日常生活

ドラッグストアに行った。
唇が乾燥するからリップが欲しかった。
店員さんに場所を聞いたところ、リップのコーナーに案内してくれた。
上段にはお洒落な色の、様々な香りがするリップが置かれていた。
僕は一番下段に平積みされていた198円のメンソレータムリップをほぼ迷わず選んだ。
しかし、上段のリップを買った方が生活に彩りが出て、豊かなものになるだろうという予感も確かにあったのだ。
迷うことすらできなかった自分の精神性に幼稚ささえ覚える。最近ようやく自分に自我が芽生えてきた感覚がある。自分の好き嫌いが把握できていない。何が好きで何が嫌いかすら考えもしない人生だったからだ。条件反射のみで生きる様はさながら犬や猫、乳幼児でしかない。最も安い小学生の頃から使っていたメンソレータムを習慣的に買うことで、自分で考えることを放棄して生きてきた。そして、経済力は自由の1つだとも後から理解した。

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