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「ホーホケキョのおじさん」現る。

私の住んでいる町に時々現れる「ホーホケキョのおじさん」。
いつどこで会えるのか、わからないおじさん。
それが今朝、生活介護の通所へ行く長女をバス停に送っていくとき、会えたのです。

登校中の中学生たちとすれ違いながら、最近の男子中学生はいいにおいしているなあ。洗剤とか、汗拭きシートとか、工夫しているのだろうなあ。
昔の中学生とはえらいちがいだなあ。
などと、考えていたら、後ろの方から季節外れの
「ホーホケキョ」が聞こえてきました。

「あっ、ホーホケキョのおじさんだ。」
長女が嬉しそうに、声を上げました。

するとその横を、桃太郎便がすーっと通り抜けていきました。
長女の大好きな桃太郎便。
車体に桃太郎の絵が描いてある宅配便です。
長女は毎朝バスを待つ間、
「桃太郎便こないかなあ。桃太郎便こないかなあ。」と待ち続けてます。
もう泣きそうになるぐらい、必死で桃太郎便を待っているのです。
しかし、忙しい宅配便やさん。長女の都合に合わせてきてくれるわけではありません。

なかなか会えない「桃太郎便」
そして、めったに現れない「ホーホケキョのおじさん」
今日は、なんと一緒に見ることができました。
なんていい日なんだ。
It’s a beautiful day!

「ホーホケキョのおじさん」は、自転車の荷台にプラスチックの箱(たぶん、ふたのない衣装ケース)をくくり付け、ハンドルに黒い傘をかけ、口笛を吹いて町中を回っています。
とても上手な口笛で、私も初めは本物の鶯が鳴いているのかと思ったほどです。
きょうはさらに、
「ホーホケキョ!ファイトオ、一発!元気はつらつ!」と繰り返しながら、元気に自転車をこいでいました。
そして、マンションの粗大ごみ置き場をチェックしていましたが、今日は何も出ていなかったので、素通りして行きました。

朝から「ホーホケキョのおじさん」に出会え、桃太郎便を見ることができた長女は、ごきげんにバスに乗って行きました。

そして、「ホーホケキョのおじさん」に、「ファイト一発、元気はつらつ」のエールをもらった私は、「ケイン・コスギ」を思い浮かべながら、沈んでいた気持ちを立て直しました。

長女が帰ってくるまでの貴重な自分の時間。
それは、とりもなおさず、長女が元気に生活介護に通っているからこそ得られる時間。
長女の頑張りのおかげで、得られる時間。

今日も、ありがとう。元気に帰ってきてね。


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