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〇大貫憲章さんとカフェ・トーク~自由が丘の珈琲屋アンセーニュダングルに7年ぶりに (パート2)


〇大貫憲章さんとカフェ・トーク~自由が丘の珈琲屋アンセーニュダングルに7年ぶりに (パート2)

【Soul Coffee First In Seven Years】

(本文は値段がついていますが、最後まで無料で読めます。読後サポートしてもよいと思われた場合、購読などでサポートしていただければ幸いです。この本文は約5000字。「黙読」ゆっくり1分500字、「速読」1分1000字換算すると、10分から5分。いわゆる「音読」(アナウンサー1分300字)だと17分くらいの至福のひと時です。ただしリンク記事を読んだり、音源などを聴くと、もう少しさらに長いお時間楽しめます。お楽しみください)

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〇大貫憲章さんとカフェ・トーク~自由が丘の珈琲屋アンセーニュダングルに7年ぶりに (パート2)

【Soul Café Talk With Kensho Onuki】

7年ぶり。

UKロックの大家、大貫憲章さんと先日ツイートのやりとりをしていて、また自由が丘でお茶でもしましょうとなり、してきた。前のブログを見ると、なんと前回ここでお茶したのが2013年1月だから7年10か月も前。ついこないだのように思っていたが、本当に時が経つのは速い。大貫さんとは、インターFMでばったり会ったりはあったのだが、ゆっくりお話ししたのは7年以上ぶり。ライヴ会場でばったり会うことは(音楽ジャンルが違うので)まずないしなあ。(笑)

〇大貫憲章 珈琲屋アンセーニュダングル 入口外観

昨日からの続き:
〇自由が丘の珈琲屋アンセーニュダングルに7年ぶりに (パート1)
2020/11/29
https://note.com/ebs/n/n16e49a5bc3b2

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伝説のロンナイ。

大貫さんといえば、「ロンドン・ナイト」がもう40年続く超ロングヒット・イヴェントの主催者。そのルーツは、1980年の西麻布の小さなDJバー、トミーズ・ハウスにさかのぼる。なんとはなく、そんな昔話から始まった。

西麻布のトミーズ・ハウスは、トミーがやっていたDJバー。曲によって客は踊ってもよいし、ただカウンターに座わって曲を聴いててもよい。店中央のカウンターにはバックギャモンの台が作りつけられていて自由にプレイできた。1979年頃は、スタッフが狭い店だがローラースケートを履いて、ドリンクを渡していた。(ちなみにオウナー、トミーの本名の苗字が富久なので、みんなからトミーと呼ばれていてトミーズ・ハウスとなった)

六本木の交差点から西麻布に向かって左を歩いていくと、西麻布交差点前、交番の少し手前に階段を数段降りて入る約15坪ほどの店。なかなか立派なオーディオをそろえ、相当いい音でレコードを聞かせていた。

そこで僕が大貫さんと出会ったのがたぶん1980年初めの頃。僕が初めてトミーズ・ハウスに足を踏み入れたのが1979年の夏だった。西麻布に住む友人が交番の近くに半地下に入るようなおもしろい店がある、と教えてくれた。そこに足を踏み入れると、かなりの大音量で、しかしかなりいい音でハーブ・アルパートの「ライズ」がかかっていたりした。低音用のウーハーが実によく効いていた。客にはけっこう新しもの好きの人が多かった。マガジンハウスの編集者やレコード会社関係者などが出入りしていた。

それから客としてひんぱんに通うになり、1979年の秋にはトミーからDJやらないかと誘われ、その流れで週末にDJをやるようになった。だいたい夜10時半から朝3時までの4時間半、立ちっぱなしでノンストップだった。

そんなトミーズに大貫さんが1980年の初め頃噂を聞きつけてやってきて、よく通いだすようになった。そこでトミーからやはりDJを誘われ、DJをするようになった。それまでやったことがなく、機材の使い方などをトミーたちから教わった。

