見出し画像

🚌バスは可愛いお客様でいっぱい🚌

毎朝、長女をバス停まで送っていくようになって、6年ほどたちます。
それまでは、私も仕事で朝忙しく出かけていくため、長女は玄関から一人でバス停に行き、バスと電車を乗り継いで、園に通っていました。

6年ほど前に、躁状態が激しくなり、それに次いで薬合わせがうまくいかず副作用が出て、自宅での生活が難しくなり入院しました。
容体が落ち着いて病院を退院してからは、長女の心の安定第一の生活になり、緊張が強い長女をバス停まで送るようになったのです。

バスを待つ間、いろいろお話をしたり、しりとりをしたりします。
長女の今の一番の関心ごとは、最近
「桃太郎便が来ない」ことです。
「きょうはももたろうびんこないかなあ。
ももたろうびんくるかなあ。」とせつない声を出しています。
たぶんルートが変わったのだろうと思います。
あんまりせつなくて、とうとう、
「モモタロスこないかなあ。」になってます。
モモタロスは電王です。
佐藤健です。
かなり昔の仮面ライダーです。

あんまりかわいそうなので、今日言いました。
「多分、桃太郎便は違う道を通るようになったんだと思うよ。」
この間、「宅配便」の絵本を読んだばかりなので、理解できたようです。
最近、お仕事の絵本に関心があるようです。
昨日は「ごみ収集車」の本を読みました。
絵本のレパートリーが広がってきました。

そうこうするうち、いつものバスがやってきました。
私は「行ってらっしゃい。」と言って、手を振ったのですが、長女はバスのドア付近に立ったまま、フリーズしてます。
「すわれない。」泣きそうです。

バスの中を見ると、いつもガラガラにすいているバスなのに、後ろ半分に保育園の子どもさんたちが、ぎっしりと座っています。
二人掛けのシートに三人座ってます。
バスの真ん中では、保育園の先生が、
「すみません。すみません。前の方へ」と言ってます。
先生は悪くないです。

それで、私は長女に
「前に座ろうね。」と大きい声で言いました。
長女はこだわりがあって、バスでは進行方向左側の後ろから2番目の席に座ります。
だけど、今日だけは、かわいい子どもさんに席を譲って、前の方の優先席に座ろうね。
ああ、よかった。
今日の長女は融通がきいて、前の座席に座りました。

なんで、毎日同じ座席に座れるかって。
多磨霊園の中を通り抜けて、多磨霊園駅に向かうというバスは、お客さんが少ないからです。

保育園の先生はたいへんです。
可愛い、子どもたちの安全を考えて、楽しく過ごせるように工夫をして、今日みたいに、遠足の付き添いをして。

子どもたちが楽しい一日を過ごせますように。

長女は、前の方の座席に座って、バスの中から私に手を振って、出かけていきました。
私の目を見て手を振ります。
ややこしい言葉を使えば、何十年もかかってやっと
「愛着が形成された。」といえるでしょう。
「愛着形成」というお母さん泣かせの言葉がありますが、まあ、何十年もかかって、やっと手ごたえを感じられる場合もあるのです。

写真は生活介護での「ガーデンセラピー」で育てている花です。
ガーデンセラピーはみんな大好きです。

よろしければ、サポートお願いします。老障介護の活動費、障害学の研究費に使わせていただきます。