見出し画像

仮面ライダーギーツ第40話『創世Ⅱ:タイクーン覚醒』感想

◆アバンの雑記パート

・夏映画ギーツタイトル公開『4人のエースと黒狐』

41期が並び立つキービジュアルに手を叩いて喜んじゃった。

さて、気になるギーツ夏映画ですがタイトルが『4人のエースと黒狐』とのこと。
英寿が4人、そしてギーツにそっくりな黒い狐が登場するということで考えられることは夏映画に過去のデザ神エースが絡むのではないかという可能性である。黒狐も合わせれば合計5人なので人数的にも一致するしね。
過去デザ神について本編で言及されたものの掘り下しが少なかったため、個人的には夏映画で一気にやってくれるんじゃないかと高い期待をかけている。

ラスボスが原初の『エース』だったりしたらどうなるかな……?何はともあれ楽しみである。


◆仮面ライダーギーツ第40話『創世Ⅱ:タイクーン覚醒』感想

脚本:高橋悠也 / 監督:柴﨑貴行

・進化を遂げたジャマトによるパラサイトゲームが始まる

厄介オタク二人に接触したジットは

英寿が創世神となった新世界が始まり、誰もが幸せになる世界を目指す戦いが始まった。牛歩でもいい、自らの意思で集ってくれた頼れる仲間たちと共に世界を守る。その決意に呼応するかのようにミツメの声を担当していた寺崎裕香氏の歌唱による挿入歌『願い』が開幕から流れるのがアツい。寄生型ジャマトを倒して人々を救った後、英寿は景和と道長に声を掛けられることに。デザイアグランプリが残した負の遺物に対処するため『英寿のデザイアグランプリ』に参加したいという二人。
例え戦っても理想の世界が叶うわけではない、だけれども参加する理由の根底には自分を最も理解しているサポーターに焚きつけられたせいもあるようで、普段と変わらぬ姿勢の道長はともかくとして景和の様子は目も完全に据わっており今後の彼の行く先が非常に不安だ。

そして一方、鞍馬光聖が逮捕された後の鞍馬財閥の様子だが絶望に打ちひしがれていた伊瑠美が一人残されていたところに祢音が帰宅。
伊瑠美は祢音に泣きつき『貴女を愛した日々は嘘じゃなかった』と言うのだが祢音はそれを拒絶。新しい住まいの準備を友達と行っている、鞍馬光聖の心の欠陥を埋めるためのエゴに巻き込まれ翻弄された伊瑠美が全てを失うこの展開は本人の心の弱さによる依存心が原因にあるものの視聴者個人としては非情に哀れに感じる。

「えっ!?ライダーに復帰した!?」

そう言う沙羅に『街にジャマトが居る以上見て見ぬふりはできない』と告げる桜井景和の表情は冒頭から一転して非情に穏やかである。彼にとって日常であり世界でもあった姉の存在はかなり大きなものなのだろう。
そんな彼に沙羅はもっと稼いで支えると宣言。桜井家の空気は一瞬おだやかに終わったように思えたのだが沙羅がライダーとしての力を失っているにもかかわらずライダーとしての精神性を持ったままなのが少々心配なところ。

そして裏ではベロバとケケラにジットたちが接触。
打倒ギーツのために手を組もうと最上級の力であるブラックカードを付与。第二の創世の女神を完成させるための手段であるとのことだが、彼らにとってはそんな些細な事よりこの世界の醜さを消費する事の方が先決なのだろう。

・狙われた沙羅

そして気になる五十鈴大智の状況だ。アルキメデルの後を奪うようにジャマトの開発に励む彼の姿にIDコアを拾ったベロバは少々呆れ気味だ。
全人類の記憶を知りたいという知識欲に飲まれた大智はかつてジャマトに自らの命を捧げたアルキメデルを超えるようにジャマトの幼体を食らう。これにはさすがのベロバもドン引きである。

