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ビジネス出張記067 : 韓国 (会社支給)

1. 愚痴

 全世界で事業を展開する、ヨーロッパの大きな会社から派遣された大男は、この会社の仕事を何年働いてもこのメモ帳しかくれないと嘆いていた。巨体が持つとより一層小さく見える、メモ帳を片手に嘆いていた。

2. 韓国企業

 その一方、韓国企業の会社支給は至れり尽くせりである。当然支給される作業服から始まり、社内の自動販売機で飲む紙コップまで自社のブランドロゴを印刷しているのも珍しくない。たまたま、韓国企業の社員の結婚式の日に遭遇した事もあるが、わざわざ会社に集まり、会社からバスを出してお祝いに行っていた。日本より転職率の高い韓国では、会社の福利厚生が一つの評価ポイントである事が背景のようだが、日本も一昔前はそうだったのだろうか。個人的に魅力は感じないが、興味深さを感じた。

3. お土産

 目敏くこの習慣を見抜いた大男は、訪問先の韓国企業にお土産を何か貰えないかと交渉していた。交渉は見事に成立し、会社のロゴ入りのキャップを貰っていた。私の分も準備してくれ、2個持ってきたが、こんな悪趣味な物は要らないので、私の分も譲った。当時、彼はてっきりお世辞で喜んでいるのかと思っていた。しかしながら、心底喜んでいたようであった。キャップ入手後の出張には、必ずキャップをかぶって行っており、エジプトや今回の韓国出張にもイギリスの空港からずっとかぶっていたそうである。もう一個のキャップも、髪の毛が薄くなり頭が冷える同僚にあげたそうで、彼もまた偶然韓国に出張中だと言っていた。この二人がキャップをかぶって世界中を駆け回り、歩く広告塔として活躍し続けると、十二分の投資価値があったと言える。

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