、ジット的には特に不都合が無い様子。そして景和は更なる復讐のために動くことに。

一方、街頭モニターで人々への扇動行為を行っていた五十鈴大智は集まった人々に向かい教えを説いていた。
危機において人々に対する洗脳行為は行いやすく集まった人々に対し大智は寄生ジャマトを撒く。次々とジャマトと化す者たちから逃げ惑う人々を守ろうとするのは道長だった。
パラサイトゲームの仕掛人である大智の目的は『養分にした人の記憶を受け継ぐジャマトの性質を利用し人々の記憶を集める事』だった。ジャマーガーデンでの日々で発想を得て、機が巡った時に計画を実行するつもりだったのか。ジャマーガーデン跡地にて人々の記憶を宿した知恵の木を生育していた大智は当然道長が殺した沙羅の記憶も持っている。
怒りを露にする道長だが、そんな彼の目の前にプレミアムな力を持ったベロバとケケラが現れて変身。今週よりベロバのスーツアクターは五十嵐睦美さんへ交代である。
道長は即座に対応すべくバッファへ変身するのだがプレミアムな力をもった二人に押されたままだ。そしてコマンドを使おうとするのだが、この時のプレミアムベロバの『まだそれ大事にもってたのw』という煽りがキレキレである。
ジェットバッファVSプレミアムベロケケの戦いはバッファの敗北で終了。
ベロバは敗北したかつての推しに『見損なったわよ、幸せになる気はないって言ってたくせに』と吐き捨てた。俺はどうなってもいい、ほかの人間は別だと自己犠牲の精神を捨てない道長の姿は『誰かの為になったのなら例え死んでも構わない』という幸福の基準値を提示するようなものであり、ベロバにとっては担降りしうるに足るものだった。


かたき討ちのために大智の宗教団体へ向かう景和。だがそんな彼のもとに現れたのは祢音だった。
場所を外し祢音は景和に『沙羅と一緒に家具を見に行く約束を交わした』と告げた。せめて最後のやりとりは弟である景和に教えなくてはという事だったのだろう、だけれども景和の言葉は『約束はちゃんと果た❝させる❞よ』という物だった。
文法がおかしい、姉の約束そのものに景和の意思というのは関係ないのではないのだろうか。その違和感に対し斬り込んだのは続いて現れた英寿だった。ツムリが関係しているのか、という言葉に景和は真相を話そうとしない。
首根っこを掴みツムリをどうするつもりだと問い詰める英寿に『女神になってもらう』『君がミツメに罪を償わせようとしないからこうなるんだ』と答えた景和はやはりあの頃のトラウマの理由が根幹の歪みに関わったままなのだ。
英寿はツムリに罪はない、お前のやっている事は運営と同罪と言い景和を説得しようとするのだが景和の意思は頑なであり聞く耳すらもたれなかった。

一方のツムリだがジットとサマスに囲まれ自らの運命の因果にとらわれようとしていた。
ジットに『何のためにデザインされた存在なのか』をサマスの前で言わされるツムリだが『そんなことのために見守ってきたわけじゃない』と反抗。サマスに銃口を突きつけられても自分の慈悲も祈りも自分の意思でやってきたしこれからもそうするつもりだという意思を崩さない。
だがジットは無慈悲にヴィジョンドライバーを押しツムリを創世の女神へと変えようとする。誰一人として助けに来ない状況で囲んでくるデザイアグランプリのトップたちはツムリに従来の役割を押し付けてくるのだ。

・運命に飲まれるツムリ

高橋悠也はヒロインの尊厳破壊が趣味なのか

宗教団体をさらに強化し、支持者を集める五十鈴大智。だがその中に復讐のために足を踏み入れた桜井景和の姿が。勿論推しの最高の撮れ高の瞬間をケケラが逃すはずもなく、景和に手を合わせるカエル野郎の姿がちょっとかわいい。
大智に姉をジャマトにした罪を問うも、演技が買った仕草で『そんな君を望んでいない』と答えられ景和は激高。

