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ミシュラン三つ星Martin Berasategui

サンセバスチャンにある3軒の三つ星レストランの一角を為すMartin Berasateguiに行ってきました。他の2軒も全日程オープンで予約トライしましたがランチもディナーも全て満席。トップシーズンに入る前なのにこれですから、もしそういう目的であれば基本的に「バスクに行く」と決めたその日に先ずはこれらのレストランの予約を押さえてからどうするか考えるのが良いと思います。

Restaurante Martín Berasategui
Loidi Kalea, 4, 20160 Lasarte-Oria, Gipuzkoa, Spain
+34 943 36 64 71
https://goo.gl/maps/akM7V8z1Zsk

市内からは約7kmの距離にあり、タクシーで約15ユーロ。あまり市内には流しのタクシーは走っていないのでホテルで呼んでもらいましょう。

住宅街を抜けていくと、ぽつんとそのお店が現れます。タクシーを降りて玄関までのアプローチを登っていくと、表には「ミシュラン***」の看板が。

スペインは夜の食事の時間が遅く、ディナーの予約は早くて20時半からです。そして日が長いので22時くらいまで明るいです。

さて席に通され、アペリティフを勧められます。Cava、とも思いましたがChampagneにしました。ルイロデレール。写真の4色の棒はバターです。左から順にルバーブ、塩、ホウレンソウ、ポルチーニ。ポルチーニが一番美味かった。

料理は、アラカルトか、全12品とデザート2品からなるTHE GREAT TASTING MENU@225ユーロ(税サ別)から選びます。

メニューはこちら。

当然ここまできたら迷わずフルコース。しかし、昼にバルで調子に乗ってピンチョスをパクパク食べてしまったことから不安がよぎる。「どれも3ー4口のスモールポーションですよ」と書かれていますが、果たして。

一皿目。アミューズは、ルバーブのクランチにツナのタルタル、イクラ。イクラは微妙でした。鮨屋のそれのように薄皮の処理をしていないのか、口にあたる感じでした。

95年からの当店定番メニュー。燻製アナゴ、フォアグラ、新たまねぎ、青リンゴのミルフィーユ。これは文句なしに美味しかった!この組み合わせ最高。毎年毎シーズン新しいレシピが開発される中22年も生き残ってる古参にはそれだけの理由があるんですなあ。

ワインはソムリエに選んでもらったLAS MORADAS DE SAN MARTIN。マドリードのワイナリーで、品種はグルナッシュ主体(スペインではガルナッチャと呼ぶ)。「100ユーロ以下の赤でそこまでタンニンきつくなくてでもパワフルなワイン」という無茶な要求に応えてくれました。レシートをあとで見ると50ユーロくらい。良心的。スペインは高級レストランでも50ユーロ前後のワインリストの層が厚いのが魅力ですね。

ハムとトリュフのトルティーヤ。トルティーヤとはスペイン風オムレツのこと。普通は分厚い個体なのですが、これはペースト状。「一口でいけ」と言われ、パクリ。うん、卵とトリュフとハムの味がします。

出ましたエスプーマ。赤エビのロワイヤル(洋風茶碗蒸し)に、ディルとVenta del Baronのオリーブオイルで作ったエスプーマを載せたもの。

キャビアのジュレに、アスパラのクリームとアスパラのピクルス。

出ましたドライアイス!牡蠣の殻を模した器の下に敷かれた皿に海藻とドライアイスが敷き詰められており、サーブとともに水が注がれ、いつかの歌番組の演出よろしく白い煙が溢れ出ます。ちなみにその海藻は食べられません。

器の中身はというと、牡蠣を軽くマリネしたものにキュウリをすりおろしたものと「K5」という謎の物質と「スパイシーアップル」。混乱してきました。

17年の新作メニュー。タラモと、ビーツと、ホースラディッシュ。部屋と、ワイシャツと、わたし。

いろんな野菜の野菜の芯の部分とロブスターなどのシーフードとレタスのクリームと、"Iodized juice"(ヨウ素を添加した何かのジュース)。ヨウ素を添加する意味は謎ですが、見た目も美しいし普通に美味しかったです。このあたりから「あ、素材がそのまま活きてるやつ、美味い」と気付く。

こちらも今年の新作。ザリガニに、アニスの海底ソースと珊瑚風マヨネーズ(原文 : Crayfish over aniseed sea-bed and coral mayonnaise)。なんのこっちゃ。ザリガニ美味い。

