見出し画像

#清流の国から2017夏③ − 清流だけじゃない、白川町のいろんな魅力

一ヶ月も暮らす予定だというのに、白川町のことをほとんど何も知らずに、やってきた。まあ一応、今回滞在している家の利用許可が出たときにちょこっとは調べたので、白川町は緑茶と檜の産地らしい、川がたくさん流れているらしい、くらいの認識はあった。

それくらいしか、知らなかった。

到着早々、地産の檜を使った工芸品の売り場で出会ってしまった、お櫃。お櫃にはずっと憧れていながら、宝の持ち腐れになりそうで買いとどまっていたのだけど、「このタイミングと巡り合わせ、いま買わなくていつ買うんだ!」と奮起して買ってしまった。いい香りと冷めたごはんの美味しさに毎日うっとり。これはいい買いものをした。


白川町は、大豆の生産も盛んだった。

滞在している家には小さな畑スペースがあり、そこは(普段空き家なので)なにも植わっていないのだけど、そのすぐ先は(他所の)大豆畑。家の隣も、大豆畑。近所を散歩していても、あちこちに大豆畑。

近所に豆腐屋さんがあって、そこでは「白川産大豆100%のとうふ」を作っている。営業時間は朝9時から午後2時まで。昼頃行くともうラインアップが揃っていなかったりもするけれど、木綿豆腐、厚揚げ、油揚げ、ゆば、寄せ豆腐などその時にあるものをモリモリ買って帰る。夫婦揃って豆腐大好きなので、一日一丁くらいのペースでモリモリ食べる。スーパーや産直までは車で40分くらいかかるけれど、豆腐屋さんは車で10分かからない。在庫を気にせずモリモリ食べる。

今年の春にできたらしい併設のカフェで毎日数量限定で提供されている、豆腐をとろろに仕立てた胡麻だれ蕎麦が、とても美味しかった。さらになんと、午後1時までは飲みものを頼むとモーニングセット(フレンチトーストをメインに、付け合わせで厚揚げと野菜の炒め物・おからサラダ・冷や奴・ナポリタンなどが付いてくる、さらに豆乳プリンまで)がサービスで付いてくるという大盤振る舞いなメニューも。さすが中部地方…。

豆腐を買いに行くついでに、親は蕎麦、子どもたちはモーニングセット、というのが定番パターンになった。


田んぼに水を張ったように見えるのは、錦鯉の養殖だった。

大豆畑の次に目につくのは、田んぼに水を張ったような四角い区画。近づいてみると、錦鯉がたくさん泳いでいた。ある日、子どもたちと公園で遊んでいると、プールのような大きさの水槽に鯉を移している方がいた。子どもたちが近づいていったら快く手招きしてくださって、網の中でピチピチ跳ねる鯉を触らせていただいた。山や谷から流れてくる清水で育てられた白川町の錦鯉は、紅色の発色がよいとのことで、昭和30年代から続いているという。


どの家も野菜を自家栽培してる。

田舎あるあるなんだろうけど、東京と横浜育ちの我が家族にとっては、とても新鮮でめちゃくちゃ嬉しい、お裾分け。お隣さんに初めて挨拶したときに「茄子とか、食べられるなら持ってくるけど」と言われて「食べます!」と答えたらバケツいっぱいに夏野菜を詰め合わせて持ってきてくれて、後日そのバケツを返しにいく途中道ばたで会ったおばあちゃん(初対面)に開口一番「ピーマン、食べる?」と聞かれて「食べます!」と言ったらビニール袋いっぱいのピーマン、さらにピーマン味噌なる自家製の薬味(っていうのかな)をもらい、川遊びに行く途中で畑仕事をしているおばあちゃん(初対面)に挨拶したら開口一番「きゅうり、要る?」と聞かれて「食べます!」と答えたはいいけど(いまから川に行くんだった、どうしよう)と思っていると「あとでそこに置いておくから、帰りに持ってって」とお裾分けスキルの高さを見せつけられ(しかも茗荷もどっさり入ってた)。土曜日に朝寝坊して玄関の戸を開けたらバケツいっぱいの朝どれ野菜が置いてあったこともあった。

大量の茄子、大量のピーマン、大量のきゅうり、大量の南蛮を、せっせせっせと食卓に出す。楽しい。しかも、こんなにいっぱいどうすんのなんて最初は思うんだけど、東京での生活とちがって、毎日三食、夫も一緒に食べるので、思ったよりちゃんとドンドン減っていく。

おかげで今年の夏は、いっぱい野菜食べた! しかも家計に優しい! お裾分け最高!


そして極めつけのお裾分けは、鮎…!

8月27日の日曜日、川遊びにむかう車のなかで、いつもより黒いウェットスーツを着ている男性(しかも複数人のグループ)が多いなあと、気になってはいた。シュノーケリング、かなぁ? 川で…?? などと夫と話していたのだが。

夕方になって、近所のおじさんが車でやってきて、鮎を5尾くれた。この日が鮎の網漁の解禁日だったそうで、それでみなさんこぞって川に出ていた、ということらしかった。なるほど、そういうことだったのか。このおじさんも、お友達と4-5人で漁に行って、200尾くらい捕れた、とのこと。

川沿いに鮎釣りの幟が立っているし、釣れるんだろうということは分かっていたけど、釣りの道具も持っていないし、スーパーなんかでは逆にあんまり売ってないし、ここに一ヶ月もいて鮎食べないで帰るのかなあなんて思っていたところだったから、嬉しかった。塩焼きにして、美味しくいただきました。


詰まるところ、白川町、めちゃくちゃいいところ!

野菜に、大豆に、川魚まで、美味しいものがいっぱいあるし。山、森、川、と自然がいっぱい。住んでいる人たちも、気のいい人ばかり。気温がそこそこ高い日(32-34℃とか)でも、そんなにしんどくないのは空気が爽やかだからかな。わたしは超暑がり汗っかきだけど、覚えている限りの日本の夏で今年が一番快適だった!

また来たい。でも他の場所にも住んでみたい。来年の春頃、かなり悩みそう。

Instagram : #清流の国から2017夏


*——————————*
この記事を含むマガジン
8月は日本のどこかで田舎暮らし
*——————————*

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?