「知ってるんだよ、たった一人の弟を愛した記憶をね。」

と言う大智だが知性故に周囲人間を見下すのがデフォルトな彼は『沙羅の記憶知識にする価値も無い平凡な人生』を評した。何度そういったスタンスに足元をすくわれたとしてもそういった認識を捨てられない彼は学習しきったが故に振り返りなんて行わない人間なのだろうなと思う。
怒りを爆発させマーレラに変身した大智に立ち向かう景和。ブジンタイクーンに変身し、情け容赦ない剣撃にケケラは大盛り上がり。
過失致死の道長生かした上で一生ものの罪を背負わせ故意に殺されるように仕向けた大智は極刑にすると言う確固たる意志。そしてその戦いのバッグサウンドとして流れる『Chair』という曲が非常にゲキアツ。
そしてブジンタイクーンはマーレラを圧倒。ケケラに縋るマーレラだったが桜井景和がホンモノになればそれいいと考えているケケラはそれを拒否。エンタメの為なら、推しの成長の為ならばどんな非道も他人を弄ぶ行為も厭わないケケラは発狂するマーレラに大笑い。
そしてやぶれかぶれで対抗するマーレラを容赦なくブジンソードビクトリーで撃破するブジンタイクーン。変身が解け、命乞いをする大智に対する手は緩める事はなくついにとどめの一撃というところまできてしまう。
だが、そんな行為を許さなかったのは英寿だった。

「なにをするんだ」
「もう勝負はついている」

ギーツⅨの力でブジンタイクーンを引き留め説得を試みるのだが、ブジンタイクーンは『この世界を作り変えるのは俺だ』と言い残し去っていったしまった。

そして創世の女神に変えられようとしていたツムリの状況。
ジットの力で徐々に意識が蝕まれていたがツムリは英寿との約束を思い出し自らの意思で抵抗。髪は真っ白になりまるで人形のような姿になったものの、ジットはツムリの意思はほぼ破壊されたと判断。体に創世の力を宿し、意識はほぼ破壊されたツムリ。やはり高橋悠也は終盤の佳境にヒロインの尊厳破壊イベントを仕込むのが性癖だと言う事なのだろうか。
完全体ではないが創世の力は宿っている。
不完全な創世の女神にされたツムリに協力者だった景和はデザ神として『デザイアグランプリの全ての犠牲者がよみがえった世界』を叶えさせた。

そしてツムリの力で世界は作り変えられ景和の世界が叶ったのだがそこはまさかの最悪連中たちも蘇った治安最悪の世界!最終決戦の手前に開幕した世紀末ゲームの果ては果たしてどうなるのやら、たのしみである。


◆ギーツ42話コラム

・被害者遺族としての断罪路線が定まっている景和

桜井景和とかいう暴走した被害者遺族

今回は何かと議論の軸にされている桜井景和について。
景和についてTwitter上では『言ってることが無茶苦茶』だの『やってることが破綻してる』だの『終盤に2号がなにやってんだ』だの散々ないわれようだったのだが、個人的には創世編からの普通の人間らしいムーヴに逆に安心してしまった事もあり、今回も相手の罪状ごとに対応を分けていたのが印象的だった。例を出すとこうだ。

  • 殺人を仕向けた犯罪者→五十鈴大智(極刑一択)

  • 過失致死罪→吾妻道長(一生罪自覚していけ)

  • 加害者家族→浮世英寿、ツムリ(遺族に対する賠償をしろ)

まぁ彼がやってることは極端な対応とはいえ復讐の対象をきちんと理解している印象なのが妙に理性的だと思う。
景和の家族を奪ったのはミツメが創世の女神だったころのデザイアグランプリであり例え創世の力を得ようとも英寿やツムリはただの加害者遺族に過ぎず景和にとっては断罪の矛先を向ける相手ではない。しかしながら加害者家族は加害者家族なのでできる形で加害者が背負えなくなった賠償は背負ってもらうし、できるのであれば全て終わるまでやってもらうという意思なのだ。
道長に関してもそう。彼は死ぬ寸前まで追い詰めたものの、命を差し出す覚悟を決めた道長に死に逃げは許さなかった。景和自身に道長が故意でやったわけではないという認識がしっかりあり、だからこそ一生罪を自覚して過ごさせる判断をしたのだろう。そして意識的に今回の騒動を引き起こし沙羅を死においやった大智については極刑へ至らしめようとしたのだ。

うーん、彼の行動には納得がいく。受けた被害的にも『赦し』を行うにはあまりにもハードルが高く、被害者遺族としての行動としては理解できるものなのだ。
だけれども彼の暴走が沙羅の望んだものなのかといったらそうとはいえず、その事を認識した時彼は一体どうするのか気になるところなのだ。


◆巻末宣伝コーナー

・語ろう中田ヒーローズ2は8月12日開催コミックマーケット102にて頒布予定

というわけで巻末宣伝。

8月12日開催のコミックマーケット102にて特撮アクション評論アンソロジー『語ろう中田ヒーローズ2を頒布させていただきます。

スペースは【東地区ポ16b】となっております。島角配置だよ~!
中田裕士さんを掲げた夏コミもこれで2回目!当日は中田裕士最強の精神で頑張っていきたいなと思っておりますのでよろしくお願いいたします。

今回スタッフさんもいらっしゃるので不在時間もなく頒布できるかと思いますのでお気軽に遊びに来てください。


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