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仮面ライダーギーツ第36話『慕情Ⅳ:かりそめの共闘』感想

◆アバンの雑記パート

・【朗報】スーツアクターの中田裕士氏、福沢班ギーツについて更新

4枚目に肋骨~腹筋のシークエンス感じちゃったわネ

あ、関係ない話ですが過去に頒布させていただいたニンニンジャー&チェンジマンのクロスオーバー同人誌の無料公開を行いました。異例の霞&天晴の男女コンビ作品なので普段と違う霞姉が見れちゃうかも。ぜひ読んでください(※一般向けです)


◆仮面ライダーギーツ第36話『慕情Ⅳ:かりそめの共闘』感想

脚本:高橋悠也 / 監督:福沢博文

・グランドエンドはすぐそこに

お前なんで生きてるんだよ

前回より福沢班の仮面ライダーギーツが開幕。
いち中田裕士さんのファンとして福沢班のギーツはまさに実家のような安心感。戦隊時代に中田裕士さんをゼット役に抜擢してくれたのは福沢さんなので喉奥から『パパ……』という声が出そうになるのだが、流石に気持ち悪いのでここは自重といったところ。

スズメ野郎が退場し、残すはギーツ・タイクーン・ナーゴ・バッファ・ハクビという状況の本編ではニラムと晴家ウィンが復活。本編でのウィンは謀略編で自爆テロを行わされ凄惨な結末を迎えた……に見せかけたが実は生きていたのが驚きだ。事の詳細は『ギーツエクストラ 仮面ライダーパンクジャック』にて描写されているのだが、消される寸前の所をニラムに救われていたというのが概ねの真相なので参考にされたし。
ニラムは急ぎ撤収の準備を行う事を宣告するのだが、ウィンは記憶を消されるかどうかが気がかりらしい。
ある仕事を行えば消さない事も検討すると交渉を迫られたウィンだが、謀略編で英寿と共に運営の駒にはならないと決めたため従うかどうかについては否定的だ。しかし、ニラムはその仕事は『英寿に関する事』だと言われてしまえばウィンは簡単に拒否できない。もうすぐグランドエンドを迎えるというこの世界でのゲームでそれぞれが終末に向けて行動を行っていく。

前回現れたアルキメデルの件だが、以前危惧していた通り『バッファの特攻対象外』のためやはり基礎スペックが標準的ステータスのままのバッファにはやはり優位対象だった模様。集めたIDコアも全て奪われジャマ神バッファの環境トップ期間も無事終了。このまま第三勢力としての道を突き進むのかと思いきやアルキメデルに接触したのはベロバとケケラだった。
二人の目的はジャマトを復活させる事を報酬としてアルキメデルに桜井沙羅を消す事を命じる事だった。沙羅が消えれば桜井景和が覚醒する。
悲劇を経て本物の仮面ライダーになる。やはり夜明けのオタクは性癖を貫き続けるようだ。

『全ての証拠隠滅のため』『世界中が自分を忘れた世界のため』『弟が二度と傷つかないようにするため』『そんな姉を秘密裏に守るため』各々の思惑が交差しながらも、歩み寄りの空気が見えているのがせめてもの救いか。

英寿も道長に対する歩み寄りの姿勢を見せており、たった一人で地獄の底で戦い続けている道長も恐らくは引き戻されるのだろう。
その証拠がアルキメデルについて英寿に警告しにきた道長であり、英寿に『優しいんだな』と形容された彼は。道長の物語は恐らくハッピーエンドへ向かうであろう気配を感じるのだが、たとえ本編で幸福な未来へ向かおうともVシネマで張り手する事が度々あるのが高橋悠也脚本なので、正直個人の予想としては『道長の将来の安全性』については全く油断ができないと感じる。

そして道長が立ち去った後、英寿の元にニラムから指令を受けたウィンが現れた。流石の英寿もウィンの復活に衝撃を受けたのだが、英寿の事情についてはツムリから経由して知っていた様子だ。やはり観測者としての彼女の立ち位置はシナリオのショートカットとして有用である。
母親については俺が探る、運営はこの世界から撤収するらしい。
それがウィンが英寿に伝えたかったメッセージだった。

・祢音の願いを知り、沙羅は

牛すき……つまり牛好き……!?