"The Truffle"。右側の塊が、トリュフを模した何か。詳細は不明です。それに、発酵させた野生のマッシュルームのスライスとソース、コラールというケールの一種のエスプーマ(また出た!)。

"Gallo Celta Galician"。タマゴと、柑橘と、チキンスープ。Galloとはスペイン語でニワトリの意味です。Celtaは分かんない。シェフは日清チキンラーメンにインスパイアされたとしか思えないほどに、チキンラーメンのスープそのものでした。子供の頃「汁全部飲むな」ってよく怒られたなあ。今回は全部飲んだけど。でももうこのあたりで完全に腹9.5分目。メイン料理があと2皿か・・・。

メルルーサのグリル、カレーとココナッツのソース、マテ貝のクランキー。メルルーサはバスク料理には欠かせない魚だそうです。バスクの食材を、タイカレー風のソースで食べる、というアレンジで、ヨーロッパ人には「新しい!」って受けるんでしょうけど、正直なところわざわざ16時間もかけてここまで来たのにグリーンカレーのソースかー、という感じでした。普通に美味しいんですけどね。魚の火入れの具合とか素晴らしかったです。でもね、もうほんとお腹いっぱいではちきれそう。っていうか吐きそう。

鳩の炭火焼き、エンダイブとオリーブのソース。これもまた火入れの具合が完璧でした。肉汁がパンパンに閉じ込められており、鳩ってこんなに美味しいの、って感じでした。でも、もう限界食べられない、ということで泣く泣く半分残してしまいました。く、悔しい・・・。なぜ、昼にピンチョスなど食べてしまったのか・・・。

デザート1皿目。レモンアイス、バジルジュース、青豆とアーモンドのソース。

レモンに見えるのは、砂糖で作った球体。これをカンカンと割ると中からシャーベットがHola。超サッパリで救われました。これならいける。もう腹12分目だけど。これが別腹というやつですか。

デザート二皿目。アーモンドで作った蜂の巣風のパウンドケーキのようなもの。こういう固形は無理。一口でパスしました。

食後酒と食後のコーヒーとミニャルディーズでご馳走様。もう、限界。こんなに疲弊したディナーは初めてです。

お会計は、二人で630ユーロ(=82,000円)。一人225のコースに50ドルのワインとシャンパンが多分15ユーロx2くらい。税・サそれぞれ10%だとすると、まあこんなもんでしょう。でもちょっと料理のコース225ユーロは高いかなあ。

所感:
・グランメゾンで相当食べ込んでいる人や、自分でとことん料理をする人向け。独創的、芸術的、という観点であれば素晴らしい。でも必ずしもミシュラン三ツ星=一番美味しい、ではないことを改めて実感。
・単に美味しいものが食べたいということであれば、必ずしも三ツ星レストランにこだわる必要なし。ここでしか食べられない変わった調理法や、新しい閃きのような、「美味しい+α」を求める人であれば225ユーロのコースも経験という名の「資産」にできる。そうでなければ、単に高い「食費」になる。
・普段美味しいレストランに行くと「これ真似してみたい」「家で再現しよう」と思うのに、不思議とそう思わなかった。不味かったわけではないのに。ていうか普通に美味しかったのに。多分、もっと直感的に美味しいと思える素材感みたいなものが好きなのかも知れない(別記事のバル巡りでそれを再認識)。
・飛行機2本とバスとタクシーを乗り継いでやってきたのに「アジアをオマージュしたぜ」みたいなグリーンカレーとかチキンラーメンみたいな料理が出てくるとちょっと萎える。ここで食わなくていいや。
・調理技術そのものは多分高い。メインのメルルーサのグリルと、鳩の炭火焼きの火入れの具合は最高。
・とにかく量が多いので、昼は抜きで。もしくはランチで。

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Naoto

デジタル一眼とドローンとGoProを携えて旅に出ます。エネルギー資源はないけど観光資源だらけの日本を支える産業としてのツーリズムに関心あります。Ironmanレース完走。ワインエキスパート取得。でも本当に好きなのは日本酒。好きな寿司ネタは鮪とイカ。テキサス州ヒューストン在住。

はじめてのバスク旅のすすめ

バスクの旅(San Sebastian、Saint Jean du Luz、Biarritz)に行ってきました。あまりに日本語情報が少ないので、バスクの旅を検討されている方のために今回得た情報、感想を纏めておきます。
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