ファウスト 第一部読了

ゲーテのファウストを読了したから感想をここに記します。
まず、第一部はファウストがあらゆるこの世の理を知って絶望し、悪魔を召喚しようとする何ともファンタジーな始まり方で悪魔メフィストと契約を交わすところから始まって。
ファウストは学識高い有名な学者と思われるけど、部屋は薄暗くて食べるものも地上のものとは思えないと散々な感じだからメフィストから「陰気な部屋から出てみて楽しいことしてみよう!」と部屋から出て、そこからファウストとメフィストは旅をして陽気な大学生と出会ったり、魔女から若返りの薬をもらって若返ったり。
(ちなみに、ファウストはイケメンの部類らしい)

ある日、ファウストはメフィストと街を歩いていたら少女と出会って一目惚れした。
しかし、メフィストフェレスは「あんな清純な少女に手を出したらダメだよ!」と猛反対してたけど、ファウストは聞かずに少女マルガレーテに猛アプローチしてはメフィストに「いきなり押しすぎ!恋愛は駆け引きが大事です」と かなりまともなことを言ってファウストに恋愛の指南をしたりとメフィストは何やかんや尽くしているメフィストフェレス。

やがて、ファウストとマルガレーテは恋に落ちるけれど、マルガレーテは「あなたといつも一緒にいる男性がどうしても嫌い。(メフィストが)近くにいるだけで何だか胸がムカムカするの」とこの物語で唯一メフィストの正体に気付いていて、ファウストは「あいつはいい子だよ」とフォローしていたり。

マルガレーテはファウストがキリスト教信者ではないことも気付いてて、ファウストという作品はキリスト教の考えやドイツの歴史を知らないと分からない部分もあるかなぁ。

さて、第一部のラストはマルガレーテはファウストとの子を孕んだけど、子を殺した子殺しの罪で投獄させられる。
そんな中ファウストはマルガレーテを助けに行こうとするが、メフィストから猛反対されて、でもファウストはマルガレーテを助ける!の一点張りでメフィストが折れて一緒にマルガレーテを助けに行こうとする。
ファウストはマルガレーテを助けようとしたけれど、マルガレーテはそれを拒んだ。
牢から出るか出ないかで二人は揉めてるけど、時間はない。
メフィストはファウストに「もう時間はない。このままだと、この娘とここで死んじゃうよ。」とファウストに逃げるように言い、ファウストは逃げた。
マルガレーテの最期についてメフィストは「処刑だ。」と言ったが、天の主は「救いだ。」と天から囁いた。
第一部はマルガレーテのあまりにも哀れな最期で終わった。
英訳版ファウストだと、第一部で完結しているからここでは第一部でふと思った疑問や感想を。

まず、ファウストは戯曲で冒頭のほうに詩人、道化師、支配人という三人が次の舞台のために物語を作るところから始まって、所々 詩人や道化師という存在が匂わせる。
だから、この話は ファウスト という芝居を詩人や道化師が演じてる前提で読んでた。

そのうえでのふとした疑問はマルガレーテがメフィストの正体に直感で気付いたところが気になった。
ファウストが魔女に若返りの薬をもらって若返った後くらいに鏡に若い女が写って、その女はマルガレーテを示唆してるのかな?とか。
考え過ぎかもしれないけど、第二部のラストのことを考えたらどうしてもマルガレーテは普通の少女には思えない。
もしかしたら、天上界の方か、それとも最期を天の主が「救いだ。」と囁いたのは裁かれたことで救われたのか…解釈が難しい。
背景にキリスト教の考えやドイツの歴史があるから、キリスト教の勉強をしたほうが楽しめるかもと思った。

第一部の感想は以上。

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