大貫さんは毎週水曜日に、UKロックを中心にかけるようになったが、それを見た日新物産のディスコをてがけていた佐藤さんから新宿のツバキハウスでやらないかと声がかかり、当初は月曜、まもなく毎週火曜にやるようになった。それが1980年4月のことだった。

「火曜・ツバキ」で「カツバ」と言われ、「カツバのロンナイ(ロンドン・ナイト)」などの愛称が広まったそうだ。「ロック・ザ・カツバ」だ。

ロンナイは毎週2-300人を動員、多いと4-500人入ることもあった。

「時代なんだよねえ。すごいよねえ」と大貫さん。

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データ化問題。

大貫さんもたくさんのラジオ番組に出たり、ライナーノーツ、雑誌記事などを書いている。そうしたものの整理は、僕らの大きな課題だ。インターFMの『ケンロックス・ナイト』(現在は、土曜日22時~23時)は若干のお休みもあったがインター開局から続く長寿番組だ。

「ラジオ番組とか同録のカセットが(段ボール)二箱くらいあるよ」

「二箱って?」

「2000本くらいかな」

「ひええ、それ、デジタル化とかしないんですか?」

「いやあ、したいけど、お金かかるよね。一本10円とか100円くらいで誰かやってくれればいいけど。(笑)」

「いや、なんか最近ネットで広告見たカセットをMP3にする機械みたいの買おうかどうか迷ってるんですよ。ひょっとしてそういうのやってるかな、と思って」

「いやあ、まだぜんぜんやってないなあ。あとアナログのLPでCD化されてないものもたくさんあるよ。昔、少しずつデジタル化、データ化してたんだけど、もうずいぶんやってなくて、すっかりやり方忘れちゃったんだよ。(笑) ラジオでかける曲とかね、データ化しないといけないんだ」

「業者に頼むとアナログ1枚CD化2000円とかしたりするんだよね。CDあればCD買ったほうがはやい。(笑) でも、そのCDがないから自家製CD化したいんだけど」

「何千枚もやったらいくらかかるんだよ。1枚、2枚ならいいよ。だけど、10枚やったら2万、100枚やったら20万、1000枚頼んだら、200万だよ。じゃあ自分でやるよって」(笑)

それに加えて、たぶん、大貫さんも僕も自分が書いた原稿やなんやらもデータ化したいところ。自分のライナーノーツは、ほとんど持ってないとか。ライナーなどは、1970年くらいから1985年くらいまでの間がもっとも多く、たぶん1000枚いくかいかないかという。

どうも、アナログのデジタル化するにも、パソコン自体がだいぶ古くなってるらしい。

しかし、大量のカセット、アナログ・ディスク、紙媒体などのデータ化という問題は、本当に我々にとって一大事だ。そして解決策があんまりない。ひたすらやっていくしかないのかもしれない。(笑) 困ったなあ。お互い。

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大貫憲章 椿ハウス フライヤー

まとめ。

大貫さんも、そろそろ自分の仕事をまとめようと考えているようだ。半生記のようなものを書き始めているそうだ。

「今まで書いたライナーノーツをまとめたりは、してる。でも、100分の1くらいしか持ってないよ。(保存しておこうなんて)気にしたことなかったから。最近、ここ10年くらいだよ、気にし始めたの。人から言われて、あ、それ書いてたか、って思いだすくらい。それをまとめようと思ってる。そろそろやらないとオレの命とどっちがはやくなるかだからね(笑) 最後に海外行ったのが1986年だと思う。ロンドンのフェスの取材、あと、アメリカにニルヴァーナがでたときに、グランジ取材に94年くらいに行ったのが最後かな。伊藤政則さんは、今でも行ってますよ。流石に今年はコロナで行ってないけど。ま、とにかく(伊藤さんが専門の)メタルはすごいんだよ。パンクの需要はぜんぜんないけど。ラジオの番組がすぐに終わっちゃう。でも、伊藤さんの番組は何十年って続いてるから。テレビもラジオも。もちろん、メタルのファンはすごいんだけど、局側にそういうのをやっていこうというディレクターなり人なりがいないと続かないんだよね。伊藤さんの番組は終わらないんだよ」

