四日目　日光から鬼怒川温泉へ
チェックアウト前、早朝の周辺をうろつく。予報だと雨が降るかもしれない、という微妙な空模様……。相変わらずの徳のなさ。

戦後間もなく誕生して以来、栃木県民に愛されたあま〜いレモン牛乳。
一度製造元の廃業で絶えたものの惜しむ声の多さに復活したらしい。
ものは試しに購入してみたが、まぁ普通に甘い牛乳。レモン……？
こうしたものはやはり、地元民の愛情が最高のスパイスというやつなのだろう。観光客には難しい。

日光と鬼怒川温泉は距離的には近いが、電車で行くとなると少々不便を感じたのでここも車で向かうことに。そうするとわずか30分ほどで着いてしまうので、観光がてら鬼怒川温泉の外湯へ。

向かったのは鬼怒川仁王尊プラザ。
浴槽が色々とあって湯の質も良さそうだし、と思ったのだが。

★★☆☆☆　って感じかな……。
確かに複数のお風呂や釣り堀なんかもあって面白いだろうし掃除もちゃんとされているが、ちょっと生理的に敬遠したい気が。
自分は潔癖症ではないし部屋の掃除も不得意で普段はサボりがちなくらいだが、浴槽に関してのみ少々うるさい。「綺麗になるためにお風呂に入るのに、肝心のお風呂が汚いってどういうこっちゃねんな」と思ってしまうのである。
露天だからかお湯の温度がぬるいことも残念。あと風呂と風呂が離れているのでいちいち服を着て移動しなければならないのが面倒。他の客がいなくて閑散としていたのも一因かもしれない。

鬼怒川温泉は日光のすぐ近くだし歴史も古く、由緒ある温泉街でありながら、高度経済成長期と続くバブル崩壊の煽りを思いっきり受けたであろう、盛衰の有り様が生々しい。
経営者が破産して夜逃げし、それゆえ取り壊しも出来ない廃墟群などはむしろそっちの意味で有名になるほどらしい。
大型バスで大量に運び込まれ、温泉に宴会に土産購入をして、またバスで帰る。そんな一昔に多かった旅の気配がプンプンする仁王尊プラザであった。
バブル弾けて兵どもが夢の跡、か……。嗚呼、諸行無常。

気を取り直してのんびり観光を続ける。

どことなくうら寂しい感じのする鬼怒川温泉だが、多分寒々した冬の季節だからというのもあるだろう。これが新緑あふれるGWあたりならまた印象も違っていた、ハズ。
ぽつぽつと雨も降ったりで少々しょんぼりしていたが、鬼怒川温泉駅までたどり着いて驚きの出会いがあった。

SLだァ〜〜〜〜〜〜〜！！！（大歓喜

なんと東武鉄道の鬼怒川線、下今市駅〜鬼怒川温泉駅を走っているのだ。鬼怒川温泉駅で転車台に乗るらしい。
断っておくが自分は鉄ちゃんではまったくない。
詳しいわけでもないし、それを目的に旅したりはしない。ドクターイエローだとか有名どころの名前を多少知っているくらいか。

でも蒸気機関車は別だよ。

SL大樹が転車台に乗って方向転換するまで少々時間があったのだが、友人にわがままを言って寒空で粘った。
休みのときなどは撮り鉄であふれかえるらしいが幸運なことにその日はさほど混雑もしておらず、最前線でチビッコ達と一緒に並んで熱視線を送った。機関士さんに手も振ってもらった。
ゴツい！　黒い！　カッコいい〜〜〜！！

ちょっと失敗したが動画も撮れたので是非↓↓↓

その日の宿は民宿といった感じの素朴な宿だったが、食べきれないほどのごちそうが出たしお風呂も良かったので、前半のしょんぼりを十分取り返した感じで満足。

満腹に唸りながら、最後の夜は更けていったのであった。

……その夜は何やら寝言で暴言を吐いていたらしい。朝起きて言われたのだが、当然ながら全く記憶にない。
イビキじゃなくて良かったと言うべきか……。ごめんね〜？

宿をチェックアウト後、鬼怒川温泉駅でレンタカーを返却。
最後の足湯を堪能したのち、電車で東京駅まで向かう。

鬼怒川温泉駅から大体２時間半ほどで東京駅に到着。人の多さに、とうとう下界に戻ってきてしまったのだとじんわり実感した。
今回の旅はこれでオシマイ。
友人もリフレッシュが出来たようで良かったと思う。貴重な友情。いつまでもこのプー太郎と仲良くして欲しい。
でも次はもうちょっといい気候の時に行きましょうネ……。

関東、栃木は初めての訪問。
馴染みがなくて面白いものを沢山見たが、まだまだ、全然見足りない。
前回の鹿児島旅行でも似たようなことを考えた気がする。つまり一度にてんこ盛りすぎなのだろう（笑
また是非訪れたい。特に日光。秘湯と名高い奥鬼怒温泉に行ってみるのも面白そうだ。たどり着くまでが非常に苦労しそうだが、誰か付き合ってくれるかな……？

長くなりましたが旅行記、無事終了でぃす！！