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言ってるだけです。

新聞を読んでいたら、「知らんけど。」という言葉がはやっていると書いてあった。
関西の方で使うんだと思う。
何か言った後につけるらしい。

「隣のおじさん、マフィアらしいよ。知らんけど。」
「お向かいのおばさん、後妻業らしいわ。知らんけど。」
こんな具合かな。

「知らんけど。」ってつけると、深刻なことも深刻でなくなるというか、軽くなるのかもしれない。
もちろん、本当でなくても、「知らんけど」なので、OKだ。

しかし、うちの長女にはもっとすごい言葉がある。
それが、
「言ってるだけです。」である。
彼女は他愛のないときに使う。
「フィレオフィッシュが食べたい。」
「言ってるだけです。」
こんな感じ。
え、本当に食べたいのかなって思うと、
「言ってるだけです」がかなり遅れてついてくる。
「言ってるだけです。」をつければ何でも言える。

私も使ってみよう。
「ウナギが食べたい。言ってるだけです。」
「こんなうち、早く出ていきたい。言ってるだけです。」
「一人暮らししたいです。言ってるだけです。」

ある日、本当に言ってるだけのビッグマウスの人にまんまと騙された、大学教授に会った。
言ってるだけで、調子よくて、言ったことに根拠がなくて、法的に根拠がなくてできないことを「やる。」と言うビッグマウス。
言ってることは理想的なことだけど、今の現状では出来ないことばかり述べたそうな。
素晴らしいことを言う人だ。支援したいと思った教授。
でもビッグマウスは、言うだけは言うけど、決して行動はしない。
それを見抜いている人は、信用しない。
だけど、純粋な、教授は信じたらしい。

「立派なことを言う人ですね。いい計画です。」と語るので、
「今の法律では実現不可能なことなんですよ。無理な話です。」と答えると、
「え、言ってるだけだったんですか。」とびっくりする。
それで、返事しました。
「はい、言ってるだけです。」

いちおう、長がついたり、地位がある人達において、「言ってるだけ」の人達が多すぎる。
そういう人が発言するのを聞くたびに私は付け加えている。
「言ってるだけです。」


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