「サッカーを知らない人」にとってのワールドカップ 日本のサポーター論の入口

西野ジャパンはサッカー大国でのプレー重視、30歳以上が5人、20歳代前半が0人という経験値重視の選手セレクトとなった。特に平均年齢の高さは第一印象でも強いインパクトがあり、サポーター同士の会話のみならず、メディアでも多く取り上げられている。

特に、ガーナ戦では、ケガ等でリーグ戦での出場が少なくコンディションの悪そうなベテラン選手が目立ったため、強い批判も巻き起こっている。そこで長友は、このようにツイートした。

年齢で物事判断する人はサッカー知らない人。

確かにそうだろう。ベテラン選手でも一流のプレーを見せられる選手はいる。選手選考の基準は年齢ではなくプレーだ(ただし、それは選手個々のセレクトの基準であり、中長期的な日本サッカーの成長を視野に入れた場合は、チーム内の年齢構成のバランスを考えるというのはチーム作りの鉄則でもあるので年齢も判断基準にすべき面はある)。

でも考えてみてほしい。「サッカー知らない人」は批判対象となるべき人なのだろうか?

恩田聖敬さんはFC岐阜の前社長。FC岐阜社長就任と同時にALS(筋委縮性側索硬化症)を発症。その後も社長業を続けていらしたが、2015年11月末の公式リーグ戦最終節を以って病の進行により止む無く社長を辞任された人物だ。『プロフェッショナル』になるための条件について『期待に応えるのがプロ』と書かれている。

観客数が低迷し難局の時代にクラブ経営をされた恩田聖敬さんらしい一言は、さりげなく鋭い。

長くサポーターを続けるJリーグのコアサポーターが忘れかけていた視点ではないだろうか。

Jリーグ中継は視聴率が悪く、地上波の場合は関東地区では数%から5%程度となるケースが多い。不思議なことに、深夜であってもゴールデンタイムであっても、この数字が数倍の幅で触れることはほとんどない(チャンピオンシップのようなビッグゲームを除く)。一方で日本代表の試合の視聴率は高い。完敗したガーナ戦でも平均視聴率は18.3%(関東地区)。アジア地区最終予選 日本代表 対 オーストラリア代表は24.2%(関東地区)。2002年の地元開催では 日本代表 対 ロシア代表が66.1%(関東地区)という驚異的な視聴率を記録している。

視聴率がJリーグと比較して高いということは、いつもはサッカーとは関わりのない生活をおくっている多くの人が、日本代表を応援してるということ。単純にサッカーの楽しさを満喫できるビッグイベント。サッカーを知らなくても、何かを言ってみたい、サッカーで誰かと会話したくなるスーパーイベント。つまり、こう言えるのではないだろうか。

ワールドカップは「サッカー知らない人」のための大会。

サッカーを知らなくても、どのような人種、国籍であっても、誰もがサッカーで楽しむことができる夢の大会なのだ。そして「サッカー知らない人」がサッカーと共に毎日を過ごす人に変身するスイッチを入れることになるかもしれない大会だ。

サポーターは誰もが最初は「サッカー知らない人」だった。

みんなで日本代表を応援しよう。日本中がサッカーで一つになれる夢の日々が、もうすぐ始まる。夢のような時間の開幕は6月14日(24:00)だ。

頑張れ日本!楽しもうサッカー!


「サポーター3年生からの日本のサポ論」では、多種多様なサポーターのタイプについて説明しています。


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日本のサポーター論の入口

サポーターとは誰で何をしている人たちなのか。日本固有の文化とサッカーが融合して生まれたサポーターカルチャーを文章化した。日本のサポーター論の入口を紹介する。
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