海老原由梨

元 吉本新喜劇団員/現在家事代行業/これから世界は私を中心に回りだして欲しい

海老原由梨

元 吉本新喜劇団員/現在家事代行業/これから世界は私を中心に回りだして欲しい

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  • 日常雑記

    東京在住の30代女子にも思うことあり。 これから自分探しをするつもり。

  • 台所の詩

  • 夫婦折々

    作家やってる旦那。 元新喜劇女優だった私。 旦那って、つまり元カレってことだよね。 付き合って8年で彼氏が旦那になった。 会話もいい感じに熟成してきたと思う今日この頃。

  • 顔絵レッスン

最近の記事

おばちゃんCのたわごと

2月5日 女の子は、涙を流さずに泣いていた。 仕事から帰宅する途中だった。 向こうから小5くらいの女の子が歩いてくるのが見えた。 おばちゃんA「あら、可愛そうに。学校でいじめられたのね」 おばちゃんB「あの女の子、気が強そうだからケンカでもしたのかもね」 もう少しのところで私は、そんな感じで女の子を見ていただろう。 自分に嫌気がさす。 私は、おばちゃんたちの会話が聞こえてくるたびに、 「けんか」とか「いじめ」」といったような世間にはびこる 単純ワードに反吐

    • 勉強会の準備

      2月4日 今日は、旦那の勉強会の手伝いをした。 旦那もはじめての試みなので、ごく身近なメンバーの少人数での時間だ。 そのメンバーに声をかけたのは私であった。 気軽に来てほしいからと、「セミナー」とは言わず「勉強会」という 言葉でよびかけたのだが、考えもなく並べた机の設置が、とても仰々しい雰 囲気にさせてしまっていたらしい。 それこそセミナー寄りになっていたことを知った。 「なるほど、空間づくりというのはとても大事なのだな。」 と、準備した私はとても勉強になる

      • あしかけ8年

        2月3日 明日のことで気持ちが前のめりになっている。 旦那がセミナーを開くことになっていて、その手伝いをするのだ。 セミナーというと少し堅苦しいイメージだが、第一回目の明日は少人数 でやる勉強会なので気兼ねない。 気兼ねないとは言いつつ、内容は「自己実現」。いわゆる自己啓発だ。 ごく近しい人たちと自己実現の話をする。 声をかけた人たちには、すでに各々が「自己」を知っていて、あるいは自ら 自己啓発に触れはじめた人もいる。 どんな反応が飛び出すのか、私は興味深々

        • 新宿南口フラストレーション

          2月2日 胸のあたりに空洞があって、そこを空気が何度も通過して いく気配を感じがしている。 おまけに、触らずとも顔面に赤みがかっていることがわかる。 今、ハンバーガーショップにいるのだが、 店についているLEDライトが一斉に私を照らしているようだ。 これが、何かしらの功績によって自分を照らし出している光なのだと したらよだれものだが、実際には、体のだるさからくる口元の緩みと 視覚の明度によるものだと現実を受け入れる。 そして、恒例となった生理のおかげでこうな

        おばちゃんCのたわごと

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          揺れ

          2月1日 夜中の2時頃。頭のうえで鳴るけたたましい音に驚き、起きる。 地震の警報音だった。 女性の声が携帯から流れてくる。 「大きな揺れに気をつけてください」という声。 まだ半分以上夢のなかだった私は、声が言っていることを理解するのに 数秒かかった。揺れは小さくてすぐに収まった。 携帯から発せられていた女性の声が頭のなかを4、5回駆け巡り、 この後も油断はできない、と私の体のなかで叫んでいる。 揺れが止まった。 東京は何事もなかったようだ。 他の場所はど

          1月31日 19:00。 とても寒い。今日の最高気温は12℃だったらしい。 仕事で少々荒れた指先のざらざらした感触を思いながら、 手を洋服の袖のなかにおしやり歩いていた。 商店街で買い物をすませて帰途に着こうとしている私の目の前に、 スーパーからでてきた50代前半の女性が、一瞬、空を見上げた。 しびれるような寒さを再確認するように上空を見上げている。 視線の先にあるものは、月だった。 今日の月は、下弦の月。 斜めになったゆりかごのようみたいな形をしている。

          照明の下

          1月28日 新年を迎えためでたい時間はどこえやら。 中国から発症したらしい、コロナウイルスで世間は忙しい。 夜中、外も少々忙しない音がしていた。 頭上から降ってくるのはみぞれではないだろうか、夏に好んで消費する 「みぞれ」というアイスを思い浮かべながら、余計に寒くなっている。 こんな日は、暖色の灯りの前で読書をしたり、眠気と気持ちよく戦って こくりこくりしたいものだ。 自宅近くのカフェには、今日もたくさんのお客さんが利用している。 利用するというより、このカ

          エステに行く

          1月25日 昨年、旦那からプレゼントされたエステのチケットが、 なんと明日、有効期限をむかえる。 そんなタイミングのである今日、サロンへ足を運んだ。 エステなんて行き慣れていないどころか、20代前半の頃に冗談半分に 応募したホテルでのエステチケットが当選し、友人を誘って行った以来だ。 訪れたのは、千駄ケ谷にあるサロン「ロンハーマン」。 施術の技術もさることながら、私は、その店の店構えや内装に強く心惹かれ るものがあった。 店に入ってすぐに通されたウェイティン

