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チガサキ⊿ライフ214 : やすり

1. 塗替え

 年末に、リビングに置くアンティークのテーブルの色を変えると、妻が言い出した。自分でやるのかと思いきや、紙やすりを買って来いと言われ、息子と二人で近所のホームセンターに買い出しに行く事となった。紙やすりは、目が粗い順に30番、40、60、80、100、120、150、180、240番と、数字が大きくなるに従って目が細かくなっている。番手を選ぶ目安としては、100番以下が粗削りや表面の汚れを削る用途で、200番までは粗削り後の調整、200番から400番で仕上げ、さらに滑らかさを出すためには400番以上のものだそうだ。

2. やる気

 最初はホームセンターに嫌々ついてきた息子だが、紙やすりを選んでいるうちにやる気スイッチが入った。紙やすりの粗さを品定めし、家に帰ると妻と息子の二人で、軍手をはめて必死にテーブルをこすっていた。一度やりだすとしつこい二人は、夕飯の支度もせずにこすり続け、紙やすりを購入したその日のうちに完成した。

3. 作品

 やすりで削ることの楽しさは理解できないが、娘も嫌いではないようだ。木の板を削って葉っぱを製作する美術の課題で、わざわざ家に持って帰ってきてまで削り続けていた。葉の凹凸まで表現され、透け部分まである徹底ぶりに親子のつながりを感じた。

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