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両手にハート

「ことしさいしゅうのぷーるです。」
と寒い北風なんのその、水泳カウンセリングにやってきました。
長女と母。
プールから上がったあとは、バラ色のほっぺでポッカポッカになります。
お昼ごはんは決まって、センター内のカフェで、キノコチーズクリームパスタを食べる長女。

お腹いっぱいになると元気、元気。
帰り道は駅の階段も足が上がり、たかたかホームへ着きます。
「さあ、なにいろがくるかなあ。」
井の頭線に乗るときの楽しみは、何色の電車が来るか当てることです。
「どこいきのでんしゃがくるかなあ」
これは簡単、井の頭線は吉祥寺と渋谷を行ったり来たりの短い路線。
「吉祥寺行きです。」と私は答えます。
「おしゃれでんしゃがきます。」と長女がきっぱり。
「それはわからないよ。来てみないと。」と私は言います。

数分後、ホームに入ってきたのは、
「おしゃれでんしゃ」
ええーーなんでわかったの?
レインボーカラーのめったに巡り合えないあのおしゃれでんしゃが、クリスマスプレゼントのように長女の前に現れたではありませんか。

こういうとき、すごいな、長女。
持ってる人だな。と思わずにいられない。
「はーとのつりかわつかまります。いいことあるのかな。」
と長女が聞くので、
「右手と左手両手でハートをつかめば、しあわせいっぱいになるんだよ。」
と答えました。
終点の吉祥寺について降りる時、しっかり、右手と左手でハートをつかみました。

ふ、ふ、ふ。
これで、私たち親子は世界一の幸せ者です。
両手にハートつかみました。

井の頭線レインボーカラーの車両は気まぐれに走っています。
吉祥寺側の一番端っこのつり革の輪は、ピンクのハート型です。
ケンティ王子も応援してます。


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