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◎ロバータ・フラック『キリング・ミー・ソフトリー』発売から50周年~子供用絵本~PBSのドキュメンタリー放送~特別盤発売


◎ロバータ・フラック『キリング・ミー・ソフトリー』発売から50周年~子供用絵本~PBSのドキュメンタリー放送~特別盤発売
 
【Roberta Flack Book And PBS Documentary】
 
(本作・本文は約3000字。「黙読」ゆっくり1分500字、「速読」1分1000字で読むと、およそ6分から3分。いわゆる「音読」(アナウンサー1分300字)だと10分くらいの至福のひと時です。ただしリンク記事を読んだり、音源などを聴きますと、もう少しさらに長いお時間楽しめます。お楽しみください)
 
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◎ロバータ・フラック子供用絵本~PBSのドキュメンタリー放送
 
【Roberta Flack Book And PBS Documentary】
 
絵本。
 
ヴェテラン・アーティスト、ロバータ・フラックは先日、ALS(筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう、別名ルー・ゲーリッグ病)罹患を公に。歌うこと、話すことも困難になったと公表したが、その彼女が子供用の絵本を発売。さらに、PBSでドキュメンタリーが放送された。
 

 
ロバータ・フラック新作書籍『グリーン・ピアノ』。自身の幼少期、ごみ捨て場から父が拾ってきたピアノを父が直し、緑のペンキを塗ってくれたことから、どんどんピアノに惹かれていた少女の物語を子供用絵本にして2023年1月発売→
 
The Green Piano: How Little Me Found Music ハードカバー – 絵本, 2023/1/10
英語版 Roberta Flack (著), Tonya Bolden (著), & 1 その他

ハードカヴァー (約3,000円)
 
シンプルでわかりやすい英語で約27cm四方40頁。→ #robertaflack
 
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『キリング・ミー・ソフトリー』発売から50年
 
ロバータの大ヒット曲「キリング・ミー・ソフトリー」(1973年)から、今年はちょうど50周年。それを記念する意味で、絵本発売、ドキュメンタリー発表などがあいつぐ。『キリング・ミー・ソフトリー』のデラックス盤も発売される。
 
DJスピナがリミックス

 
 
 
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ドキュメンタリー『ロバータ・フラック』放映
 
ロバータ・フラック新作ドキュメンタリー 
 
ケーブルテレビ局PBSが1986年から始めた超優秀なドキュメンタリー・シリーズ『アメリカン・マスターズ』シーズン37の第一弾で2023年1月24日放映。約1時間24分。
 
試聴無料(ただし日本からはアメリカにつなぐプロキシー・サーヴァー経由が必要)→

 
 
現在病床につくロバータや関係者の膨大なアーカイヴ映像、インタヴューから構成。ロバータのキャリアがデビュー前からダニー・ハサウェイとのデュエットあたり、さらにローリン・ヒル、ディアンジェロへの影響までまとめられている。
 
デビュー前のワシントンDCのクラブでのライヴ映像や、クリント・イーストウッドが彼の初監督作品『プレイ・ミスティ・フォー・ミー』に楽曲を使用したい旨プロデューサーに電話してきたときのことなどが描かれる。
 
イーストウッドが言う。「(楽曲使用料に)千ドルしかないんだが…」 プロデューサーのジョエル・ドーンは「好きにしてくれ。千セント(10ドル)でもいいと思ったよ」
 
発売後3年経ってもまったく売れていなかったファースト・アルバムがこの映画での使用で全米1位に。その後はグラミー獲得など一気に花開く。
 
60年代、彼女の最初の結婚相手が白人で当時は異人種結婚が周囲と軋轢がでていたことは知らなかった。また、彼は一本小さなクラブでライヴをやって数十ドルしか稼げないのに、ロバータがツアーにでて大金を持ち帰ってくるので、困惑していたという話も新鮮だ。
 
デビュー作『ファースト・テイク』はDCのライヴハウスでほぼ弾き語りで歌っていたレパートリーから録音、ほぼ「ファースト・テイク」だったので、そのタイトルに。
 
様々なことに主張していたロバータの初期アルバムは、今でいう「ブラック・ライヴズ・マター」作品に。ロバータの心の片隅には、十代の頃、ピアノ・コンテストでおそらくひじょうに優秀なパフォーマンスを見せたが、白人ばかりの音楽学校で、ある種黒人だからということで、入賞できなかったということが長く、トラウマになっていた。それが黒人解放運動への傾注の引き金になった。
 
1作目のプロデューサー、レス・マッキャンは、初めてDCで彼女のライヴを見たときに「観客との間にあった『getting togetherness』(一体感)に感激した。これは その部屋にソウルフルさを生み出すブラック・ミュージックの中心的な質感だ」という。
 
また大ヒット曲「フィール・ライク・メイキング・ラヴ」の作者ユージーン・マクダニエルとのやりとりもおもしろい。曲の解釈についての考察も深い。
 
ダニー・ハサウェイとの最後のレコーディングについても振り返っている。「彼女は歌詞の中に生きている」「(詞の)考え方(思考)を重視」 ダニー死去後に直接そのことをインタヴューアーに聞かれ、困惑しながらも答えている姿にロバータの強さを見る思いだ。
 
「キリング・ミー・ソフトリー」誕生秘話。機上の音楽サーヴィスでLAからニューヨーク着陸まで5回程聴いたロリ・リーバーマンの曲をアレンジ。「曲を歌うとき何ごとにも縛られない」 
 
その後ライヴのアンコールで録音前に披露したら大喝采を浴びるが、そのとき共演していたクインシー・ジョーンズが「録音前にこれは人前で絶対に歌うな」とアドヴァイスしたエピソードなどもおもしろい。
 
黒人女性がプロデューサーとなることへのハードルの高さについては、ヴァレリー・シンプソン、アンジェラ・デイヴィスらの証言も。当時はボタンを押すだけで男性がクレジットを持っていったという。
 
さらに、ルーサー発掘、ピーボ・ブライソンの証言も。
 
映像全部のテキストがこちらにあるので、映像を見られなくても内容がわかります→

 
 
それにしても素晴らしいドキュメンタリーだ。基本的には新取材なくこれだけのものができてしまう構成力。本質を射抜いているからこその作品。
 
ロバータに興味のある方はぜひごらんください。
 
ロバータの現時点での最後の来日・ライヴ評、2013年→https://amba.to/3l7bxku
 
 
ここに過去関連記事一覧があります。
 
 


 
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