新たなバイト先のスーパーにて面接を行う沙羅、しかしそこにジャマトの襲撃が。襲われる人々を前にして自らの危険を顧みず立ち向かう沙羅の元に五十鈴大智が現れた。ここからの三文芝居ムーヴで大智は沙羅に寄生型ジャマトの進化について告げた。大衆を信用させるためにあえて秘匿にするべき情報を出してくるのが定型手段だが、この手法に何度もかかってしまうのは沙羅の純真さゆえか。そしてこの昼間の戦い以降沙羅は行方不明に。
景和は翌日英寿たちに沙羅が行方不明になったことを相談するのだが、唯一の精神的支柱を失った彼の動揺は尋常じゃないほどでツムリに強引に強力なバックルをくれるように責め立てる。そんな彼を気遣うように英寿は一緒に沙羅を探しに行く事を提案。二人で向かった先は大智の居る大学だった。
英寿はあくまで表面上は冷静な態度を崩さないようにしているものの景和はすぐにでもこの男をどうにかしたいという表情で、三人きりになるなり沙羅の居場所を問い詰めた。あくまでシラを切る大智だが、英寿に見透かされるなり何かを明かそうとする様子である。

ジットはツムリついて『既に創世の力に覚醒している』と分析した。あとはいつ息の根を止めて女神にするかという段階に突入しているとのことだが、地味に明かされてしまった事は創世の女神になった時点で英寿の母であるミツメは死んでいたという事である。肉体を殺し、能力だけ維持し、意のままに操るデザイアグランプリのグロテスクさ、そして英寿が戦い始めた時点で母はもうすでに亡き者にされているという事なのだ。
ただ、同じ事を再現しようにもギーツが傍にいるうちは難しい。そう談合する二人の元にウィンが現れその行為をけん制。ツムリを好きにさせない、今の彼女は英寿の姉である。
そう言われたジットは『守れるなら守ってみろ』と告げて大人しく立ち去った。

・決裂する道長と景和

ジャマトが現れたスーパーにて問題の元を駆逐するべく現れた道長は規制線を越え現場に突入。バッファに変身し、繭から還ったジャマトを追い詰めていく。
それを見ていたベロバはバッファにライダーをぶっ潰す力はどうしたのと煽り立てるようにいうのだが、バッファは『今の敵はお前とジャマトだから必要ない』と切り捨てた。だがベロバは余裕綽々で『今更世界の救世主になろうなんてそうはいかない』言った。既に手を汚した人間なのだから元通りに世界を救う事なんて無理筋なのだと理解しており、その根拠も現在進行形で産まれているということなのだろう。

「姉ちゃんはどこだ!」

激しく詰め寄る景和に大智はマーレラジャマトに変身して襲い掛かった。どうせこの世界は僕が支配するのだから関係ない、僕が新世界のジャマ神になるのだからという夜神月ムーヴを見せる大智の目的は『全人類の記憶を宿すこと』との事。
英寿と景和は変身し、マーレラジャマトへと立ち向かうのだが彼の目的はギーツとタイクーンを倒すことではなかった。
君の姉はもう手遅れ、意味深な言葉を言って消えていこうとするマーレラジャマトをつなぎ止めギーツはタイクーンに沙羅を探すように言った。

バッファと謎のジャマトの戦いはバッファの勝利で終わりつつあり、バッファは最後の一撃をジャマトに加えた。その姿を見ながら『ようやくアンタの不幸が拝めそうね』とベロバが微笑む。
そして駆けつけた景和だが、ジャマトの中からは沙羅の姿が。かつて神経衰弱ゲームでは絆のようなものを見せていた景和と道長、新世界になり再び彼らは仲間として戦う可能性をみせていたがここにきて最悪クラスの決裂。
沙羅をジャマトにして道長に殺させ、その姿を景和に目撃させる。
正義の道を再び歩もうとする道長に目的のために下劣な手段も厭わなかったのはお前の意思だっただろうと再び手を汚す行為をさせたベロバ。そして大切な姉を奪い、失った果てにヒーローへ覚醒を促したかったケケラ。そんな二人の目的が合致した『推しが最も映えるシーン』がここである。

