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脅威の格安ディスプレイオーディオ?「VVCAR MC3」とAndroid Auto


・はじめに


カーナビが古い。
現在使っているカーナビはKENWOOD MDV-727DTという、フルセグチューナー内蔵が一般化した時のものだが、流石にナビゲーションのマップデータが古い。それ以外はフルセグだしBluetoothにも対応しているし問題ないのだけれど。マップのデータ更新も2017年には終了している。

まあナビが古くても、だいたいの場所にいければなんとかなる……とか思ってはいたけれど、趣味の車中泊に行くにも新しい場所の場合はちと困る。だいたい札幌最大の墓場、真駒内滝野霊園に名物のモアイ像を観に行こうとしても、ナビの指示だけだと近くのペット霊園に連れて行かれて砂利道を走らされるのだ。

そんなこんなで「道の駅おとふけ なつぞらのふる里」とかの新しい場所に行く時は、前に使っていたスマホ(AQUOS sence3)にデータSIMつっこんでナビとして使っていたのだけれど、ナビとして使うには少し画面サイズも小さく、手元から離れた位置で使うにはスマホでは操作性が悪いのだ。

……さて、どうしたものか?

まあ、コレでも問題ないと言えばないのだけど


・ディスプレイオーディオ


一番良いのはカーナビの買い替えなのだけど、正直、今の国産カーナビはコスパの点で購入候補には入らない。だいたいトヨタが標準装備をカーナビからディスプレイオーディオに変えている時代なのだ。

国産ディスプレイオーディオという手もある。だが、国産メーカーはディスプレイオーディオに力を入れている感じがないのも事実(そりゃナビ売れなくなるし)。コスト的には中国製と変わらない程度まで下げているのだけど、今だに通信が有線だったりするのだ。

そんな状態なので中国製ディスプレイオーディオの購入を決めた。MDV-727DTのナビ以外の機能に問題はないので外付け一択で検討。


・技適問題と購入候補


さて、皆様お待ちかねの技適の問題である。Bluetoothの通信、送受信を使うからには通信機器である。日本国内で通信機器を使うためにはほとんどの場合で総務省による技術基準適合証明、いわゆる技適を取って技適マークを表示した機器である必要がある。

正直いうとAmazonで販売している多くの通信機器には技適マークがない(国産カメラや一部のパソコンのように内部装置単体で技適を取っている場合、その部品単位で表示したり、BIOSで表示したり、謎だったりの場合もある)。イヤホン類についてはSoundpeatsあたりが技適を取ってから追従して技適マークをつけだしたが、ゲームコントローラーなどでは多くが販売サイトに技適マークがない。

そこで技適の記述のあるディスプレイオーディオを探すのだが、やはり数が少ない。売れていて評価の高いメーカーなども色々調べたが、レビューサイトに「技適マークがない」と書かれていたり、レビュー動画で本体や箱や取説を見ても技適マークがない商品が多い。

※ 技適マークのない商品を使うのは……。Bluetoothくらいの電波で実際に問題があるかとか、そもそもBluetoothユニットなんて皆量産していて技適の基準内だろうという考えもある。違反で大事になるという話も聞いたコトはないし。でも、電波法違反ではあるし、スピード違反みたいな……いやそれも(笑)

そんな中で候補に残ったのがSpedal CL860L、Spedal CL797L、VVCAR MC3。ナビは残すので、後付けで視界を遮らないサイズとなると7インチか横長モニターとなる。このため一般的な9インチの商品は技適を取っていても候補から外した。

◆Spedal CL860L
横長10.26インチモニターの無線Android Auto対応機種でフロント用2Kカメラを内蔵、1080Pバックカメラも付属のドラレコ+ディスプレイオーディオ。まさに全部入り。もちろんミラーリングも有り。

◆Spedal CL797L
7インチモニターの無線Android Auto対応機種。1080Pバックカメラは付属するが後方確認用でドラレコ機能は無し、ミラーリング有り。車への接地用ホルダーが粘着式と吸盤式の2種類選べる。

◆VVCAR MC3
7インチモニターの無線Android Auto対応機種。バックカメラは付属しないがカメラの接続は可能(連絡)。ミラーリング無し。音について内蔵スピーカー、3.5mmジャックの記載はあるがBluetoothについては記載無し。ホルダーは粘着式ホルダーのみ。

※ 記載については記事作成時のAmazonの販売ページの内容のもの。


・コスパ最強のVVCAR MC3


さて、Amazonでの記事作成時の価格は上から19K、13.8K、12.9K(円)となっていた。しかし購入時はSpedal CL860Lが10%クーポン、Spedal CL797Lが5%クーポン、VVCAR MC3が4000円クーポンとなっており、VVCAR MC3が実質破格の8.9Kとなっていた。安すぎない?