そして一方の祢音たち。
沙羅に願いをきかれた祢音はこれまでの経緯と共に自らの願いが『世界中が鞍馬祢音を忘れた世界』である事を明かしていた。
大事な推しが壮絶な真実を明かし、愕然とする沙羅だが祢音を忘れたくないという切なる叫びをあげるものの気持ちの整理がつかない様子。そして景和も祢音の願いに納得がいっていない様子だった。キューンの提案に従って未来に行くかもしれないという言葉に躊躇いを感じている事をかぎ取った景和は祢音に『自分たちと一緒に暮らせばいい』と提案。
景和からしたら一緒に戦ってきた『大切な友人』だからこそ新たな居場所となりたいという想いは当然なのだろう。しかしながら祢音はその思いを素直に受け取る事ができない。

桜井家を『新たな居場所として選ぶ事』に躊躇いがあるのか、はたまた『景和に嘘がバレた事を自分の不幸と認識した理由』に由来するのか。
桜井景和は徹底して姉以外の『自分に縁のある人間』を踏み込んだ関係として認識しない。救うべき人間が居れば必ず手を指し伸ばすのが彼なのだが、彼は『その人が自分に向けている感情の正体』には無関心なのである。

デザイアロワイヤルの終了まであと僅か。
拠点としている廃墟の板で残されたライダーを確認する道長だが、ここにきてまさかの画伯設定が発覚。小学生の落書きのようなスズメにバツ印をつけ現状を確認する道長がシュールな笑いを誘ってくれる。
そんな姿を見て英寿は『パンクジャックに会った』と言い、追加でパンクジャックを描き込んだ。小学生のその画力に思わず『上手い』と思った道長だが、そんな彼の心情も英寿はお見通しである。
シリアスな中にもクスッと笑えるギャグを仕込んでくれるとこちらとしても非常に見やすくてよい。そして英寿は道長と食べる夕食を作り始めたのだが、そのメニューはなんと『すき焼き』、更に言うなら『牛すき』である。

『牛すき』『牛好き』……つまり英寿は『道長に対して好意的』ってコト!?

まぁそんな冗談はさておきとして浮世英寿は『同じ巣で飯を食べる行為』を『気を許した証明』としているのは間違いないだろう。そして彼が手料理を振舞った相手は道長で二人目である。
そして英寿は道長に『仮面ライダー狩りをやる意味なんてないんじゃないか』と問いかけ、そして追加で『おせっかいはその辺にしとけよ』と付け加えた。
もしジャマトに倒されたら蘇らない、でも『ライダーが倒せば記憶を消して元の生活に戻れる』…だからこそ道長は全てのライダーを倒す力を手に入れる道を選んだのだというのが英寿の理解だった。道長は『救っているんじゃない』と否定するのだが英寿に『もしライダーがジャマトに殺されかけたら?』と問われ言いよどんだ。
道長のやってきたことは目的こそわかるものの、リスクまみれの向こう見ずすぎだったためここにきて英寿が行動を解読し、理解をしめしてくれたのは本当に良かった。

