丸い瞳の奥に

窓から見える景色は一体どこまで続いているのか、ベランダから見える道路を走り抜ける車がどこへ行くのか私は知らない。
朝、私の頭を撫でた家人はドアの向こうに消えていって、暗くなって私が寂しくなった時にドアが開いて戻ってくる。
それは知っているんだ。でも、一体どこへ行っていたのだろう。

私は今日、初めてそれを知った。

私が見ていた世界には続きがあったんだ。みんな居なくなったと思ってた。
サヨナラした全てはきっとまた帰ってくるんだ。

外の世界をフォーカスするその猫の目は何よりも丸かった。

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