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カッチンカチン、お地蔵さんみたい

先日、知的障害のある長女ほかろん、「シヨートステイA」の面談に行きました。
2月くらいから、NとAの二つのショートステイの申し込み手続きを始めていたのです。
「ショートステイN」の方は面談も終わり、契約までこぎつけました。まだ、お試し「日中ショートステイ」があるけど。
そしていよいよ、残るもう一つの「ショートステイA」の面談です。

ああ、ここに至るまで、2カ月以上かかりました。
この間、母は、パッチンパチンに緊張の糸が張り詰めていて、少しの刺激で、プッチンと切れてしまいそうです。

面談当日、ほかろんさんが、機嫌よく一緒にAまで行ってくれるかどうか。
ハラハラドキドキですが、私以上にほかろんさんは緊張していたのです。
1時半に園に迎えに行くと、何も言わず玄関に出てきて、門の前にたたずむほかろん。
哀愁さえ漂うほかろんさんの後ろ姿。
静かすぎて心配です。
「ヤダー。」と騒いでいるほうが気が楽かも、なんて思ったりして。

その背中を見ながら、スタッフに
「行ってきますね。終わったら戻ります。」
と言って、タクシーに乗り込みました。
ほかろんさんは、GOのタクシーが大好きです。
大好きなGOのなかで、ほかろんさんは一言も話さず、カチンカチンに緊張していました。
まるで、石でできたお地蔵さんのようです。
つっついたらパリンとひびが入りそう。

「ショートステイA」に着き、いよいよ面談です。
一通りの話が進んで、持ち物についての話になったとき、
「タブレットを持ってきてもいいですよ。」という職員さんの一言に食いついたほかろんさん。

「いいんですか。YouTubeでキスマイみてもいいんですか。
Nでは、もってきちゃダメって。」
それまで、無言だったほかろんさんが熱く話しだしました。

ああ、そこか。そこなんだ。
キスマイか。
「キスマイでは誰が好きなの?」と職員さんに聞かれると
「ふじがやくん。せんがくん。」とニコニコ答えるほかろんさん。
そして、左手を広げて5本の指を出し、右手の人差し指を出して、
「51さいになりました。」と、聞かれてもいないのに年齢答えるほかろんさん。
職員さんに
「誕生日、おめでとうございます。」などと言われ、ニコニコです。
その後、施設内を見学して帰ってきました。

園に戻ると、さっさと振り向きもせず、2階へ上がって行ってしまったほかろんさん。
どんな気持ちで、ショートステイの面談に行ったのかな。

母親が高齢になり、病気などしたときのためにショートステイを利用したいと、私が言っているのを聞いて、少しは覚悟をしているのかな。
母親が職員さんと話している内容などよく聞いてるようす。

家に帰ってきて
「ああ、きょうはきんちょうした。」と何回も繰り返してました。

多分、大丈夫。
母親が病気になったとしても、母親が先に死んだとしても、きっと、まわりの人たちに助けられて、やっていくだろうな。
となんとなく、思いました。
そう思ったらお腹がすきました。

この面談のあと、事業所内で会議をして受け入れOKになったら、契約になります。
字も読めないけど、タブレットの操作はなぜかできるほかろんさんです。

私もKis-My-Ft2、歌ってみました。元気になります。
「We never give up!
俺たちに眩しすぎるパラダイス。
転がってでもつかみに行く
We say Stand up!
Stand up!
涙の日は少しだけ、遠く滲む未来
転んだだけ強くなれる」


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