〇ジョン・バティースト・ライヴ評、完全セットリスト、メンバーリスト付
 
【Jon Batiste Live Review With Setlist : Show DNA of New Orleans】
 
ニューオーリンズDNA。
 
ニューオーリンズの貴公子、ジョン・バティーストが自身名義での初来日コンサート。コカ・コーラ主催の複数アーティスト登場のフェスへのゲスト出演がメインだが、前日に単独ソロライヴを行った。会場は神田に比較的新しくできたイヴェントスペース、神田スクエア・ホール。立ち見で約1000人収容の、ちょうど恵比寿ガーデンホールのような感じの会場だった。ジョン自身は2010年6月、カサンドラ・ウィルソンのバックバンドのキーボード奏者としてビルボードライブでのライヴが初来日。自身名義のライヴはもちろん、今回が初。

 
バンドは、ドラムス、パーカッション、横にキーボード奏者がいたようだが、後ろからは見えなかった。ただし、キーボードの音はしていた。（ライヴ後、前に行くとたしかにキーボードが舞台袖のあたりにあった）その音が既存音源か実際プレイしていたかはちょっと後ろではわからなかった。
 
バンド3人とジョンという軽微な編成だが、ニューオーリンズ由来の音楽がドラムス／パーカッションを軸に展開する音楽という性質を考えるとこのエコノミカルな編成でもいいのかもしれない。ただフルバンドの編成からすれば、たぶん実力半分ほどの出力なのだろう。それにしても、歌、ピアノ、サックス、そして、おなじみメロディカを縦横無尽に扱い、ソウル、R&B、ブルーズ、ゴスペル、ポップ、ロック、ニューオーリンズ、ラテン、レゲエ、アフリカンなどの多種多様な音楽性を一緒くたにした、まるでメルティング・ポット（るつぼ）のようなショーだ。特に、メロディカなどをもちながら、観客席まで降りてきて、そこを練り歩く様は、まさに「ニューオーリンズのDNA」を存分に出して、楽しさ全開だった。
 
いくつもハイライトはあるがセットリスト詳細は下記を参照していただくとして、ブルーズ調の「テル・ザ・トゥルース」（前作『ウィ・アー』収録）はギター一本から徐々にバンド演奏に盛り上げていき、ギターで最高潮に。これなんか、クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル（ジョン・フォガティ）を思わせたりした。
 
Jon Batiste - TELL THE TRUTH (Visualizer)

 
またピアノを弾く佇まいは、ときにファッツ・ドミノ、リトル・リチャードなどを感じさせる。そして、ソロで聴かせるアタックの強さはジョー・サンプルを彷彿とさせた。つねに、ブラック・ミュージックだけでなくあらゆる音楽の歴史を勉強し、俯瞰し、その過去・現在・未来を繋げているところがすばらしい。それが彼の「ワールド・ミュージック」という概念の否定と、「ソーシャル・ミュージック」という概念の発祥、発展につながる。

 
そして、全体的にひじょうに楽曲の演奏の自由度が高く感じられた。もちろん、ある程度、既存音源（シークエンスなどで音を出す）も使うが、実際に生身のリアルなミュージシャンがリアルなミュージックをその場でライヴで演奏しているところが、コロナでライヴに飢えている音楽ファンを熱くさせている。なによりも、楽しい、ハッピーなダンス・ミュージックである点が頼もしい。
 
次回来日時は、ぜひフルバンドでライヴを見せてほしい。
 
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■2023年10月19日放送『AOR/Soul To Soul』でインタヴュー特集

 
ジョン・バティーストに翌日（10月7日）ひじょうに短い時間だったが、インタヴューを行うことができた。その模様は、2023年10月19日（木）放送の『AOR/Soul To Soul』 (98回、20時～20時55分JFN各局、東京・インターFMで生放送)の中と、本ブログ・ノートでご紹介する。お楽しみに。

 
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■セットリスト

 
Jon Batiste Live Setlist 2023.10.06 at Kanda Square Hall
 
BGM [CD] Show Me How - Men I Trust
Show started 19:03
01. Hello, Billy Bob
02. Raindance
03. Be Who You Are
04. Worship
05. Chopinesque (piano solo)
06. Calling Your Name
07. Drum solo vs Percussion solo (Negah Santos, Joe Saylor)
08. Drink Water
09. Tell The Truth （Jon on guitar）- Sax solo a riff of My Favorite Thing
10. I Need You – a riff of My Favorite Thing – a riff of I Wish – a riff of Another Star
11. Butterfly (Jon on piano only)
12. Freedom　
（[CD] Show Me How – Men I Trust）ジョンがひけた後、しばらくこれが流れ、バンドがステージに戻ってきて、アンコールになった
Enc1. Tambourine solo
Enc2. Wherever You Are
Enc3　[CD] Call Now (504-305-8269)
Show ended 20:41
 
Members
 
Jon Batiste (Vocals, Melodica, Piano, Sax, Guitar, Percussion, Tambourine)
Joe Saylor (Drums, Percussion, Vocals)
Nêgah Santos (Percussion, Vocals)
Alexander Jacques (Keyboards, Playback)
 
Special thanks to Mr. Sumori Masahiro for member information among others.
 
(2023/10/06, Jon Batiste Live at Kanda Square Hall)

(2023/10/12 12:30pm キーボード奏者名、追記しました）
 
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ワールド・ミュージック・レディオ (SHM-CD)
ジョン・バティステ

 これは来年（2024年）のグラミーの大きな目玉になります。

ウィー・アー (SHM-CD)
ジョン・バティステ

 
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Jon Batiste – I Need You

 
Jon Batiste - Calling Your Name (Visualizer)

 
ENT>LIVE>Batiste, Jon