ジャマトは人間の体に寄生する。
ステージ1、症状が軽いうちは体からジャマトを追い出せる。
ステージ2、もう寄生からは逃れられない。

大智と接触した時点でもはや沙羅の運命は決まっていたのだ。
消滅する沙羅を抱え必死に叫ぶ景和だったが無常なことに大切な姉は地面に飲まれるように消滅していった。

「お前が姉ちゃんを……答えろ!」
「ああ、おれがやった。」

こういう時に道長が言い訳を行わないのは自らの罪に再び向き合わされたのが理由だろうか。そんな彼に精神的な支柱を失い、悲しみと怒りがごちゃ混ぜになった景和は殴りかかった。
この光景にベロバとケケラは大喜び、お前もこれで本物の仮面ライダーになれるというケケラだが彼の足元は既に消えかかっているのではないのだろうか。

「許さない…許さない……!」

景和の怒りに引かれるようにそして降りしきる雨の中に黒いタイクーンが姿を現した。
前回、英寿が他者と手を取り合う姿勢をみせているのだから彼の長期プランはなかなか崩される事は無いだろうとおもっていたのだがここにきて景和の姉・沙羅を殺すストーリーを仕立て上げる事により決裂を見せたのはなかなかにエグい。そしてこのシーンの帰結もそうなるだろうなというオチで悲しくなってしまう。
沙羅の今後については現在は死亡という扱いになっているが、クランクアップ自体はしていないので最終回までにどうにかなると信じたいのだが……


◆ギーツ40話コラム

・桜井景和という普通の男

今回のエピソードは新世界のために尽力するという方針を固めた矢先に大智やベロケケらに起こされた事件により景和と道長が最悪の決裂をするという展開だった。
冬映画で『カゲロウが見た景和の悪魔』という伏線で彼の深層に懸念を抱いていたのだが、その深層は大切な居場所を失った悲しみを持つ『普通の男』だった。

自己犠牲のように見えた彼の根底にはいつだって姉の存在があり、彼のお人よしぶりや優しさの影響はどこにあったのか言うまでもないだろう。
姉が危機に陥る機会が増え、彼は以前のような平静さを失いがちになったのだが私は今週の展開を見ても逆に彼に対して安心感を抱いてしまった。世界の為、失った人々を救うためという大それた大義名分を抱きながらもその根底は『ただの家族思いな一人の男』に過ぎなかったのだと認識できたのだ。
だけれども今週で彼を繋ぎとめる存在が消え、次回もまた傷心の景和の元にケケラが現れるという展開となっている。

ケケラの思惑に乗せられたままなのは腹立つのでどうにか乗らずに復活してほしいのだけれどもあのカエルは景和が不幸を乗り越えた果てに真のヒーローになってほしいだけなので光に向かっても闇に向かっても喜ばせるだけなので苦しいところである。


◆巻末宣伝コーナー

・語ろう中田ヒーローズ2の追加エントリー募集は6月末まで。

さて、巻末は宣伝コーナーとなっております。
現在C102合わせ特撮アクション評論企画語ろう中田ヒーローズ2の参加者を募集しております。
6月末まで評論部門限定で追加エントリーの受け付けをしております!是非ともご応募ください!

※追加エントリー枠は完成済原稿を用意している方のみです※

【企画概要】

【追加エントリーについて】

【応募窓口】

追加エントリー枠の申し込みは運営TwitterのDMより受け付けております。

参加者一覧はこちらになっております。

・アンケート企画ももちろん実施中!

そしてそして、語ろう中田ヒーローズ2では誌上アンケートも実施中!中田裕士キャラの頂点を決めろ!
『中田裕士キャラ総選挙2023』の締め切りは6月30日です!ぜひともご回答ください!

【アンケート回答フォーム】

【投票の参考になったらいいなリンク集】


【運営note】


この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?