「そうそう、特に洋楽についてはそういう人が少ないよねえ」

「そうなんだけど、メタルは別枠です(笑) だって、最近『遺言』って本出してその関連でトークイヴェントとか、1700のキャパでやってすぐ売り切れちゃうんだから。すごいよね。日本全国津々浦々からメタル・ゴッドに会いにやってくるんだよ。毎年9月に渋谷タワー・レコードの地下で伊藤フェスを一週間もやってるんだよ。確実に日本全国に1万人はいるよ」

伊藤政則の"遺言" (BURRN!叢書) (日本語) 単行本 – 2017/8/9
伊藤 政則 (著)
https://amzn.to/3lgpEOD

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年一特番。

「あの、年一で伊藤政則さん、渋谷陽一さんと大貫さんが集うNHK-FMでやってる『ワールド・ロック・ナウ』、今年もあるんですか。今年は何振り返るんですか」

「あるある、来月収録。今年は、コロナを振り返る(笑) ライヴはないし。新譜はインディ系はけっこうでてる。メジャーはもちろん、ブルース・スプリングスティーンとかでてるけど、基本、最近CD出すところがへっちゃったじゃない。ヒップホップとか出てる。マシンガン・ケリーとか。聴くことは聴くんだけど、それほど興味はないんで。(笑) これはおれじゃないなって。これは、去年、渋谷さんから教わったんだけどね。渋谷さん、すごいよ、なんでも聴くよ。マシンガン・ケリーは今度のがロックをやってるんで、ヒップホップだけど、それで聴いてるんだけど。年末だから話題にはなると思う。渋谷から『大貫、マシンガン・ケリーなんてどうなのよ』って聞かれると思うけどね。まあ、入れ墨してパンクっぽく見えるけどね。『伊藤、どうなのよ』って訊かれても、伊藤さんはメタル以外は一切聞かないのよ(笑)」

Machine Gun Kelly ft. Halsey - forget me too [Official Music Video]


https://www.youtube.com/watch?v=0tn6nWYNK3Q

Machine Gun Kelly - Bloody Valentine [Official Video]


https://www.youtube.com/watch?v=wSdT-SArM2Q

「おもしろいのは、パンクはヒップホップとけっこうリンクするんだけど、でも、メタルはヒップホップとも何ともリンクしないんだよね。唯一あったのは、ランDMCと『ウォーク・ディス・ウェイ』(エアロスミス)だけなんだよね。メタルはレゲエともつるまない。パンクはレゲエともつながるけど。そもそもクラッシュなんかね、ジョン・ライドン(パンク・ロックのグループ、セックス・ピストルズのリード)なんてジャマイカ行ってるしね。ダブやったりしてるけど、メタルはダブもやったりもしないでしょう。だから、酒井康(元BURRN!=雑誌バーン! 編集長)がメタルは『ピュア・ミュージックだ』なんて豪語するんだよね。(笑) ディープ・パープルは白人のオーケストラと一緒にやったりはするんだけど。パンクやレゲエは政治的なこと言うけど、メタルは言わないよね」

RUN DMC - Walk This Way (Video) ft. Aerosmith


https://www.youtube.com/watch?v=4B_UYYPb-Gk

「メタルってすごく特殊性あるんですね。じゃあ、またやりましょうか、こういうの」

「やりましょう、やりましょう」

と話はとりとめもなく、続いた…。

大貫憲章 2人で

DJ ALL TIME CLASSICS 200 大貫憲章 (日本語) 単行本(ソフトカバー) – 2015/12/18
大貫 憲章 (著)
https://amzn.to/2HNv06h

ロンドン・ナイト・ディスク・ガイド (P‐Vine BOOKs) 単行本 – 2008/3/21
大貫憲章 (監修)
https://amzn.to/3fJEWu2

大貫さんから「ロンドン・ナイト」のパーカーをいただきました。ありがとうございます。

大貫憲章 ロンドンナイト パーカー


(写真)

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