          エステに行く

          八百屋さんへ行こう

          今日は書道教室がある木曜日だった。 しかし、先生がインフルエンザということ。 楽しみにしていたため、すこし残念。 私にわざわざ留守電を残しておいてくていたところをみると、 生徒全員に電話で伝えているようだった。 それを思うとすぐに電話に出られなかったことが悔やまれる。 「さて、留守電の返事はどうしようか……」 しばらく悩む。 とりあえず、折り返そう。 「ゆっくり休んでください」 なにも考えていなくても、ちゃんと言葉は出るものだ。 「2月に振り替えておきま

          八百屋さんへ行こう

          掃除

          私の仕事は家事代行。 家事代行というのは、簡単に言えば人の家に行き、掃除をしたり、洗濯を したりと、家事をする仕事だ。 ときには料理をつくることもあるが、ここで大事になってくるのは、その家 の家主が「どうしてほしいか」ということに重きを置くことだ。 唐突だが、完璧主義の人にはむかない職業だと思う。 掃除だけに目をむけて考えてみる。 もしも完璧主義であれば、気になる箇所をひたすら磨き上げることになるだ ろう。一見、よさそうだが、家主が求めていなければ意味がない。

          「すごい」と「すき」

          1月20日 ここ2、3日、考えていることがある。 「すごい」と「すき」の違い。 なぜ、考えはじめたのか自分でもわからないのだけれど、 はっきりと自覚できているのは、「すき」の方がいいなってことだ。 もうすこし言うと、「すき」だと思っていたいということ。 「すごい」は、どこか気高くて、スーパーヒーローを連想させる。 沸騰したお湯が爆発するみたいに、劇的な展開が浮かぶ。 一方で「すき」は、とても身近で、内省的。継続可能。 「すき」と口にだすだけで

          「すごい」と「すき」

          適切な距離

          1月18日 朝から4月の個展に向けての作品づくり。 はじめたばかりの刺繍作品をひとにお見せするなんて、 今までの私なら考えもしなかったことだが、針と糸を使う作業が性に合って いたことと、以前から知っていたカフェが展示会場として提供している ことを知り、とんとんと事が運ばれている気がしている。 刺繍はイメージの通り、とても地味な工程だ。 10分前と後とではどこがどう変わったのか、作っている私でさえもわかり にくいと思うほど。 材料のほかに準備するものといえば、

          適切な距離

          にんげん

          にんげんってどんないきものだと思う? ときいたら、 ぴょんと跳ねて、ウサギはいった やさしいいきものよ とてもしんせつだもの にょろりと這ってきて、ミミズはいった よわいいきものよ ひとりぼっちだもの 背中を伸ばして、ネコはいった やさしくて よわくて それでいてつよいんだ さらにネコは、かおを洗いながらいった わがままでもあるんだ よくばりっていうかさ となりのやまぐちさんちはくるまがほしいんだってさ そのまたとなりのきむらさんちのじなんぼうはオレをなで

          白菜逆転劇

          1月14日 今晩のご飯はどうしようか。 昨晩は、遅めの夕ご飯だったので簡単にできる白菜鍋をメインにしたん だったな。 鍋に入れる具材として代表選手である白菜だが、芯に近くなればなるほど 白さを増す白い部分がちょっと苦手だった。 美味いまずいではなく、味がなかなか浸透していかない気がするのである。 クラスに1人はいるような「いけ好かないヤツ」。 それが私にとっては、白菜の白い部分なのだ。 なのに、黄緑色をした葉っぱの部分というのは、沸騰した湯に入れた瞬間に

          白菜逆転劇

          柳のように

          1月13日 私は柳になりたい。 しっかりと土をつかむ根をはやし、強風にあおられてもしなやかなに受け流 す、そんな柳だ。 それが理想の生き方。 ここ最近の私、柳に近づいているぞ。 ふふふ。 私史上、最も私らしい目標を見つけ、仕事とプライベートの境目がなくなっ てきて、喜びを感じている今日のこの頃。 ふふふ。 ……のはずだったのだが。 とんでもなくくだらないことがきっかけで目標にモザイクがかかっ たようになっている。 ふいに開いたフェイスブック。そこに苦

          柳のように

          冬。ツンとしたから

          1月12日 去年まで働いていた学童保育に通う子供と、デパートでばったり会った。 彼女は小学3年生。 ころらが先か彼女が先か、顔を合わせるなり自然に顔の表情がほころんだ。 彼女は、感情が大きく不安定な波にさらされていた時期もあったが、 今はとても穏やかな笑顔をみせてくれている。 当時の彼女に私がやったこと。 それは、私自身が経験してきたもののなかから無理やりにこれはと思う言葉 を彼女に投げかけるだけで、特段なにもできてはいない。 聞こえをよくすると、この状態を

          冬。ツンとしたから