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でかい建造物は肴になるんやで 〜岩国旅後半戦〜

岩国城に行けなくなった悔しさをぶつけるが如く、昼食は豪華にしてやろうと名物・岩国寿司を食す。
岩国寿司はいわゆる押し寿司の一種。江戸時代に吉川公に献上して喜ばれたという言い伝えから「殿様寿司」とも呼ばれるらしい。チシャの葉で何重にもすし飯と具材を重ねて大量に作り、四角に切って供される。

訪れたのはこちら。


蓮根のはさみ揚げもうまい


岩国寿司は押し寿司なので、見た目に反してどっしりと重量級。
酢が利いているのと、特産のれんこんのシャキシャキした食感が良い。
刺身こんにゃくを酢味噌で食べるというのが意外に美味しかった。

このお店を選んだのはもちろん寿司が食べたかったからだが、それに加えてもう一つ目玉があった。


/ ババーン \


こちら!
どうです、この眺め! 凄いでしょ〜、お客さん!!

錦帯橋のすぐ隣という立地を活かし、どでかい一枚窓で魅せる。食事に来た客は好きなだけ食べながら橋を眺めることができるということだ。

幸運なことに途中まで一人きりだったので、好きなだけ眺める事ができた。
何度見ても造形美、曲線美にため息が出る。いくらでも眺めていられる。
これ、酒が飲めるな……。橋って酒の肴になるねんな……。

新たな境地に目覚めてしまった。

抜群のロケーションは名残惜しいが予定が迫っている。
次に訪れたのは『ひらせい』とは対岸にある『酒井酒造美術館・五橋文庫』

地元酒造の酒井酒造の私設美術館で、こちらでは気軽に篆刻が体験できる(要予約)。
そういや学校の書道の授業でやったな〜、なんか面白かったような気がするし、時間あるし、行ってみっか! 脊髄反射が信条である。


石を固定して削っていく

1.5cm角の石に二文字、講師の方が予め転記してくれているものに従ってガリガリするだけの簡単なお仕事……
なわけあるか!
ちゃんとムズいわ!!

そんなに小さくはないが大きくもない石に、1mmもない太さで書かれた線を小刀で削っていく。当然石なので硬いが、あまり力を入れると割れかねないし、かと言って弱すぎるとまた削れない。油断すると刃が滑りそうで怖い。
アレおかしいな、先生はあんなに簡単そうにガリガリしてたのに、な……?
1時間以上、マンツーマンで先生に見守れながら(若干気まずい)奮闘したが、なんとか無事終わってホッとした。もちろん先生の手直し付き。

途中で別の職員の人も戻ってきて、過疎っているが故に色々とお話をしてもらった。
篆刻に使われる石材というものは100%中国産で、日本では見つかっていない。もし日本で使える石が発見されたら、篆刻史における革命だとかなんとか。こんな小さい石にそんな深い事情が……。
使用の際は普通の朱肉ではなく、印泥と言われるよりきめ細かいものを使うらしい。
実際に試し押しをさせてもらったが、これがなんだか非常に愛らしく、とても気に入った。現実的に使用する機会は少なさそうだが、いつか何かの折のために大事に大事に取っておきたい……。存在を忘れないように……。


酒井酒造美術館・五橋文庫(こじんまり)


水面に映る錦帯橋
美しか〜〜〜


岩国はれんこんが特産ということなので、れんこんチップスを土産に購入。
一般的なれんこんと違い、9つ穴があるのが特徴。これまた吉川公の家紋に似ていたことから喜ばれたという逸話が残っている。
そして、ういろう。

え? ういろうって名古屋名物では?
そう思った貴方、山口では射殺されるので要注意だ。何を隠そう、少し前のワタクシである。

詳しい話はこちらの書を紐解いていただきたいのだが、名古屋のういろうは原材料が米粉、山口はわらび粉を使うとのことで、初手から大きく違う。食感もかなり繊細でお上品。そして賞味期限が短い。今回初めて食べたが、とても美味しかったのでおすすめ。
山口出身作家、カレー沢薫様に感謝。

岩国観光、これにてオシマイ。
明日は宮島に行くので電車移動、廿日市にて宿泊。最寄り駅からホテルまでのバスがあるのを知らず20分程度えっちらおっちら歩き、ラーメン食べてお風呂入って、約13,000歩。
思ったほど歩いていなかったが、ちかれた〜〜おやすみ〜〜! また明日!


ちょっと風変わり、コンソメスープの細麺

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