そしてIDコアを集めるミッションが再開。
戦いの場で祢音と向き合った沙羅は改めて自分の思いを告げた。祢音の幸せは祢音が決める事、自分に縛る権利はない。だけども『祢音の事を忘れても祢音の事を思い出したい』、自分は一生『祢音推し』であると。
二人の絆が深まり、IDコアを探すべく探知機能の示す先に向かうのだが景和がもはや隠れる気もなくついてきているのが愉快極まりない。何故気づかないんだ。そして英寿と道長も二人を見守っていた。
道長はライダーを狩るべく変身しようとするのだが、そこにダンクルオステウスジャマト(アルキメデル)が襲来。もちろん目当てはケケラから抹殺しろと命じられた沙羅である。デザイアドライバーを取り落し、危機に瀕した沙羅。そして祢音は救出すべくナーゴに変身するのだが多人数を相手取るには少々きつい。だがそんな危機に逡巡しながらも踏み出したのは景和だ。
タイクーンに変身して姉を救出するその姿を見ながら英寿は道長に『これでもライダーを見殺しにするか』と問いかけた。

道長への『自分の良心に素直になれ』という意図もあったのだろう。

そして英寿はダンクルオステウスジャマトの足元にマグナムシューターを打ち込んだ。背中合わせで立つのは吾妻道長、言語化しない。だがその姿こそが答えなのである。

・最強タッグ!ギーツ&バッファ!

最強の二人

沙羅を救出し、避難した景和たち。沙羅は景和に対し何故ライダーになっているのかと問いかけた。そもそも沙羅の参戦目的は景和を傷つけないためなのである。景和は沙羅を守りたかった、沙羅も景和を守りたかった。お互い様な姉弟の姿が微笑ましくて、このシリアスな中で第1話から不変な絆を示してくれるのがとても良い。
戦いの中で弟の状況と推しの状況を認識した沙羅は『もう私たちだけの問題じゃない』と言った。
祢音のためにも負けられない戦いである事、だからこそ景和に守られるばかりではいられないのだと沙羅は言った。推しの幸せの為なら命だって賭ける、桜井家の姉は非常にタフな女だった。

「お前にはさんざん私の息子たちがやられた恨みがある。あとでゆっくり相手してやるからそこをどけ!」

英寿を目の前にし、ダンクルオステウスジャマトはそう言った。
だが、ジャマトを野放しにすることはできない。そして英寿に同調するかのように道長が現れた。
本当に戦うべきなのはライダー同士じゃない、この世界をおもちゃにしてきた未来の連中である。そしてアルキメデルもそのうちの一人だと英寿は言った。
アルキメデルは道長に対し『仮面ライダーをぶっつぶしたいんだろ』と言うのだが、味方を得た道長はそれを肯定してからIDコアをよこせと言った。素直じゃないなという英寿の軽口に対し黙れといいながらもその口元は微笑んでおり、彼の道筋は決まったも同然の様子。そして二人は変身し、ジャマトへ戦いを挑んだ。

ここからの戦いなのだが、空中アングルの撮影からダイナミックに地面へ向かいグルリと回る全天球のカメラアングルが凄い。
ギーツとバッファの共闘がアツいのだが、ダンクルオステウスジャマトはだまってやられるばかりではない。ブーストマークⅡの活動限界の隙を突き、大ナタをふりギーツごとバッファに叩きつけた。
そしてギーツはレーザーブーストにリボルブオンしてから逆襲へと向かう。もちろんバッファも共にだ。バッファは肩にゾンビブレイカーを切りつけポイズンチャージを行うのだが、以前見せた不安定さのある力任せの自傷とは違い、支えがある故に行う確固たるものである。
そして二人は一斉に攻撃、この時点で凄く脳汁でそうになるのだが、なんとギーツは追撃でバッファのライダー攻撃無効の反動を利用しながらダンクルオステウスジャマトに蹴りを入れたのだ。
無敵のバッファは棒立ちで不動。思わず何故蹴ったのかと言うのだがギーツの『お前最強なんだろ』と言ってからのレイザーレイズライザーでの打ち込みにも疑問符を浮かばせるだけで過度な反抗はしない。弄られるポジションとしての立ち位置は初期を思い出させてくれるので非常に微笑ましいく思う。

