不気味の谷を越えて ライオンキングを鑑賞して感じること。

ライオンキングを鑑賞。言わずと知れた不朽の名作の実写?版。予告編からリアルなライオンが動く様に大作の予感を感じて鑑賞

圧巻のオープニング

ライオンキングといえば、の”Life of circle”の冒頭の音楽パートは圧巻。原作の忠実な壮大なシーンを再現している。サバンナに満ちた自然と王の元に参上する動物たち。最後にドンッ、と登場するタイトルは若干のミュージカルらしさ。この部分をみるだけでも映画の鑑賞をする価値があるだろう。ちょうどセリフのないパートというのも素直に鑑賞できるポイントかも知れない。

リアルな動物が喋るという不思議さ

さてさて、この映画、「超実写版」という触れ込みで公開されているわけだが、冒頭の1ショットを除きフルCGとのこと。それでいて実写というのもなんだか変な話だが、確かに「実写」なのである。普通に「これはサバンナで頑張って動物を動かして撮りました」と言われれば納得するくらいの現実を超えたリアルさである。つまり、全くデフォルメがない。セリフを話している時も全く、人間らしく唇や口を動かす、なんてことがない。うわーマジでリアルだわ。。と思いながら映画の鑑賞は進む。

リアリティは重要?

ライオンキングの面白さといえば、テンポの良い展開と善悪の衝突と、時折挟まるミュージカル調のシーンである。

正直、リアル「ライオンキング」よりも原作の方がこの点は優っていると思う。動きがリアルな分、デフォルメされた表情や動きのテンポの良さには勝てないのだ。だから、何となく乗り切れないままに、実写化するとこういう感じね、というシーンを見ている気分にさせられる。リアルライオンキングを見るゆえに、アニメの良さってこういうところだよねと再確認するわけであった。原作を知らない人が、ナショナルジオグラフィック的な鑑賞は良いとしても、この作品を好きになるだろうか。。と。

不気味の谷はとっくに越えている

あまりにリアルすぎる内容に「不気味の谷を思わせる」という記事も。

不気味の谷とは本来、より精巧に描かれる人間の創作像に返ってnegativeな感情が芽生えるという理論で、AIやアンドロイドに関して良く議題に上がる。

そういう点ではそもそも人間でないので、何とも、ではあるが、リアルライオンキングは不気味の谷をとっくに越えている感がある。つまり、綺麗で自然なサバンナで起きている一つの物語として、あるいはこれが近所の猫の様子を描いて作られるようなショートムービーに書き起こされることがあれば、抵抗なく受け入れられるのである。というよりは実写との判別はもはや不可能である。

ともあれ、今後こんな精細なCGが生きる作品とは何なのだろうか。現実の人間社会を(近未来などではなく)描くことに使われればどうなるのだろうか。楽しみだ。



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