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「もうちょっと信頼していただいて」レジェンド審判・岡田正義氏のサッカー観戦アドバイス 日本のサポーター論の入口

FIFAワールドカップ1998フランス大会で笛を吹いた岡田正義氏がJリーグのYouTubeチャンネルで番組に出演している。その中でサポーターに向けて楽しく観戦するコツをアドバイスしている。

岡田正義氏は愛称「ジャスティス」。レジェンド審判の一人。

この動画では、さりげなく重要なことを岡田正義氏は話している。それはプレーには3種類があるということだ。1つ目は「反則ではないプレー」。2つ目は「反則のプレー」。そして3番目は「どちらとも言えないグレーゾーンのプレー」。

反則とも反則ではないともどちらとも言えるグレーゾーンのプレーを審判は、どちらであるか判定している。

つまり、立場によっては反則に見えるプレーだが、客観的に見れば反則とは断言できないプレーが存在するということだ。グレーゾーンだから白黒つけられない。でも、白黒をつけなければ試合は進まない。だから、そこに第三者である審判が存在しなければならなくなった。

サッカーの歴史を見れば審判の役割がわかる。

サッカー(らしきもの)が始まった当初には審判はいなかった。当事者同士でルールを判断していた。ところが、第三者が介在しないと判断できないことが増えてきた。だから誰かに頼もう、ということになった。当初の審判は、どうしても両チームの主将同士での話し合いがつかない時に判断を委ねる相手だった。それがサッカーに審判が必要になった理由であり経緯だった。実はサッカーの長い歴史の中で審判が登場するのは、サッカーが始まって発展していく途中でのことだ。

「もうちょっと信頼していただいて」

白黒つけられないのにも関わらず「審判は間違っている」という前提で試合を見ればストレスが溜まるでしょ・・・というのが岡田正義氏からの提言だ。サッカーと審判の歴史を知れば、「審判は間違っている」という前提は本来のサッカーの見方とは異なる。そのような先入観で観戦すればストレスが溜まるのは当然だといえる。

サッカーの誤審騒動の多くはサポーターによって起こる。本当は誤審ではなくても、誤審だという思い込みで騒動が発生する。

調査によると37%のサポーターは「自分の応援するクラブは誤審で損をする事が多い」と思い込んでおり、70%のサポーターは「Jリーグには他の審判と比較して誤審の多い特定の審判員が存在する」と思い込んでいる。そして50%のサポーターは「日本全体の審判技術水準は一般的な欧州の審判技術水準よりも劣っている」と思い込んでいる。この先入観が審判を見下し、誤審騒動を巻き起こす一因となっているのだ。

実際は、日本の審判技術は高く評価され、国際試合でも重要な試合に日本の審判は多く起用されている。

「審判は間違っている」という先入観を排除して、判定を審判に任せてサッカーを見れば、ストレスが減るかもしれない。そして誤審騒動は必ず減少する。でも逆に「審判のせいで負けた」と言っていた方が、愛する選手が責任を背負う必要がなくなり、ストレスから解放される面もあるかもしれない。

審判は大変な仕事だということだけは、サポーターとしても理解しておきたいですね。

「サポーター3年生からの日本のサポ論」ではサポーターの審判や判定に対する感情や意見についてもまとめています。kindle端末がなくてもiPhoneやPCで読むことができます。


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