「たたかえ、己の理想の為に」

最強の二人のコンビネーションはここで収まる事はない、バッファはダンクルオステウスジャマトに立ち向かう。ジャマ神バッファの能力は現環境では型落ちだけれども、ギーツはバッファの強さを信頼しているのだ。
ゾンビを砕かれ、それでもモンスターバックルに切り替え立ち向かうバッファ。一瞬の静寂の果てにただ目の前の敵をぶっ潰すべく拳を叩き込む。
最期はギーツのライダーキックでクライマックス。ダンクルオステウスジャマトの撃破に成功した。
バッファはダンクルオステウスジャマトが残した大量のIDコアを貰い立ち去るのだが、ギーツは撃破後のダンクルオステウスジャマトが居ない事に気づいた。

アルキメデルはジャマトへの父性に殉じて戦い続けてきた男である。
運営のエンタメの道具にされながらもその根本にはジャマトに対する家族愛が存在していた。死の間際、アルキメデルは自分の息子たちの幻影を見るのだがそのシーンこそがアルキメデルの父性愛の総決算であり、今回のエピソードでなによりも美しかった物に思える。
消滅したアルキメデルを見て舌打ちをするベロバだが、残されたナッジスパロウのIDコアを見てまた悪い発想が思い浮かんだ模様。

「あいかわらず悪趣味な事をしているようだね」

そんなベロバに交渉にきたジーンが声をかける。要求は『ビジョンドライバーを返してほしい』との事。
グランドエンドが近い、君たちが悪さをしなければ打ち切られずに済んだのに。そう言うのだが、ベロバは最後までこの世界の不幸を味わい尽くす気満々の様子。
ゲートを通れずにグランドエンドを迎えたらこの世界の終わりと共に消滅してしまうという衝撃の事実が発覚するのだがこれでもなお彼女はこの世界の不幸に執着するつもりなのだろうか。
次週はグランドエンドに向かうのだが慕情編もクライマックスに向かうとのこと。ギーツも新たなフォームを獲得するのだが、時期的にこれが最終フォームとなるのだろう。


◆ギーツ36話コラム

・アルキメデルもまた翻弄された者であった

純粋なのよ

アルキメデル…ジャマーガーデンにてジャマトを育成する男。

強い存在の駒として扱われる事の悲哀については徹底したテーマとして描かれており、そんな中でも彼はずっとライダー同様に運営に玩具として扱われているジャマトに対して愛情を注いでいたのだ。
だからこそ陣営こそ英寿たちと敵対する組織の存在であれども彼はそこをあまり意識しておらず、徹底的に『息子たちを傷つける存在』と戦い続けていた。
この理念は徹底しているのだが、哀れ主人公からしてみれば所詮は『敵の下請け』に過ぎない存在であり、ベロバからしても『利用できる駒』でしかなかった。最後の最後まで理解されず愛に殉じた男である彼は最後に息子たちからの愛の幻覚をみた。

その終末は今回の名シーンであり、何よりも美しかった風に思える。


◆巻末宣伝コーナー

・語ろう中田ヒーローズ2の二次募集は5月末までです。

さて、巻末は宣伝コーナーとなっております。
現在C102合わせ特撮アクション評論企画語ろう中田ヒーローズ2の参加者を募集しております。
今回は前回もありました『評論部門』に加え中田裕士さんの演じたキャラを描いたりダイマ画像を作ったりする事ができる『イラスト部門』を募集しております!お気軽にご参加ください!

4月より既に参加している人限定部門を越えた応募が可能となりました。二次募集は5月末ですが、6月になりましたら完成原稿のみ受け付ける追加エントリー枠を募集するかもしれませんのでよろしくお願いいたします。

【企画概要】

【応募フォーム】


※現在の参加者一覧はこちらになっております。

・アンケート企画ももちろん実施中!

そしてそして、語ろう中田ヒーローズ2では誌上アンケートも実施中!中田裕士キャラの頂点を決めろ!『中田裕士キャラ総選挙2023』の締め切りは6月30日です!皆様これからもご投票ありがとうございます!

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