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カサカサ・コロコロ便秘には、しっとりオイルを体内へプラス

便秘といえばのイメージ代表「カサカサお通じ」。

痩せ型でほっそりとしたモデル体型の女性を問診していると、必ずといっていいほど「生まれてこのかたずっと、カサカサお通じ」と言われます。

カサカサお通じとは、

・するっとでない

・コロコロした便、または細くて小さい便がこまぎれに出る

みたいなお通じのこと。負担をかけるので、痔に悩む方もいます。

「カサカサお通じが当たり前」そんなスッキリしない人生なんて、お酒が飲めない人生よりも、鯖を食べられない人生よりも、というかそういうことと比べるまでもなくちょっと辛すぎます。

でも、それしか知らないと、それがお通じというものだと思ってしまうんですね。

「カサカサお通じ」タイプの方は、アーユルヴェーダのドーシャでは「風」のエネルギーが強いヴァータ優勢の体質の方が多いです。「移動・運搬」など何かを運ぶ力を司るヴァータエネルギーが優勢な方は、

生来痩せ型で華奢な体形・冷えやすい・胃腸の調子が変わりやすい・食欲にムラがある・お腹にガスが溜まりやすく、便秘しやすい・動作は素早く、物事をてきぱきとこなす・素早く新しい事を理解するが、忘れるのも早い

などの身体的特徴を持ちます。好奇心が旺盛で、コミュニケーション上手で、このタイプの方が場にいるだけでその場が盛り上がる、お話し上手な方(感受性の高さが逆効果を発揮して人見知りになることも)。

人の倍動いているということは、それだけエネルギーを消費し易く、気づいた時にはへとへとに。もともと多い風のエネルギーを、自ら移動しまくり、動きまくることでさらに増やして、体が深部まで乾燥して、冷えがちです。

日本の首都圏在住の女性では、思い当たる方が多いのではないでしょうか?

一方、便はどのように形成されるかというと、

・十分な食事

・十分な水分

・十分な油分

が足りているとき、というのは、現代医学的にも指摘されていることで、オリーブオイルを筆頭にした様々なオイル美容はこの観点からいっても理にかなっていると言えます。

そして、アーユルヴェーダは「引き算の医学」。

ヴァータ(風)が増えすぎてカサカサしているなら、その乾燥を鎮めるために、乾燥と逆の「しっとりしたもの」を取り入れます。それが油性です。

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アーユルヴェーダで乾燥・冷えなどが特徴的なヴァータ体質におすすめとされるのは「太白ゴマ油」。ただ、太白ゴマ油は体を温める性質を持つものの、消化に重いという特徴があり、アーユルヴェーダではあまり食用として使われません。代わりにアビヤンガといって、オイルマッサージによく活用されます。この話はまた別の記事で...

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そこでおすすめしたいのが「ギー」。

ギーは国内でもすっかりメジャーになった「"スーパー"オイル」ですが、アーユルヴェーダでははるか太古の昔から大切にされてきた「純正のオイル」です。無塩バターを温め、タンパク質と水分を飛ばしたもので、

・消化に良い

・エネルギー代謝が早い

・酸化しにくく、太りにくい

などなど様々なメリットがあり、その味は甘くコクがあり、バターよりもおいしいです。

比較的どの体質にも向いていて、栄養価が高いので、疲れ易く乾燥しやすいヴァータ体質の腸内からうるおし、カサカサしたお通じをしっとりとしてするっとでるお通じに形成するのをサポートしてくれますよ。

使い方はとっても簡単で、

・温めてオリーブオイルのようにパンにつけて食べる

・スープやお味噌汁にひとさじたらす

・野菜炒めの時などに使う

といったように、普通のバターのように使ってOKです。


ギーは「気になって買ってみたものの使い方がわからなくて放置している」という方がとても多いので、上記のようにオリーブオイルやバター感覚で使うと身近になりやすいです。

オメガ3のオイルなどを飲用するのもよいのですが、まずいなあ、、と思いながら我慢して飲むより、ギーの方がおすすめです。

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また、果物だけど良質な油分を含んでいるのが「レーズン」。

寝る前に、白湯にレーズンを20粒ほど浸し、翌朝レーズンごといただくと、カサカサお通じの便秘改善にとっても有効です。飲むとき、白湯だけ温めて直しても良いでしょう。

それから、そもそも食欲にムラがあることが十分な便が形成されない原因になっている可能性も。

カサカサ便秘な上に、なんとなく気分によっては食べたい・食べたくないがある、という場合はアーユルヴェーダで最もスタンダードな食事法「食前の生姜」がおすすめです。 

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用意するものは、

・生の生姜一切れ

・岩塩ひとつまみ

・レモン汁

これだけ。食事の前に、生姜スライス一枚に岩塩をふり、レモン汁を絞ったものをいただきます。

これは、米と水を入れたお鍋をおいたガス台で、火をつけるような行為。

消化促進を行い、これから胃腸内に入ってくる食事が消化しやすいように、細くなったりゆらいだししがちな消化の火を燃え易くするための食事法です。

特に理由もないのに食欲がなかった人も食欲がわいてきて、普通の量が食べられるようになるので、

・病み上がりだけど食べて元気を出したい時

・消化不良を起こしている時

・代謝を良くし、ダイエットをしたい時

にもおすすめの美容食です。

注意点は「作り置きをしない」こと。ちょっと面倒ですが、アーユルヴェーダはなんでも「出来立てを重んじる」ので、ガリのように作り置きにせず、都度作るようにしてくださいね。

このように、ヴァータ性のカサカサ便秘には「オイルを体内に取り込み腸からうるおす」ことや「消化の火をサポートする」がおすすめですが、何よりも大切なのは、

落ち着いた時間を取り戻すこと

もともとヴァータが優勢でなくても、

・都内で毎日忙しく働いていて、オフもイベントなどでスケジュールが詰め詰めの方

・朝から家族の食事、子供の支度、家事に自分の仕事の準備にと忙しいワーキングママ

などなど、現代人は息つく時間がない毎日を送っている方が多いですね。

起きた時から緊張が続いていて、呼吸が浅くなってしまっては、元々がどんな体質でも風の流れが入り乱れてしまい、便が正常に運搬されず、朝からすっきりお通じを出すことができませんね。

そういう方は、5分で良いので、なんとか落ち着いて呼吸だけをして、少し目をつむる時間を持ってみましょう。

がんばって瞑想までしなくても良いので、頭をからっぽにして、猫をなでてみたり、育てている植物を眺めてみたり、音楽に耳を傾けてみたり。

そんなとき手元にあったらいいのは、白湯。

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刺激の強いコーヒーや、何かしら成分を含んだお茶よりも、消化に負担をかけず、起きたばかりの体温の低い体を内部から温めてくれます。

ゆっくりと白湯をすすり、深呼吸したら、すっきりとしたお通じが出て気持ちの良い1日をはじめることができるかもしれないですね。



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