かっこいいなあ。
長女がニコニコしながら話しかけてきた。
「ねえ、おかあさんのけいたいで、ひがきってでる?」
「ひがきってなに?人の名前?」
「うん。」
「お笑いの人かな?」
「うん。」
そこで考える。
お笑いでひがき?誰のことかなあ。
「もしかして、名前にヒが付くお笑いの人のことかな?」
「うん。」
そこで、私は考えた。名前にヒが付くお笑いの人。
そしてひらめいた。
あの人しかいない。そこで、スマホで検索すると写真が出てきたので、長女に見せた。
「この人かな?」
「うん。かっこいいねえ。」
長女がうっとり見つめるスマホ画面には、バナナマンの日村勇紀さん。
そうか、かっこいいのか。
長女は、隔週土曜日にフジテレビ系で放送されている「タカトシ・温水の路線バスで!」を喜んでみている。
見終わると、はあ、とため息をついてこう言うのだ。
「ぬくみずさんて、かっこいいねえ。」
そしてまた長女は、「孤独のグルメ」が大好きなので、録画して見ている。
孤独のグルメを見る前には必ず聞く。
「きょう、くすみさんでる?」
そう、長女は原作者の久住昌之さんが好きなのだ。
五郎さんがもくもく食べ終わった後のコーナー、「原作者久住昌之と行く、ふらっとQUSUMI」というコーナーが大好きなのだ。
たまに、本篇のほうにも、カウンターの隅っこで飲んでいる久住さんがいたりすることもある。
久住さんはいつもニコニコ笑顔で、「いいですねえ。」とか、「おいしいですねえ。」とか言っている。
そうか、こういうタイプの人たちをかっこいいと思うのか。
長女よ、あなたは目が高い。
で、私はといえば、それはもうマブリーだよ。
おかっぱ頭で中華鍋をふるう。
チャンプン飯店の強烈な厨房長を演じるマブリーこと、マ・ドンソク。
アクションはないけど、迷える若者とタッグを組んで、コミカルな展開。肩幅も広いけど、演技の幅も広い。
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