ミラーリング無しは残念だが、現在使用しているPixel7aがミラーリング機能なしのためコレは別にいい(Googleが完全に標準キャスト主体に移行しているためと思われる)。音声にBluetooth出力の表記がないが、スマホの仕様上Bluetooth音声出力が出来ないとは思えない……

ホルダーについては元々吸盤式のマグネットホルダーを持っていて、それを使うつもりだったので問題なし。標準の接続穴をふさぐ形になるけど、専用の鉄板を張り付ければ良い……

バックカメラは現状でカーナビとバックミラーでふたつついているからいらない。

……という理由、そしてとにかく圧倒的な安さによりVVCAR MC3をポチった。


・VVCAR MC3 開封


VVCAR MC3が到着したので動かしてみる。今回はエコ梱包なので商品の箱だけで送られてきたのだけど、やはり電子機器だと不安。箱の形状的に少しヨレヨレ(笑)

バーコード下の商品名に「新品」って書いてあると逆に不安(笑)

内容物はMC3本体、日本語取説、カーチャージャー(シガープラグ12V⇒5V3A・USB-Cケーブル)、3.5mmオーディオケーブル、粘着式シリコーンホルダー。

内容物。プラグのケーブルがTYPE-Cなのはありがたい。3Aなので別の電源を使う時は注意
本体上部に技適マークのシールがやや斜めに。あとは電源SW
本体下部に電源用USB TYPE-C、バックカメラ用AV入力
音楽・動画用MicroSD、3.5mmAUX音声出力


まだ北海道は寒いので、テストは室内で。電源は以前記事にしたポータブル電源ECOFLOW RIVER Proを使う。ポタ電は12Vカー用品が室内で使えるのも便利だ。

VVCAR MC3の取説は日本語は結構しっかりしているが、オーディオにBluetoothの記述があったりミラーリングの記述があったり……

さてどうなるか。
液晶はIPS1024×600。写真ヘタで汚く見えるがとても綺麗
電源ランプがついているのは地味にありがたい


・VVCAR MC3 接続


電源ON。瞬間的に映る車っぽいグラフィックの後にメニュー画面。次のページにバックカメラとBluetoothオーディオとかも出て来る。接続は超簡単でAndroid Autoを押して、スマホ側のBluetoothで無線イヤホンのように新しいデバイスとして探してペア接続するだけ。同時に使われるWiFiもAndroid Autoが自動で接続する。

一度接続してしまえば次回からはVVCAR MC3の電源が入ったら自動接続される。別のスマホに変えるにはどうやら初期設定に戻す必要があるのだけど、それも簡単なのでスマホを変えても、本体を貸しても大丈夫だろう。

アイコンの入れ替えも可能だったり。日本語は説明書と
違って怪しいので後から英語表示にした
接続したらあとはこの画面でOK押すだけ



・Android Auto 使用感


つながるとMAPが起動。Androidで使うのと変わりはないから操作に迷うコトもない。液晶がマルチタッチじゃないのでピンチで拡大出来ないのは面倒だけど、+-ボタンがあるし、なにも問題ない。

音声入力も同様で普通に話せばいつもと変わりなく反応してくれる。6.1インチのPixel7aから比べるとひとまわりだけでも液晶サイズの大きさは良い。なんといってもインターフェースが自動車内で使うようにデザインされているので、スマホだけとは違って操作性も高く安心できる。

※ もちろんアップルのCarPlayにも対応している。

あっさりナビ表示。とりあえず音声入力で札幌駅とか検索
音楽は最初はYouTube Musicが


・VVCAR MC3 カスタマイズと音声出力


カスタマイズという程でもないが、地図ソフトをいつも使っているYahoo!カーナビに、音楽再生をこれもずっと使い続けているjetAudio+に変更。右下のアイコンで二画面分割も簡単に出来るので、いい感じに。(左右の切り替えは設定画面での変更となるが)

スマホ側にAndroid Auto対応アプリがインストールされていれば、勝手にVVCAR MC3のアプリメニューにも入るし、新規でも追加もされる(VVCAR MC3の再起動は必要かも)。個人的にjetAudio+が対応しているのはとてもありがたい。

使い慣れた組み合わせ

そして音声出力……なんか「原車Bluetooth」とか表示あるけど、これやっぱりBluetooth音声出力できるんじゃないの?と車の代わりに小型Bluetoothスピーカー Anker Soundcore Mini 3をスマホに接続してみた。

……もちろん普通に音は出る。jetAudio+の音楽もナビ音声も。ナビの音声のときはちゃんと音楽ボリューム絞るし、なんなら電源OFFの時も音楽フェードアウトしてくれる。

あと、グラフィックイコライザーも中国製得意の10段タイプのがある(Bluetooth接続ではスマホからなので使えないが)。アンプが無いからか、説明書とかにはディスプレイオーディオじゃなく車載スマートスクリーンって表記しているけど、全然音楽まわりはちゃんとしていた。

なんだよ、心配しなくて良かったんだよ。
中国製得意の10段グラフィックイコライザー


・あとがき


メニューの謎の日本語、説明書にどうやってもメニューに出てこないミラーリングの記述、逆に説明書にもAUXかFM送信でと書かれているのにスマホから飛ばせるBluetooth音声、基本設定にあるショートカットボタンを意味する謎の日本語「けんだくキースイッチ」、メーカーセット内にあるスクリーンショットとタッチプリント。そして説明書の「スマート外出用品」。

なかなかに中国製品な謎もあるのだけど、Android AutoでつないでしまえばあとはソフトはGoogle製品なワケだし、別アプリもGoogleが選んだものだけなので困るコトはない。

バックカメラとMicroSDは試してないけれど、個人的には使うことがないし、おそらく問題ないだろう。

VVCARというブランドは知らなかったが、検索するとバイク用のVVCAR MT55という機種は結構使われているようだ。ちゃんと技適マークを取っていて(総務省の技適検索サイトでも検索できる)、なにより安い。

しっかり実用となり1万円でおつりが来るコスパ最強のガジェットだった。

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